乾くるみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレえらい時代設定が古いなぁと思っていたら、実在?のエピソードをモチーフにしたからなんだな。そしてえらい直接的な表現ばっかりで想像するのもなんだかはばかられる感じ(笑)
主人公がどんな秘密を握ってるのかなかなかわからなかったけども、かといってわかったところでブツがブツだけに、こんなサークルやだなぁと。イヤミスでもなく、もちろん爽やかさなどあるはずもなく、嫌いにはならないけど好きかと言われたらちょっと困るタイプの世界観。ミステリーって美しさが必要なんだなと改めて思う一方、完成度の高さは描かれる世界の色を凌駕するということを証明している?と好意的に言えるのかもしれない。作中にでてくるフィクションだからあれやこれや言えるのだみたいなやりとりは、まさに我々の投影なわけで、このあたりのメタ感は氏の術中。最終的な評価は高くはならなかったけども。
ちなみにこれを出張の移動中に読んでたんだけども、初めて降り立った地だったせいか、その土地の思い出に変な色がついた(笑) -
Posted by ブクログ
人間不信になること間違いなし! HeartfulではなくHurtfulな短編集 #ハートフル・ラブ
■きっと読みたくなるレビュー
優しく心温まる恋愛小説と思いきや、実は人が人を傷つけるバラエティーに富んだミステリー短編集。どれも気軽に読める作品ばかりですが、なかなかの衝撃が待ち受けています。
楽しい作品ばかりですが、特に『九百十七円は高すぎる』『カフカ的』がおすすめ。登場人物たちの関係性から目が離せなく、ついつい熱中して読み込んでしまいました。
■各短編のかんたん感想文
〇夫の余命
脳腫瘍を患った夫を持つ、新妻の物語。アンソロジー『神様の罠』で既読の作品、再読してみても面白い。
短編なのに構成と人間関係の描写がめっちゃ綺麗で素晴らしいですね~
なにげない男女の会話がいいんですよ。これぞ乾くるみ先生の作品でした。
〇同級生
高校時代の同窓会での出来事、小説で成功した同級生のマンションに訪れると…
自分も若き学生時代を思い出しちゃいましたね、切ないわー
そして読み手をひっかけるのがお上手でした。
〇カフカ的【おすすめ!】
高校教師が旧友と出会い、交換殺人の約束をすることになって…
短編にも関わらずかなり、人間関係から謎解きまでかなり濃密な作品でした。特に殺人計画、相談の描写は、思わず手に汗を握っちゃいました。
〇なんて素敵な握手会
アイドルの握手会での出来事、掌編。シンプルながらも、あっさり騙される…
〇消費税狂騒曲
消費税をテーマにしながら、一人の警察官の人生が描かれる物語。
細かい金額でセコイのですが、私も日常生活で、この疑問は気になってたんですよね~アプローチが面白いし、年代とともに人間関係もしっかりと描いています。
特に最後の数行でキレイで、物語全体を優しく包んでました。
〇九百十七円は高すぎる 【おすすめ!】
アンソロジー『彼女』で既読の作品。
あらためて読むと、なかなかの百合っぷりな作品ですね。青臭くも薄暗い艶めかしさが好き。
ある人のたった一言のセリフから、緻密に推理していくミステリーです。
動機は不純ですが、解法から真相はミステリー好きも唸る一作です。
〇数学科の女
男子4名、女子1名の大学生グループの物語。本書メインの中編で、まさにHURTFUL満載な内容です。
人間って欲望や弱みに付け込まれると、簡単に傷ついちゃうよね。いやー悲しい。
そして最後まで成長しない主人公を見て、さらに悲しくなりました。 -
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古本屋で語られるミステリー仲間の集いが羨ましい!ライトな読み口&良書紹介 #蒼林堂古書店へようこそ
■あらすじ
ミステリファンで集う蒼林堂古書店。毎週日曜日は、店主と馴染みのお客さんで賑わっていた。いつもミステリー談義と日常の謎を語らい合う彼らだったが、その会合も14ヶ月目を迎えたときに…
■レビュー
14の掌編で綴られた連作集、全編とおしてホッコリとした空気で満たされる作品です。読んでて心地いいですね~
なにより本作で一番素敵なのは、登場人物の皆さんの仲の良さ。
私もこんなミステリー仲間、読書スペース(しかもリーズナブル)が欲しい!
だれかミステリー専門の古書店を近所に作って下さい、頼む。
本作のトリックは日常の謎ではありますが、相変わらず視点が面白く、またその謎に対して遊ぶのが超上手い。頭の体操になるような内容で読んでて楽しいですね。
そして各篇に最後に挟まれるミステリー書籍の紹介もイイ!
現代ではない少し古めの作品が多く、知らない作品がたくさんありました。
積読で大変なのに、また読みたい本が増えちゃうじゃないの。困るっ
気軽に読める内容かつ掌編の短い物語で進行するので、ちょっと疲れた時や日曜の午後など、ほっとしたい時に読むといいですね。
■推しポイント
作者が日常にそれとなく存在している、ごく細かいことに対しても、つねに興味や疑問を持っていることが伝わってきます。
例えば本のタイトル、商品名、人の名前、手紙やメールの文字などなど。
なぜこうなっているのか?という探求心、こう変化したらこうなるだろうといった好奇心が凄いです。
人生、ぼけーーーと生きているとあっと言う間に時間が過ぎますが、身の回りにある課題を見つけたり、解決していく能力が必要です。
こういった気づきの大切さを教えてくれる、優しい本だと思いました。 -
Posted by ブクログ
ミステリ専門古書店の常連客たちが、雑談の中で見いだす日常の謎を、マスターが解決する安楽椅子探偵もの。とは言っても、一編が短い上、雑談やミステリの蘊蓄が詰め込まれていて、そもそも謎解きに使われる紙幅が少ない。それもあってか、謎は軽量級で、マスターも快刀乱麻を断つ名探偵と言うより、仲間内では一番切れる人と言った感じ。お話の雰囲気から、あえてそういう緩い雰囲気になってるんでしょう。ミステリファンの読者もトリックだロジックだと堅いことを言わずに、蘊蓄や理想化されたミステリマニアの集いの雰囲気を楽しめばいいように思う。合間に挟まれる、マスターが書いたという体のコラムも愉しい。
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Posted by ブクログ
読んでて楽しいっ 奇妙な体験が味わえる2つの不思議な青春ミステリー #クラリネット症候群
気が付くと自分の意志に反して体が動き始めてしまう、一体何が起こったのか?
クラリネットが壊れてしまったことから、自らの体がおかしくなってしまい…
以上2編が収録された、特殊設定ミステリーの短編集。
どちらの作品も登場人物が生き生きとしていて魅力的。また青春時代ど真ん中の設定でさわやか!いいっ
全般的に軽く、アニメやティーン向けのTVドラマになりそう。この作風に重厚感を求めるのは難しいけど、謎解き部分にパズル的な要素以外にも深みを持たせると、ミステリーファンにも納得させられる作品になるかなと思いました。
■マリオネット症候群 ★3
人格転移ミステリー、面白い発想で読み口もかなりライト。序盤は不可思議な雰囲気ながら、中盤以降は楽しさ抜群。ここまで前向きに書いてくれると、気持ちよく読めていいですね。
ミステリーとしても技が効いており、さすが乾くるみさんといった感じでした。
■クラリネット症候群 ★4
暗号解読ものミステリー。良くこのパズルをもとに作品を作った、あっぱれ!ですね。作りこみすぎ感すらあります。伏線も登場人物たちの会話も、よくできていて素晴らしいですね。
特にこちらは登場人物たちが可愛く、主人公への感情移入が止まりませんでしたよ。淡い切ない学生時代を思い出しました。
不思議で楽しいミステリーなので、あまり推理小説を読んだことがない人に、ぜひ読んでほしい作品でした!