乾くるみのレビュー一覧
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ネタバレ連作短編集。
登場人物4名が古書店に集まり 日常の謎を持ち寄り推理していく物語。
一つ一つの謎はビックリするようなものはないのだが、最後に短編を締めくくる部分はかなり面白かった。
評価は☆3にしたが、限りなく☆4に近い感じがする。
登場人物の一人であるしのぶ先生は古書店店主に恋心を抱いているのだが、店主はしのぶ先生の従妹に昔恋をしていたことをしのぶ先生は知っており、それを隠して店主に気持ちを伝えようとする。
その気持ちに店主は答えるのに、告白と同じように本を使って答えるのだがしのぶ先生と読者は店主が振ったと思うのだが、そこでどんでん返しが待っている。
そして物語とは関係ないような部分、最後の1行で二人のその先を表現しているところは 何気に読んでしまうと見逃すような表現でまたまた驚かせてくれた。 -
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軽いミステリーものであり、学園生活ものでもあり。
北乃杜高校生の清水克文が、横井圭、赤倉志朗、山科桃子、稲川みどりと謎解きをする。
二段組みの小節は相当久々だった。短編4つが収められている。難しいことはほとんど何も考えず、ただ身を委ね読み通した。今は昔となった時事ネタは出くわすたび興ざめ。タイムリーに読めば愉快なサービスなのかな。不必要に多用しなくていいのに。
①《せうえうか》の秘密(☆2)
北乃杜高校で歌い継がれる逍遥歌は、一部歌詞が書きかえられていた。その理由を探り、歌詞に隠されていた作詞・作曲者の意図を知る。楽譜が掲載されていた。声に出し歌いはしなかったが把握しやすいメロディーだ。
真相は、よく考えるものだと思う。しかし、アナグラムで遊ぶように机上でこねくり回しても小説としてどうか。実際何か事件が起こり、状況が変化する中で行動して解決する方が好き。その点では次の話は面白かった。
②記録された殺人の予告(☆4)
修学旅行中、学校関係者用のブログに殺害予告ととれるメッセージが書き込まれた。「旅行最終日に人を殺します」という。それは、いち女子生徒姉原がなくしたケータイから書き込まれていた。
人を殺しますとなると心境としてどきっとしたがひとまず円満に済んでよかった。
③牛に願いを(☆3)
ミステリーというより普通のお話。文化祭。平安時代風の衣装で牛車を引いてパレードするんだって。楽しそう。8年前の卒業生二宮は、当時の約束の通り、七夕伝説に準えたロマンチックな再会を果たすことができるのだろうか――。
牛蒡さんには笑った。
④贈る言葉(☆3)
卒業式前々日。谷口瞳先生の卒業アルバム写真がチェーンメールで広まっていた。歯列矯正器具を面白がる悪意が感じられる。また時を同じくして自殺を仄めかす文書が文芸部に届く。日数がない中で双方の解決を試みる。
この話では、生徒会長赤倉志朗の地力と谷口瞳先生の気高き決意を見た。犯人探しに終始しないのは好印象だったがすっきりしない感もある。
最後に、清水と稲川のラブコメが不足しとるぞー。 -
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ネタバレ「7」にまつわる7つの短編からなる短編集。趣向は面白いが、ここでの作品をつなげる大きな謎は存在しない。登場人物などは異なる、全く別の7つの話が集まっている。
玉石混交の7作だが、どの作品もそこまでの意外性はない。表題作の「ラッキーセブン」とトリを飾る「ユニークゲーム」は論理パズル。少し前に流行ったデス・ゲームの作品であり、非現実的な設定で命を掛けたゲームが行われる。
ほかの5作品はショートショートがあったり、ミステリとは言い難い作品がある。「7」にまつわる話という共通点はあるものの、掲載されている作品の趣向はさまざま。デキも傑作といえるほどの作品はない。「ユニークゲーム」の読後感の悪さなど、乾くるみらしさもあるが、ギリギリ及第点程度の短編集という評価。★3で。個々の作品の所感は以下のとおり
○ ラッキーセブン
トランプを利用したデス・ゲームをテーマにした作品。ライアーゲームやカイジなんかに近い雰囲気。非現実的な設定であり、そもそもリアリティなんかないのだが、登場人物が「死」をリアルに感じているような描写が全くなく、緊張感がない。ゲームとしてはややルールが複雑すぎる気がするが、なかなかよくできている。ゲームとしてオチらしいオチはなく、全体的にユーモラスな雰囲気でごまかしている感じ。
○ 小諸ー新鶴343キロの殺意
これは、はっきりと駄作といえる作品。七福神に見立てて殺人するという設定だけは面白いが、宗教の教義にこじつけているだけで全く面白くない。意外性もない。
○ TLP49
ちょっとだけ「リピート」を感じさせる。乾くるみが得意とするSF的な設定を絡めた作品。突発的な危険を感じると、自分の未来を7つに分け、それがランダムでやってくるというやや分かりにくい設定。その設定を利用して競馬で稼ぐというちょっと陳腐な展開。オチは、別の競馬場の結果を見ていたが、馬券を買っていた競馬場でも同じ結果だったというもの。うーん。これもイマイチ。
○ 一男去って……
ショートショート。ミステリではなく、ちょっとした小話。全く駄作というわけではないが、乾くるみに求められているものは、こういう作品ではないような気がする…。
○ 殺人テレパス七対子
双子のテレパス実験の場を利用したアリバイトリックの作品。ややユーモラスに描かれている。トリックも陳腐だし、意外性もない。
○ 木曜の女
乾くるみらしいエロチックな作品。ミステリではない。面白くないわけではないが、阿刀田高っぽい作風。
○ ユニークゲーム
この短編集では白眉。戦場で捕虜になった7人のうち、何人が生き残ることができるかというデス・ゲームの作品なのだが、オチが強烈。一人が勝手な行動をし、7人助かるはずだったのが、一人しか助からなかったというオチ。ゲームそのものはなかなかよくできている。 -
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ネタバレ「セカンド・ラブ」が「イニシエーション・ラブ」の後継的位置づけの作品だとすれば,本作,「スリープ」は「リピート」の後継的作品。SF的な味付けをしたサスペンス的な作品である。
羽鳥亜里沙という14歳の美少女をめぐる物語。冷凍睡眠状態になった亜里沙を目覚めさせ,生き延びさせようとしている戸松鋭二という図式の物語と見せかけ,真相は,大人になった羽鳥亜里沙を愛することができなかった戸松鋭二が,冷凍睡眠をしていた女性アーティストの体を利用して,羽鳥亜里沙のコピーを作り出していたというオチ
話づくりは,さすが乾くるみと思わせるうまさで,30年後の未来の描写などもよくできている。
戸松鋭二が,羽鳥亜里沙に対し,純愛に徹し,地位も名誉もすてた存在…と思わせ,全くの別人から14歳の羽鳥亜里沙を作り出した悪魔のような存在に一転してしまう意外性は見事。話の盛り上げ方も見事だが,乾くるみらしい人間のえぐさはあまりでていない。なんとも言えない読後感は健在なのだが…。面白いことは面白いが,乾くるみとしては,そこそこのデキかな。トータルでは★3で。 -
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ネタバレ探偵事務所をオープンさせた古谷に引きずられるようにして、一緒に探偵になった井上。
古谷は、お金持ちのお坊ちゃんで、よくある浮気調査などは引き受けず、謎解きだけを専門にする探偵事務所を開いてしまったのだ。
当然、事務所は常に閑古鳥が鳴いている状態だが、そんな探偵事務所にも持ち込まれる所長である古谷のお眼鏡に叶う依頼も時々はある。
そんな数少ない依頼を「カラッ」と解決する探偵事務所が「カラット探偵事務所」である。
という感じの話でした。
構成としては短編の話が六つ。
どれも人が死んだりはしない、非常に軽い感じの話でした。
おかげで、随分、すらすら読めて読みやすかったです。
テンポの良さとしては、相当なんだろうなあ……と思います。
ただ、ミステリー小説だと思って読むと、期待はずれ。
どちらかというと、完全にラノベ感覚ですね。
ただ、この巻の最後に、大どんでん返しがあって、私はそれで一気にこの小説に心を掴まれました。
途中までは「え? え?」となってたんですが、「うわぁー」って最後の最後でなりました。これは私の大好きなどんでん返しでした。
確かに、表紙を見たときに「あれー?」と気になってた部分でもあったんですが、読んでみたら「なるほど」でした。
そういうところまで含めて、イベント要素満載でおもしろかったです。
結論としては、ラノベ系ミステリー小説……という雰囲気のとても読みやすい小説でした。 -
購入済み
結末が普通
結末が予想通りでひねりがなかった。
いろいろなところにヒントがちりばめられているらしいので、二回目に読んだときに「ああー、なるほど」と納得できるところは多いと思うが、結末に驚きがなかったのでそこまで見返す気になれない。