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純愛小説の名手がつづったキュートな物語!
彼女の履いていた靴下の話がきっかけで付き合い始めた高校2年の僕たち。平凡な毎日を送っていたある日、彼女は唐突に僕に言った。
「私ね、後、一週間で死んじゃうの」
病気の進行を知り、運命を受け入れていた彼女は、残されたわずかな時間を自分らしく生きたいと願う。僕は心が追いつけないまま、彼女の望みをかなえることに奔走した。
少し寒いからあたためてほしい。そう言って僕のベッドで眠った翌朝、彼女に死が訪れる――。
透明なラストシーンが胸に迫ります。乙女派のバイブルと呼ばれた名作『ミシン』の系譜を正統に継いだ、切ない、切ない純愛ストーリーです。
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Posted by ブクログ
心臓に病を患っている少女が、自分があと1週間で死んでしまうことを彼氏に告げることから、物語が始まる。
死を受け入れ、残りの短い時間を愛する人と濃密に過ごそうとする彼女。
彼女の死に疑問や悔しさを感じつつも、彼女のまっすぐな愛にこたえ、自らも彼女をまっすぐに愛そうとする彼氏。
物語は確実に「彼女の死」に向かって進んでいるのに、悲愴さばかりを感じる作品ではなかった。
愛の美しさ、健気に生きること、自分に素直に生きることの尊さなどを教えてくれる。
初めはロリータについての表記が多いことに苦手意識を感じたが、ほとんどそれは、読み進めるうちに気にならなくなった。
とても、とても素敵な純愛作品でした。
Posted by ブクログ
主人公は私たちだ。
ロリータ好きな姉がいたり、そのせいでロリータに詳しかったりするけど、基本的に主人公は私たちが感情移入しやすいように作ってある。
冒頭で私はもうすぐ死ぬ、といった後の怒涛のファッション用語攻撃。
戸惑ってさっと読み飛ばした人も多いだろうけど、そのことで最初の一文が薄れることはない。
読んでる側も一緒に「そんなことより今なんていった?」と聞き返したくなる。
だからこそ感情移入し、最後の場面では感動できる。
普段ミステリを多く読む私としては、死は唐突なもので、読めないものだ。
けれど、この作品では死は身近なもので、ゆっくりと、確実に迫り来るものである。
その状態で必死に生きようとする、くじけずに辛いそぶりを見せない彼女。
これはいわゆる憲法で言う幸福追求権、ひいては自己決定権の問題にもつながる。
尊厳死や安楽死などの問題ともかかわってくる。
フィクションではあれど、周りが認め、自己の意思を貫いて幸せになった一つのケースといえるだろう。
縛ることなく自由にさせる親、躊躇いながらも彼女の最後の願いを普段どおりにこなそうとする彼氏、医師。
全ての人がこうならばいいだろう。けれど、実際にこの世間で生きていく以上こんな恵まれた環境が与えられることはないだろう。
でももしそうなれば、人は幸せに死ねるのである。
Posted by ブクログ
嶽本野ばらさんの本というのは、「いかにも」というような少女、乙女的シチュエーション・センスで描かれていることもさることながら、緻密な、ロリータに関する考察、そして芸術に対する深い信仰、そしてそれらを全く以って穢す(否定する)ような性描写にあると思います。
そんな話が成り立つのか、と言われそうですが、誰も仰るように彼の描くセックスに穢れたところが感じられないのです。セックスは愛する者どうしが結合する、必然にして当然で生まれた結果――それが彼の描く世界の成り立つ所以だと僕は思います。
彼のファンに女性が多いのはロリータ服のブランドの名前が沢山出てくるからではなく、共感させられる面が多いからなのだと理解するのは、男の僕にも易いことです。
最後に、(単行本の方は分かりませんが)解説の立川談四楼氏の「三年目」の引用が、この本に出てくるロリータブランドのことは(自分でもどうなのかと思いますが)すべて知っていても、落語に明るくない僕に「ほぉ」と言わせる内容であったことを付記します。
解説の人がまともで良かったと安心もしてしまいました。
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