嶽本野ばらのレビュー一覧

  • ロリヰタ。

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    久々の野ばら作品読書でした。
    凄く良かったです。大好きな本になりました。

    『ロリヰタ。』を読んでる最中はただ切なかった。ただ正直に言葉をぶつけるだけなのに、捻じ曲げられ、裏返され、誤謬されてしまう。それはきっと人には一生ついて回ること。自分の発した言葉が誤解されてしまうことなんて日常なんだ。

    どうして伝わらないのかと心を痛めても、それは違うと声の限りに叫んでも、それはきっと届かない。それが痛いくらいわかるから辛かった。

    書き留めていつまでも大切に取っておきたいような文章がたくさんありました。何度も読み返したくなる小説。

    『ハネ。』もとても切なかった。皆さん言うとおり、野ばら作品の王道の

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    2015年02月09日
  • ロリヰタ。

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    初めて読んだ野ばら本。
    表題作と短編が一つ収録されてるんですが、どちらも泣けます。
    人目を憚らない程に。
    個人的には短編の「ツバサ」(平仮名だったかも)の方が好きです。

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    2011年04月09日
  • カフェー小品集

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    実際の喫茶店を舞台にした恋愛小説ということで「本を読んで聖地巡礼するのも楽しそう!」と思って購入。古い作品なので殆どのお店がすでに閉店済ですが京都の「フランソワ」と小樽の「光」だけはまだ健在のようです。
    さっそくフランソワに本を持って、カフェして参りました。優しくて、切なくて、どこか郷愁的な物語を読みながらゆっくり時間を使って美味しいスイーツと紅茶をいただき、なかなかに贅沢な時間の使い方が出来たなと満足しました。決してハッピーエンドばかりではない、どこか癖があってそれぞれに愛おしさと美しさと逞しさのある女性たちとの物語は、没入感があって素敵なカフェでお茶をしながら読むのピッタリです。

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    2025年11月03日
  • ミシン missin’

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    作者の処女小説集。青年雑貨店店主と心の病を抱えた少女の出会い。既に作者の危うい世界観が完成されている。危ういからこそ尊い関係。嫌悪する人もいるだろうが嫌いじゃない。フィクションの中だけで許されるものではあるが。

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    2025年10月21日
  • ピクニック部

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    「ブサとジェジェ」OLIVEdesOLIVEとかラフォーレ原宿とかが出てきて、AnkRougeとかLIZLISAが大好きで原宿に行くことが何よりも楽しみだった中学・高校時代を思い出してワクワクした。可愛いお洋服を愛する気持ちって最高だよなぁと思った。
    「こんにちはアルルカン」これもロリータ服を愛するお話。高校時代の友達に語りかけるような文体で新鮮だった。今まで孫に買うテイを装ってロリータ服屋さんを巡っていたけど、最後にゴスロリのお洋服屋さんで試着をして涙が出てくるところは素敵だったし、自分の好きを大切にしたいと思えた。
    「ピクニック部」可愛いに一直線な華奢な男の子が気になる存在だった。もし近く

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    2025年08月17日
  • 鱗姫

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    じっとりとまとわりつくような不気味さと妖艶さに圧倒され続ける1冊でした。
    作者の嶽本野ばら先生をずっと女性だと思っていたのですが、男性だと知り驚きました。作中、ずっと楼子から漂う女性らしさがあまりにも生々しく、女性に対する解像度の高さが凄まじいです。

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    2025年08月16日
  • デウスの棄て児

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    面白かった!
    悪魔の子として描かれる天草四郎の生き様は、史実とどう違うのかは私にはわからないけれど、神の御子として妄信的に民から崇拝される天草四郎よりもずっと魅力的なんだろうと感じました。

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    2025年07月05日
  • ロリータ・ファッション

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    私にとっての嶽本野ばらはビートたけしみたいな存在。直接影響を受けてない世代にとって、黎明期のロリータの話は貴重だ。BABYが出てきた頃の話とか。ゴスロリには詳しくないそうだけれど、ゴスを内包出来る懐の深さこそがロリータである、というのは至言。

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    2025年05月17日
  • カフェー小品集

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    色々な恋の形があって、色々な結末があって、私も恋したいなという気持ちになりました。
    カフェーの説明が多くそれはそれで楽しいのですが、実際のお話としては始まったと思ったらすぐ終わってしまったり、もう少し読みたいなと思う話もいくつかありました。
    本作はショートストーリー〜ショートショートあたりの短さのものもありますが、短いながらも心にグッとくる話もありました

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    2025年04月27日
  • お姫様と名建築

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    もっと物語よりの本をイメージしていたので用語の多さに圧倒されましたが、歴史の小話や豆知識みたいなものも好きなので、楽しく読めました。
    章題のものだけでなく、たくさんの人物や建物が出てくるので、ネット検索しまくりで読みました。
    著者の持つそれぞれの人物像と、くだいた感じの妄想のやりとりが面白いです。
    いつまでも少女なマリー・アントワネットと頼りになるエリザベッタ・ファルネーゼが好きになりました。
    話の中で関連、または連想される作品が数多く登場し、新たな作品の出会いや興味の広がりにもなりそうです。

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    2025年03月21日
  • 純潔

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    ネタバレ

    まっしろな綺麗な装丁。似合ってる。

    えぇー、嘘でしょう?っていうのが、正直な感想。どうしてこうなった?
    2人でいられるだけでしあわせだったのに。一緒に話して、水炊きを食べて。海にも行って。
    彼女の世界に近付こうとしてしまったから?
    革命を起こさないといけない気持ちになったから?

    2人にはしあわせなルートを選んで欲しかったけれど、物語としては劇的で、最高に切なかったです。

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    2025年03月06日
  • ロリータ・ファッション

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    2000年代多少ロリータ文化に触れた者として懐かしく思うところが多く、またロリブランド以外の服飾文化についても記されていて興味深かった
    乱暴な言い方だけどファッションもオタク文化の一つだよなとしみじみ思った

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    2024年10月07日
  • ロリータ・ファッション

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    他の方もレビューしておられるように、これはただのファッションエッセイではなく、服飾文化を論じている一冊だと思う。
    ただひたすらにロリータ・ファッションを愛する熱い気持ちと、冷静な視点の共存。
    私はファッションにも、ましてやロリータファッションにもそんなに興味がないので、書かれている内容についてはよく解らなかったり、本当の意味で理解できていなかったりすることが多いとは思うんだけど、自分自身はそんなに興味のないことであっても、それを愛して突き詰めようとする人の語りを聴くのは本当に楽しいなぁとあらためて思った。

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    2024年08月18日
  • ロリータ・ファッション

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    エッセイでありながら、もう完全に文献です!
    ロリータ・ファッションということでロリータのメゾンはもちろん、他のブランドについても学ぶことができます。

    野ばらちゃんの賭した、フリルへの愛と知識と情熱の結晶みたいな一冊です。装幀もとってもキュートで所有欲満たされます。読み終わるころには、ロリ魂が感化されてリボンやフリルを纏いたくなります!

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    2024年06月23日
  • ハピネス

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    映画を見に行くことになったので読みました。映画でも泣きそう( ; ; )
    娘の思いを尊重してくれるご両親すてきです

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    2024年06月02日
  • 下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん

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    むちゃくちゃにポップで分かりやすい内容でありながら、散りばめられる桃子とイチゴの美学と生き方がカッコよく思えます。

    相手の好きなものをバカにしつつも、相手の大切な領域は侵さないという、一本芯の通った友情(というと桃子には嫌がられるだろうけど、「付き合い方」というとちょっと違ってきちゃうし)の貫き方が素敵。

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    2024年05月26日
  • ロリヰタ。

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    15年ほど前に読んで、懐かしくなってまた手に取りました。当時、ロリータを「ロリィタ」や「Lolita」と表記するのはあったけれど、「ロリヰタ。」とは?!と気になって読んだ記憶が。

    主人公に嶽本野ばらが投影されているのは、著者のあるあるなのですが、今作はかなりはっきりとそれを感じます。業界のエピソード(しかも闇を感じさせる系)がリアルなのがあり、どこまでが…と思ってしまいます。

    自分のコミュ障っぷりに落ち込んでしまう日々ですが、少し救われるような気がして久しぶりに読めてよかったです。

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    2024年05月18日
  • 下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん

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    10年以上前に読んで面白かった記憶があり再読した。

    高校生のロリータ魂で生きる桃子と、ヤンキー魂で生きるイチゴが茨城県下妻市で出会う。
    きっかけは桃子のダメ親父が大量生産したVersaceのバッタものをイチゴが買い求めに来たことから始まる。

    普通に生きていたら交わることのなかったロリータとヤンキーだが、筋の通った生き方をする桃子と、頭脳は弱いが正直で真っ直ぐなイチゴはお互いを認め合う仲に。
    しかし桃子は決してイチゴを友達だとは認めない。
    その答えを明確な言葉にしてイチゴがミコさんに言い放つシーンは爽快で、イチゴが周りを良く観察し、よく考えて生きていることが窺われる。

    しかしお互いに信頼で

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    2024年04月27日
  • 鱗姫

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    とある裕福な一族にて、女児だけが感染する遺伝病「鱗病」。発症は性器周辺から始まり、やがて全身の皮膚に魚のような、あるいは龍のような鱗が広がっていく……というエロ・グロ・ホラー要素が入り混じった怪作。
    主人公の楼子の、自らを「ウルトラ・スーパー・お嬢様体質」と言い切ってしまう気位の高さが良い。美しい肌を保つため、教師に叱られようといつ何時たりとも日傘を欠かさない美意識の強さにも平伏せざるを得ない。(わたくしは太陽盛んな夏場に日傘どころか日焼け止めを忘れる愚民でございます……。)常に楼子目線で物語が進むため、某お嬢様Vtuberを彷彿とさせる「ですわ〜」口調や文体に抵抗があったという感想を見かけた

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    2024年01月10日
  • カフェー小品集

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    実在する純喫茶(カフェー)を舞台に、様々な男女の恋愛模様が描かれる短編集。どの話にも恋や人生に懊悩する僕(主人公)と君(ヒロイン)が登場し、その中には晴れて成就する恋もあれば、叶わぬ恋もある。彼らはある時はカフェーで出会い、またある時はカフェーで逢瀬を重ね、親密になってゆく。そして勿論、カフェーで別れを告げられて終わる恋もある。むしろ破れた恋の話の方が多い気がするが、個人的にはそれが良いと思っている。常に人で賑わう大衆的なカフェと違い、ひとりもしくは気心の知れた友人や恋人とふたりでひっそり訪れて、一杯の珈琲を片手に、共に過ごす「時間」を味わう純喫茶には、燃え盛るような熱い恋よりも、静かに落ちゆ

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    2024年01月05日