乾くるみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレおそらく国内で唯一の謎解き専門を謳った探偵事務所である「カラット探偵事務所」を舞台とした6つの短編からなる日常の謎系のミステリの第二弾。
第一弾は最後で,ちょっとしたサプライズがあったが,今回はそのようなサプライズはない。その点は残念。
ただし,書き下ろしのFile12「つきまとう男」に仕掛けられたトリックは秀逸。西田カレンという人物が実は男というトリックであり,そのことはカラット探偵事務所の1の最後の部分,井上が女性だったという部分とも繋がっている。タイトルの「つきまとう男」とは,実は西田カレンのことを意味するというのは,なんとも乾くるみらしい言葉のトリック。
また,「あのときは嘘だったけど,今では嘘でなくなってるからね。これもまあ,一種の時間差トリックということで」という最後の一文は,古谷と井上が結婚し,二人の間に子どももできたのかな,思わせる一文で,ここも少しニヤリとできる趣向だった。なんだかんだで,古谷と井上という二人の登場人物は結構好きなキャラクターである。
キャラクターの魅力はあるものの,7つの短編は短編としてのデキはそれほどよくない。やはり乾くるみは長編向きの作家かなと思ってしまった。一番好きな作品は,File11「一子相伝の味」かな。キャラクターの魅力も考慮し,ちょっとおまけの★3で。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ乾くるみ得意の,最後の最後に強烈なオチを用意した連作短編集。謎解きだけを専門に扱う探偵事務所に持ち込まれた6つの事件を,探偵・古谷が鮮やかに解決する。
いわゆる日常の謎系のミステリで,探偵事務所に持ち込まれる事件は,浮気調査と卵消失事件の謎を解明する「卵消失事件」などの6つの事件が描かれている。乾くるみの文章は読みやすいのだが,どちらかというと長編向きの作家のように思う。カラット探偵事務所事件簿1の作品はいずれも,平均点か,それより下というレベル。謎も,謎のための謎というか…「なるほど!」というより,「へぇ…」という感じの謎である。暗号解読など,ちょっとあきれてしまうほど複雑。しかし最後の最後のオチ,探偵古谷の助手である井上が女性という叙述トリックは見事。このオチを知ってから,改めて最初から読み返し,ニヤリとしてしまう描写を楽しんだ。これが乾くるみの作品を読むときの醍醐味だろう。本編の作品のレベルだけだと★2だが,井上が女性というトリックまで合わせた評価で★3としたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ着地点にビックリ。こんな終わり方を迎えるとは思っていなかった。斬新ではある。発想は面白いなぁと思った。ただ、グロめの描写に加えて、後半は官能小説と見紛うようなエロ描写で、しかも百合要素満載なので、これが受け入れられない人は読むのがキツいかもしれない。
遺伝子関係のお話や、聖書・魔女の解釈が興味深かった。遺伝子が実際どこまでそうなり得るのかは分からないけれど、こんなことが起こり得るかもしれない・・・?なんて考えるくらいに、科学的なお話が作り込まれているのは良かったと思う。
向かうところ敵なしの黒猫の評判に対して、調査中の行動ですぐに感情的になったり、あまり強かさや敏腕っぷりが伝わらず、キャラがブレているように感じたのが少し残念だったかな。