乾くるみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
星を3つにしようかどうしようか迷ったが、読みやすかったし、ラストの「贈る言葉」にグッと来たので4つ。
なぜ3つにしようと思ったかといえば、やはり雰囲気があまりにも米澤穂信さんの「古典部」シリーズに似ていたから。出てくるキャラクターもなんとなく同じように感じてしまう。
設定は現代だが、作中人物たちの佇まいがやや古風な感じがする。そこもまた「古典部」との相似を感じ取ってしまう。
「《せうえうか》の秘密」は「ミステリ魂。校歌斉唱」で読んでいたのだが、独立してこれだけ読むのと、他の作品と一緒にシリーズものとして読むのではずいぶん雰囲気が違う。
ミステリ仕立ての、さらっとした青春モノ、という位置づけでい -
Posted by 読むコレ
名作と名高い作品、恥ずかしながら今更初読です。
そして評判通りの名作っぷりに脱帽と感激、そして
みなさんがされたように即、再読した次第です。
単純に若さ故の性急で余裕はないけど、真っ直ぐで、
でも幼い恋愛ストーリーに引き込まれてしまいます。
学生時代に知り合って、初めての恋に落ちた瞬間から
を描く「Side A」では好きになった気持ちと行動と
感情がくすぐったいくらいにダイレクトに伝わってきます。
そして社会人となって転勤によって、距離が生まれながらも
2人の距離を縮めようとし、少しづつその無理が襲ってくる
「Side B」の両面によって構成。
もちろん普通にA面~B -
Posted by ブクログ
最初にブツが出てきたときは、ああこれはそういうライトな事件を集めた短編集なんだな、と思った。蒼林堂書店やカラット探偵事務所を読んでいたということもあるだろうが、この臭そうな事件だけで一冊だと想像していた人の方が少ないのではないだろうか。
次々と事件が起こるわけでもなく、場所や時代が変わることもなく、放課後の部室に起きた小さな事件だけで書き切ったのは見事と思う。解説で実話が元になっていると知り更に驚いた。この豊かな想像力と読者を楽しませようというサービス精神が作者の武器なのだろう。
今後も読者への愛情溢れる作品を上梓して頂けることを期待しています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『イニシエーション・ラブ』の乾くるみによるミステリーで、いかにもこの作者っぽい『嫉妬事件』というタイトル。それに期待を寄せて手に取ったとして、まさかこんな予想外の展開を見せるとは・・・どんな鋭い読者でも到底想像できまい!
ミステリーファンが真面目に読んで、「なんだよこれ、ふざけんな!!」と怒っている様子を頭に浮かべるとなんだか楽しくなる。そういう挑発的な題材をあえて選択した作者に拍手したいです。
作中でも言及されるが、死体について推理するのは違和感がないのに、ウンコについて推理するのは違和感だらけって、本当はちょっとヘンなんじゃないの?という提起。
筋立てはミステリーとしてしっかり構築し