乾くるみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ実際に起こった事件をモチーフにしているらしいが、うんこ話をそれなりにうまいことしっかりミステリにしている。
帯文(解説抜粋)からこの小説の内容がうんこ事件であることは分かってて読んだため、特に過度な期待はせず、想像通りの読後感。
それよりも併録の「三つの質疑」。
話自体はボーナストラックとしているくらいでおまけのような軽いものだが、トリックのヒントとなる叙述ルールを提示している個所については、解答編を読んでおお!と思った。
うんこの後だったし、おまけと思って油断していたが、確かにそこは読んでいて違和感を感じたところだったから。まさに足元を”救われた”。
この辺の伏線の張り方は上手いと思う。 -
Posted by ブクログ
真面目に考えるのがバカバカしい事件を寄り集まって知恵を出しあって考えている絵が容易に想像できて楽しい。本棚にトラップを仕掛けたのは誰か。実際にあったと伝えられる事件を元にしているらしいがなかなか面白かった。容疑者が浮かんでは消えて絞られていく過程が丁寧に書かれており、どんでん返しも用意されている。ただ伏線もきちんと用意され、謎解きに活かされているけれども、そういう終わり方かよとツッコミたくなる気分も。そういえばデビュー作もこんな感じだったっけ。最後の一行には失笑させられた。ボーナストラック的な短編は朗読したらすぐバレるような気がするのだが。表装の英語が全く逆の意味の名詞なのはなぜだろう。ストー
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Posted by ブクログ
所長の古谷と助手の井上、
2人だけのカラット探偵事務所。
「俺」こと井上の一人称で語られる、
6つの謎解きからなる短編集です。
古谷と井上は高校時代の同級生で共に30歳。
資産家の三男坊である古谷の道楽で始めた事務所なので、
儲けは度外視。
ありがちな浮気調査等はお断り。
古谷の好みの、皆を集めてさて・・・というような謎解き専門。
主役2人が気楽なものなので、
読み手側も軽い気持ちで謎解きを楽しめます。
謎自体もメールだったり暗号文だったり、
殺人事件とか悲惨なものは無いので安心です。
大どんでん返し(?)が1つあって、
私の中ではそこが一番パンチがきいてたかな。
思わず、そんな伏線あったか -
Posted by ブクログ
元法医学者の林真紅朗。愛妻を事故で亡くし、勤務先の大学を辞めて隠居生活をしてた。そんな彼に起きた五つの事件の短篇集です。
「いちばん奥の個室」
12歳の姪に連れられて言ったコンサートで事件が起きた。ステージのマジックで消えた女性が、トイレの個室で殴打された姿で発見されたのだ。マジックのからくり・トイレの個室の密室。真紅朗は、事件の真相に迫る。
「ひいらぎ駅の怪事件」
大学時代の親友と飲んだ帰り道。二人で雨の中を傘を差してひいらぎ駅に着くと事件が起こった。白人の女性が階段から落ちたのだ。救急車を呼び救急隊の到着を待っていると、階段で座って携帯をいじくっていた女の子がカメラを盗まれたと