嶽本野ばらのレビュー一覧

  • 純潔

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    ほぼ500ページの大作。
    何ヶ月も前から読み始めたのですが物語に入り込むまで時間がかかってしまい他の本も挟みながら休み休みで読みました。
    ただ没頭できれば後は早い。
    特に終盤の勢いが凄くてハラハラしました。
    これが『純潔』というタイトルというのがまた……

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    2023年12月11日
  • 鱗姫

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    ネタバレ

    お嬢様や奇病という非現実さと実際するブランドのもつリアリティーが奇妙に混ざり合って気持ち悪くも美しかった。美肌への意識や最も愛する人に醜い部分を見られたくない高貴さの表現は嶽本野ばらワールドでとても好き。ただ、忌み嫌っていた相手の血だったとしても躊躇なく体に塗りつけるシーンは少しゾッとしたし美しさへの執着すら感じられた。

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    2023年12月01日
  • ロリヰタ。

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    純潔、ミシンに続き、野ばら氏3作品目。内容は異なれど、野ばら氏の「私」から「あなた」に語りかけているような文調は心地よかった。

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    2023年08月20日
  • ロリヰタ。

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    ファッション用語が多く、ロリータファッションにも疎かったので、想像が大変な部分がありましたが、知らなかった世界をのぞかせてもらった感覚です。
    ロリータとロリコンを混同されるとか、着ているだけで軽蔑的に見てくる人がいるとか、目立つ人や偏見を持たれやすい人共通の大変さがここにもあるのかと思いました。
    2篇とも軸は恋愛小説で、スキャンダラスな状況下の純愛がドラマチックでした。
    設定もさることながら、展開もインパクト大です。
    特に表題作の方は、2人の関係性が報じられたところで、状況が状況なだけに、周囲としては冷静な視点で反応するのはとても難しいだろうなと思います。
    この本はYouTubeチャンネルの「

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    2023年07月11日
  • カフェー小品集

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    現実感のない「僕」と「君」の物語の数々。どれも夢うつつ、儚く脆く消えてしまいそうな繊細なお話。

    不器用でも、愚鈍でも、出来損ないでも誇りを持ち生きれば良い。時代に合わせて自分を変える、器用な生き方は出来なくてもいっこうに構わない。

    流行りのコーヒーチェーンの新しい設備、完全禁煙、オシャレで豊富なメニューも良いけれど…。
    時間が止まったかのよな喫茶店に行きたくなりました。そしてそこで閉店まで居るとか、うたた寝をしてみたい…。

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    2023年04月17日
  • お姫様と名建築

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    野ばらちゃんのお姫様好きが顕著に現れていたり、偏りつつも愛が伝わってきます。
    何となくお城や宮殿を見たいなと思っていて、更にそれが強くなりました。

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    2023年02月22日
  • 下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん

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    いや、面白い。
    若かりし頃がフラッシュバックする。

    好きなものは、とことん極めるのがいい。
    周りの目なんて気にしない。
    今さらだけど、本作がヒットして、映画化され、その映画も話題になるのもうなずける。
    そして、やっぱりこの2人の友情がいい。
    うらやましいね。

    映画みたくなったぞー!

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    2022年06月15日
  • カフェー小品集

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    実在する/したカフェーをモチーフにした短編集

     実在するカフェーと、一人称で語られる物語が多く、嶽本野ばら節がきいてるので、ついつい作者のエッセイのように読んでしまう。

     短いお話が12編収録されているので、短い時間で読め、ロリータ好きやレトロな空間、静かな世界が好きな人向け。

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    2022年04月25日
  • カフェー小品集

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    野ばらさんの描く、実在する12のカフェーをもとにした御話。

    やっぱり嶽本野ばらさんの小説を読んでる時間は、何にも増して綺麗な詞、綺麗な文体との出逢いの連続です。今回の御話達も、とても好きになりました。紅茶やビスケットが合いそうな、ほろ苦く甘美な短編集です。

    『カフェー小品集』では、野ばらさんの他の著作よりも、登場人物の感情の機微がとても丁寧に、美しく書かれていた印象を受けます。この一冊を通して他の野ばらさんの著作を読んでみたら、また印象が変わってくるのでしょうね。(『シシリエンヌ』を読んだ時に「何故!?」となったあの展開も、今なら静かに呑み込める気がします。そのくらい一冊を通して野ばらさん

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    2021年12月12日
  • 鱗姫

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    ネタバレ

    “乙女のカリスマ”こと、嶽本野ばらさんの描く美醜観念…それがこの一冊に凝縮されていて、とても充実して、そして実に耽美的な内容。2日程で読み終えました。しばらく読書をしていなくても、嶽本野ばらさんの作品はグイグイと私を読み耽らせる魅力があります。強くて美しい生き方に勇気をもらう…!

    「美」という観念に固執する主人公、龍鳥楼子が受けた龍鳥家の呪われし遺伝病、通称「鱗病」は、やがて自分をとても醜い姿に変えてしまうという、楳図かずおの『おろち』の中の話のような病気。自分の中に現れたこの醜い塊に、彼女は絶望します。なんとなくですが、楼子が言うことも理にかなっているかなぁと思います。「外面を決めるのは内

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    2021年08月09日
  • 下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん

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    嶽本野ばらとの出会い
    映画化してたけどそれは見ていなくて、お洋服に興味のある時期だったから余計に楽しく読めた
    ポップででもしっかり芯があるキャラクターが最高

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    2021年07月23日
  • 十四歳の遠距離恋愛

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    中学生の淡い恋。「俺と付き合ってくれんかね。...結婚したらよ、一生幸せにしますわ」可愛い。シビれる。ピュアラブ。クセのある作品が多い印象の野ばらさんだが、本書の系統は『下妻物語』っぽい面白さと読みやすさ。ロリータファッションに傾倒する少女と本宮ひろ志の世界観に憧れる少年。独特なスタイルを貫く二人の中学生カップルが遠距離恋愛になってしまった。微笑ましくていじらしくてせつない物語。本全体から中学生ならではの思考回路や情熱や不自由さが炸裂していてそこが魅力。名古屋ネタが多数なので詳しい人はもっと楽しめそう。

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    2021年07月15日
  • お姫様と名建築

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    ネタバレ

    イラストが見たくて。ラプンツェルはディズニープリンセスじゃなかったのね。ってそこかい。解釈が結構今どきなのが楽しい。

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    2021年06月23日
  • シシリエンヌ

    購入済み

    予想外の重いテーマです

    下妻物語の作者が描く官能小説。スコポフィリア、ディスモルフォフィリア、ペドフィリア、アクロトモフィリア、アマロフィリア、ネクロフィリアと聞き慣れないアブノーマルな性癖が並ぶ。
    官能小説ではあるけれど、身体障害者の生きる矜持みたいな、重いテーマでもある気がする。
    登場人物の誰一人として本名がわからずじまいというのも斬新な手法だった。
    そして最後の最後まで「貴女」の気持ちが理解できず、主人公の「僕」と同じ苦悩を味わうことになる。

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    2020年12月14日
  • ミシン2/カサコ

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    面白かったです。「ミシン」より熱い。
    本当に凶暴なのはミシンではなく傘子でした。
    わたしの好きなミシンしか認めない、か弱くて脆いミシンなんて叩き潰す…と言わんばかりの追加公演の仕打ち。その前に、ミシンは傘子を「愛する人に優しくできないタイプ」と評していましたが、そんな甘いものではありませんでした。
    でも、乙女ってこれだ!と思いました。歪。
    ミシンはだから、傘子を手放せないんだと思います。竜之介にも井上静子にも出来なかったこと。
    「手術台の上のミシンと蝙蝠傘の~」は去年何処かで目にしました。その時、何で見覚えがあるのだろう?と思いましたがこの作品で出会っていたからなのですね。
    サティの『猿の王様

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    2020年05月11日
  • デウスの棄て児

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    再読でもまたこの熱量に圧倒されました。
    かつてない天草四郎像だろうけど、好きです。神に反逆する者。
    信仰をもつ者を全て破壊するという想いだけで生きてきたけど、最期は孤独ではなかったのに涙。
    「戦うことを放棄した者に、勝利などもたらされる訳がない」…歴史小説でも、野ばらさんだ、と思いました。
    戦うこと。孤独かと思っていても、共に生きられる人を見付ける。
    山田右衛門作もよかった。ユダか。。

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    2020年05月02日
  • ミシン missin’

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    東京に雪が降った日、そういえば今年は雪を見ていない、と再読しました。
    「ねぇ、君。雪が降っていますよ。」と始まる「世界の終わりという名の雑貨店」が野ばらさんの作品では一等好きです。静かに静かに進み、静かに終わる。描かれていることはショックなものもありつつ、でもとても静かな世界です。
    「ミシン」も好き。「コルセット」もでしたが、現代に染まれなくて、でも懐古主義とも違う…孤高の乙女魂なのでしょう。憧れつつも、わたしはまだまだだと思います。
    乙女の道は長く険しい。

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    2020年04月10日
  • 鱗姫

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    十数年ぶりに再読。
    嶽本野ばらの独特の世界に惹かれる。
    これでもかと言うほどにハイブランドの描写がされることで、高級なお嬢様感がビシバシ伝わってくる。

    物語のグロテスクさはやはり以前と同じく
    うえーな感じだけど、前回とはまた違った心地で読んでました。
    このマニアックさが好き。

    野ばらさんの本を読んでるときに感じる、
    「ん?」となるいつもの疑問符もさらっと流しつつ、楽しめました。

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    2020年02月04日
  • カフェー小品集

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    面白かったです。
    カフェー、素敵な響きです。
    昔からある純喫茶の趣…行ってみたいカフェーがたくさんですが、閉店してしまったお店もあるみたいで悲しいです。腰を重くしてないで、行きたいと思ったら行かねば、です。
    フランソアは行きました。ミルクホールはお店の前まで行ったけど時間切れです。また行きたい。
    「僕」と「君」…叶わない恋がほとんどですが、必然だから叶わないのかなとも思いました。好きすぎると上手くいかないなぁ。
    文章や、登場人物の言葉遣い、素敵です。お手紙はしたためるものです。「ロリータとゴシックロリータは似て非なるものだわ」。
    野ばらちゃんの美意識、好きです。

    「真摯に生きることとは魂を摩

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    2019年12月14日
  • それいぬ 正しい乙女になるために

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    1番印象に残ったのは「乙女と性欲」というエッセイで、
    「腐女子はBLが好き」と普通は言うはずのところを「乙女はホモセクシュアルが好き」と最高のネガポジ転換をしている所が印象に残りました!
    ホモは乙女の永遠のテーマとも言い切っているのにも、
    腐乙女の私は自信を持ちました。
    この本を書いたのが、男性だと言うのが信じられません。
    腐女子は男女の恋愛に、自分なんて入らないからBLに逃げていると宣う男女共に読ませたいですね。
    キリスト教式の葬式で死にたいから日曜礼拝に行くという考えも面白いし、宗教はミーハー心で興味を持ってもいいんだと思いました。
    あと、「ボロは着てても心のロリータ」というエッセイに今N

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    2019年02月07日