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私立曙女子高等学院の問題児ばかり集められるクラスに、ある生徒が異動してきた。家族が借金を抱えているため、自分で学費を稼ごうと校則違反のアルバイトをしていたことが理由だという。それを知ったクラスメイトたちは彼女が特待生資格をとれるよう一致団結するが……(「マルキュー」)ほか全七篇を収録。個性豊かな女子高校生達が日常で起きた事件を解決!
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Posted by ブクログ
う〜む。 期待していたがいまいち。 舞台は、曙女子高校だが 登場人物が話ごとに別々なので、 わざわざ同じ高校にする意味がない? ラッキーセブンと三つの涙以外は、 騒ぐほどの事件でもないし。 逆にラッキーセブンは、 カラーが違うので この短編集に入れない方がよいかも。 三つの涙がなければ星2...続きを読むつにしたかも。 登場人物の名前がなんか変と思っていたら、 タイトルと関係あるのね。
同じ女子校に通う学生の日常の謎的な短編集。 それぞれ指向が全く異なっていてパズル好きには楽しめるかも。
総合評価 ★★★★☆ サプライズ ★★★☆☆ 熱中度 ★★★☆☆ インパクト ★★★☆☆ キャラクター ★★★★☆ 読後感 ★★★☆☆ 希少価値 ★☆☆☆☆ 私立曙高等学校を舞台とした短編集。個々の短編が同じ高校を舞台としており、教師等に少しだけ共通点はあるが、基本的には...続きを読む独立した短編の集まりとなっている。 ● ラッキーセブン 私立曙高等学校の生徒会が舞台。桐原多絵が考えたトランプを利用したカードゲームにより、デスゲームが始まる。 人数分のカードを利用し、Aが一番強いが、Aは一番大きい数字にだけは負ける。相手が持っているカードを言い当てれば勝てるというのがミソ。勝てばカードが増えるので、数の大きさ勝負になれば有利だが、言い当てられる可能性も高い。これに悪魔召喚により悪魔との間で寿命の半分と引き換えに願いをかなえることができる生徒が、デスゲームの舞台を整えるという展開。奇抜な設定ではあるが、中身はカードを利用した論理ゲーム。駆け引きと論理で最後まで勝ち残ったヒロイン、鹿嶋田春は、悪魔=ボック・ジョウに依頼し、寿命の半分を使って、ゲームが始まる前に戻してもらうというオチ。ノリと論理的なゲーム展開はそれなりに楽しめるが、そこそこどまりか。★3で。ちなみに、「セブン」という短編集にも収録されており、その時の感想は以下のとおり 【セブン収録時の感想】 トランプを利用したデス・ゲームをテーマにした作品。ライアーゲームやカイジなんかに近い雰囲気。非現実的な設定であり、そもそもリアリティなんかないのだが、登場人物が「死」をリアルに感じているような描写が全くなく、緊張感がない。ゲームとしては、ややルールが複雑すぎる気がするが、なかなかよくできている。ゲームとしてオチらしいオチはなく、全体的にユーモラスな雰囲気でごまかしている感じ。 ● GIVE ME FIVE 私立曙高等学校の女子高生がカラオケボックスでアルバイトが、高級ないちご、美人姫を食べたのは誰かを推理するという話。基本的にはアリバイ物。丁寧な時系列の表を作成し、ゴミ箱の手掛かりなどを踏まえると、容疑者は川靄明里になるが、しっくりこない。更に推理を進めると…。真犯人は、被害者でもある縄取可奈。縄取は、カラオケの採点で高得点を取った鈴桐に嫉妬し、鈴桐に恥をかかせようとして、イチゴ紛失騒ぎを起こしたというオチ。アリバイ物は地味でさほど好みではない。この作品はオチも含め、乾くるみらしい作品ではあるが、そこそこどまりというイメージ。★3 ● 3つの涙 1つめ、2つめの短編とは雰囲気が少し違う。この事件では殺人事件が起こる。私立曙高等学校に通う榊小百合の住むアパートで殺人事件が起こる。決めてとなるのは「アイスの実 ぶどう味」。榊小百合が自宅の冷蔵庫で「アイスの実 ぶどう味」を見つける。真犯人が榊小百合の母親だったというオチ。これは、ブラックな展開。ミステリというより、切れ味のいいショートショートのようなオチである。なかなか。★4 ● 女の子の第六感 レスQちゃんというゆるキャラのグッズが当たる福引をめぐる話。「中った」を「なかった」の誤記と誤解し、当たった景品はあげるといったことから、さらに誤解が生じるという話。誤解に気付かれないようにスマホを盗んでメールを消そうとしたことをする。「誤字だし」を「5時だし」と誤解したといったことまであって、まぁダジャレレベルであるが、それなりに楽しめる作品にはなっている。★3 ● マルキュー 私立曙高等学校には問題児ばかりがあつまる9組=マルキューがある。家族が借金を抱えているため、自分で学費を稼ごうとし校則違反のアルバイトをしていたクラスメイトが異動してきた。この生徒が、「特待生」になるための工作を行う。トリックは、フットサルのための靴とテストの試験で同じ構造。複数の人間が、一人ずつ、少しずつ大きい靴と取り換えるというもの。試験の方は、少しだけ成績がいい人の名前を使うことで、特待生を目指す小和田七緒は、最も成績がよい人に名前を使ってもらうことになるというもの。大がかりなトリックでリアリティはないが、仕掛けとしては面白い。渋谷ののかが、昔、マルキューの学生で、太ってしまったというオチもあって、それなりに面白い。★4で。 ● 偶然の十字路 変わった構造の部活棟で起きた暴行事件が起こる。耳梨右音が襲われたと思われたのは、名高南央が梶畑首里に投げたハンドクリームが当たったという事故。そのときに尿を漏らしてしまったのを、浜路成子と耳梨貴葉は、尿を漏らした右音の下の片付けをしてしまっていたというもの。これは…正直どうかと思う。偶然に頼っている上、別に不可能犯罪というようなものにもなっていない。微妙。★2で。 ● ハチの巣ダンス 友達が落としたスマホの拾い主が大金を要求してくる。居酒屋の店員が犯人だと推理する私立曙高等学校の女子高生達が、その店員の住むマンションに忍び込む。自宅を忍者体験センターとして、娘にピッキングまで押しるという家族の子、忍者である八東友梨奈等、個性的なメンバーがスマホを取り戻す。「ハチの巣箪笥」にあったスマホを取り戻すという話だが、二人のハーフの女子高生が、出生時に取り違えられていたというオチが唐突に入る。「日渡虹華」は、本当は、「薙坂千草」であり、先に出生した日渡虹華は、「薙坂千草」と申請され、戸籍に入る。その後、取り違えられ、祖父から「虹華」という名を与えられる。そうすると、この物語で「千草」と呼ばれている人には、名がないというオチ。地の文では、「千草」と記述していないというこだわりがあるものの、取って付けた感は否めない。凡作。★2で。 ● 総合的な感想 帯には、「ミステリの名手がおくる連作短編集」とあるが、連作感はほとんどない。同じ高校を舞台に日常の謎系のミステリが描かれる。ラッキーセブンは、別の短編集である「セブン」で読んでいた。ほかの作品にしても、「3つの涙」と「マルキュー」はそれなりに面白いが、あとの6作は凡作~平均どまり。総合的にみると中の下くらいのデキか。★3で。
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