あらすじ
発売当時、数多くの読者に衝撃的な感動をもたらし、のちの全嶽本野ばら作品の原点となったベストセラー処女小説集、待望の文庫版!
孤独な青年雑貨店主と、心に病をもつ少女――Vivienne Westwoodの洋服を愛する二人が運命的に出会い、はかない逃避行に旅立つ名作「世界の終わりという名の雑貨店」、そして、MILKの洋服を華麗に着こなすカリスマ・ヴォーカリスト、ミシンに恋する少女の「乙女」としての生きざまを強烈に描いた表題作「ミシン」を収録。
感情タグBEST3
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ファム・ファタールぽい女の子が出てくる話大好きなのでどっちも刺さりました。特にミシンが好きだった
嶽本野ばらさんが好きなファッションや可愛い物を文章に書くと、その物がより一層魅力的に感じるから凄いなって思う。これを読んで私もヴィヴィアン欲しいなと思った。
気品の中にほんの少し毒っ気のある文章が本当に癖になるな〜♡これだから嶽本野ばらはやめられない
Posted by ブクログ
家に帰る時、雪が降っていたので再読。
美しすぎる書き出しに惚れてしまってからもう何度呼んだかわからないくらい大好きな一冊。
「世界の終わりという名の雑貨店」の中でお洋服の名前や土地名なんかは沢山出てくるのに、私と「君」の名前が一切出てこないという書き方に初めて読んだ時から驚かされて今となってもこの文の書き方を超える本に私は出会えていない。むしろ、物語において本当に読者と近づきたいのであれば名前を文中で出すことは野暮であるとすら思い始めてきた。確かに名前を呼ぶことは人と人との心的距離を縮めるのに大きな役割を果たしてくれる。しかし、私はこの文字を追う私たちと違う名前が呼ばれるということは寂しいことである気がしている。だからこそ、私の名前を呼ぶこともないけれど他の誰かの名前を呼ぶことのないこの本が私にとっては最も私に近づいてくれている作品だと自分勝手に思っている。
Posted by ブクログ
気品と風格に満ちた文章が素晴らしい。本当に大好き。愛おしい。手放しに人に勧めやすい作品ではないけれど、好きな人はとことん沼に引き摺り込まれるように好きだと思う。何度でも読み返してこの世界に頭の先までとっぷりと浸かり続けていたくなる。
指先まで嶽本野ばらワールドに染まって生きていきたい。そんな精神で人生を送りたい。麻薬にハマるような感覚で世界に落ちた。
折り目正しい暴力と、永遠
強い強い執念の権化と
美しくて粗暴な存在が
奇跡的に出会ってしまう。
MILKの服の好みが
神がかり的に一致する。
エスもパンクも
未来を犠牲にして
永遠を掴もうとするのだろうか。
Posted by ブクログ
一瞬近代文学を思わせるような美しい文体なのだが、2000年代に書かれたものということで衝撃を受けた。
2作品ともハッピーエンドではないし、節々にネガティブな空気感を醸し出す作品ではあるが、愛の発見と喪失があまりにも魅力的にかかれているので、後味の悪さというよりも現実の愛のあり方について考えさせられる良い意味での気持ち悪さが残る作品だった。
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これが僕がはじめて読んだ嶽本野ばら作品でした、
こんなにも退廃的だけどなにか違うと思ったのは初めてです、
多くの性的表現があっての作品かなとは思いました
けれど、そこがいい!と僕自身思ってはいます、
Posted by ブクログ
美しい……お耽美ですわぁこれは。
感想書きます。
『世界の終わりという名の雑貨店』
わたしの中で、嶽本野ばら初作品。その甘すぎる耽美に圧倒。なんて美しいのか。それも少し歪んだものに、ここまでうっとりできるものなのか。すごい。ここまで来るとどのページも蜂蜜でコーティングされたような艶めかしさを感じる。
まず、主人公が開く雑貨店『世界の終わり』のセンスが光る。正直これらの集められ置かれる商品に対する自分の知識には疎く、イメージが出来ない物もあったが、それをもっても一つ一つが醸す雰囲気や匂いまで、こちらに伝わってくるかのよう!! すっかりのめり込んだ。
そしてやってくる『君』。彼女もまた刹那的で美しく(殊に頬の痣などは)、それでいて動物的な貪婪も備える、理想的な少女像を完成させている(これは個人的な趣味)。2人が体を重ねる場面でも、生々しさよりもその耽美さが極まった気がする。最早野蛮と形容してもいいくらいの性欲なのに、不思議と恍惚とした気分になった。こんな関係、持ってみたいな……。
前述したが、『君』の死は実に刹那的だ。性の悦びを得られないと悟った時、ぱったりと命を絶ってしまう。が、それを含めて彼女の耽美な面が際立っていることを強調したい。とても切なくて(刹那くて)お耽美なのだ。
──ねえ、君。雪が降っていますよ。
最後までその甘美な絶望に酔いしれた。
『ミシン』
『世界の終わりという名の雑貨店』に比べればシンプルかつ意味深なタイトルである。
処刑台の上のミシンと蝙蝠傘の運命的な出逢い……これはロートレアモンの『マルドロールの歌』の表現だ。
個人的には『世界の終わりという名の雑貨店』の方が好みであったが、この作品もなかなかどうして耽美な蜜である。(馬鹿の一つ覚えみたいに耽美と繰り返している……)何故こんなにも甘く、溶けそうな物語が書けるのだろうか。そんなことを考えながら、またしてもどっぷりと浸かったタイプの話である。
印象に残るのはやはり「死は永遠」というフレーズであるだろう。この感性を死ぬまで持ち続け、実際に死ぬこととはどんな感覚なのだろうか。本作ではその断面を垣間見た様な薄気味悪さや、同時に襲ってくる美と葛藤する物語だった。
《まとめ》
嶽本野ばら、初めて読んだけど、すぐに好きになった。切ない。甘い。美しい。耽美!
嗚呼、最高でございまするぅ
Posted by ブクログ
とても好きだった。
美しかった。退廃的で何が悪いか。
思想の貫かれた清潔な想いを感じられる作品は本当に美しく、面白い。
登場人物たちは誰も、社会の大きな歯車の中に、諦めて入っていこうとはしない。自分の美学を、生き方をちゃんと選んでいてどんなに傷つこうと、死んでしまおうとちゃんと守っている。そういうひとたちへの共感と尊敬で心が焦がれそうだった。
Posted by ブクログ
初読みは20歳頃。30歳を過ぎてから再読。
「世界の終わりという名の雑貨店」
20歳頃は何の違和感もなく読み、美しい世界観にうっとりしつつも、ラストは作者が何を言いたかったのか腑に落ちなった記憶があります。感涙はしたんだけども。
30歳すぎて再読し、女の子にすぐに手を出しすぎなあたり、こんな男いたら、かなりひくわ…と主人公に対して若干嫌悪感を抱いたり、いきなり駆け落ちが成立するなど話の展開が突拍子でついていけなくなりそうでしたが(ずっと店内で一緒に過ごしていたから突拍子ではないのか?)、ラストに向けて疾走していく心情の極みは迫力があり、最後の一文がいかに残酷であるかという切なさが理解できました。
良いですね。
「ミシン」
20歳の時に読みましたが、内容全く覚えてませんでした。当時は「こういう世界観もおもしろいなぁ」くらいな感想。
で、10年以上経過した今、再読しましたが、一気読みでした。おもしろい。ミシン属するバンドの特徴も細かく描かれていて想像しやすい。それに主人公のとる行動がおもしろい。なんやかんやしながらも最後はファンの一人として終わるんだろうと思っていたら、まさかのメンバーに。しかも最後の約束が極めている。読み終わり冒頭へ戻ると、ちゃんとつながっている。
これはおもしろいです。
たしか続編も読んだ記憶がありますが、そちらも全く内容覚えてないので、純粋に楽しんで読めました(笑)
Posted by ブクログ
嶽本野ばら先生はエッセイと映画しか見たことが無かったのでついに小説に手が出せて良かったです。乙女のカリスマと呼ばれるに相応しい文章で惚れ惚れしてしまいました。
世界の終わりという名の雑貨店
最初ミシンが気になりすぎて、ミシンのあとに読みました。ですがこれはこれでとても良い作品でした。いきなりキスをしたシーンには少し驚きましたが、お互い好き合っていたので良かったです。「ヴィヴィアンウエストウッドを着るために生まれてきたのです」かわいいお洋服は武装のために着るものという野ばら先生の意見には共感します。最後はハッピーエンドではなかったけれどいいお話でした。
ミシン
これを読んでいる時NANAがずっと頭の中にありました。NANAが大好きな私はあっという間に虜になりました。美心と書いてミシン、なんて素敵な名前なんだと思いました。でも私が好きなのはミシンじゃなくてカサコ(ここでは名前出てきませんね)の方でした。カサコの乙女なところがたまらなく大好きです。ミシンへの執念でバンドのメンバーになれたところもすごいです。最後はすごく怖かったけど、ミシン2/カサコ があったので取り越し苦労な気分でした。
(嶽本野ばら先生の感想を書くとなんだか自然に敬語になってしまいます。)
Posted by ブクログ
久々に嶽本野ばら気分だったので。ていうか昨日からこれ読んでたからうっかりヴィヴィアンウエストウッドのお財布買ってしまったと思われる。
「世界の終わり〜」素敵すぎた。嶽本野ばらのすごいところはあそこまで作り込んだ美意識の高い世界のなかに、しっかりとほころびの伏線を紛れ込ませているところ。絶対に美しくはあれない、生きることへの執着や狡さを曝け出すところ。非常に高等な自己批判に感じる。
Posted by ブクログ
すっごく綺麗な純愛。おとぎ話みたいなのに引き込まれてしまう。いちいち文章も人物も美しい。
読み終わってから夢中で『MILK』について調べてサイトを見ながら世界観に浸ったことが忘れられない。高級な砂糖菓子のような、栄養にならなくて可愛くて甘い話。短編ふたつとも甲乙つけがたい愛しさです。
とろけるほど魅了されました。
Posted by ブクログ
自分は乙女ではないと実感させられた
自分の周りの見慣れた景色
洋服 バンド 出待ち…苦笑
これだけ共通するものがあるのに
なぜ共感はできないのか
乙女ではないと思うのか
楽しく考えられました
Posted by ブクログ
作者の処女小説集。青年雑貨店店主と心の病を抱えた少女の出会い。既に作者の危うい世界観が完成されている。危ういからこそ尊い関係。嫌悪する人もいるだろうが嫌いじゃない。フィクションの中だけで許されるものではあるが。
Posted by ブクログ
東京に雪が降った日、そういえば今年は雪を見ていない、と再読しました。
「ねぇ、君。雪が降っていますよ。」と始まる「世界の終わりという名の雑貨店」が野ばらさんの作品では一等好きです。静かに静かに進み、静かに終わる。描かれていることはショックなものもありつつ、でもとても静かな世界です。
「ミシン」も好き。「コルセット」もでしたが、現代に染まれなくて、でも懐古主義とも違う…孤高の乙女魂なのでしょう。憧れつつも、わたしはまだまだだと思います。
乙女の道は長く険しい。
Posted by ブクログ
「世界の終り」という雑貨屋を経営する男、通ってくる少女との恋の話し。
「ミシン」という名前の女パックロッカーに恋をする冴えない少女の話しでした。
小説というか寓話のような手触りの作品でした。
「ミシン」よりも、「世界の終りの雑貨店」の方が僕の心にはフィットしました。
Posted by ブクログ
以前読んだので再読。短編が2本入っています。20歳になる前は断然ミシンの方が面白かったけど、今読んでみると世界の〜の方の良さもかなり分かってきた気がする。たぶんまた読む。
Posted by ブクログ
著者の小説処女作。
客観性を極限まで削り落とした一人称小説。
です/ます調で描かれる偏執的思考は読んでいくと不安と恍惚感を引き起こす。
エロティシズムの観点から論じられる処女性や美少年に特有な孤高の精神が感じられる。
本書の解説を読んでみると、これは嶽本氏が好んで用いる「乙女」という概念と同じものだと思われる。
また、この文庫に寄せられた榎本正木氏による解説は文芸評論家の本領発揮と言えるような説得力と易しさを兼ね揃えた文となっており、一読の価値あり。
Posted by ブクログ
忙いでてムシャクシャして借りました。
なので、何時もなら選ばないジャンルの本だったけど、こんなに面白い物語に出会えたから後悔はしていません。
「ミシン」も「世界の終わりという名の雑貨店」も愛が主題の物語を、服描写多彩に美意識でできた様な文章で作られていますが、180度中身が違うように感じました。
個人的には、アップテンポの「ミシン」よりも、スローテンポの「世界の終わり…」の方が好き。
魂をパレットの上の絵の具と表現するところとか。ねぇ、君、雪が降っていますよ。とか、切り取りたい文章が沢山ありました。
Posted by ブクログ
洋服、靴、鞄、全ての自分を包む空間にこだわりを持ってる人がこだわりぬいて書いた物語。女の子って、誰でもこれくらいかわいくて怖い。でも、目が離せない。それが女の子。
Posted by ブクログ
獄本さんの作品は初めて読んだのが「ハピネス」だったせいか、少し毛嫌いしていた節があったが、洋服の細かい描写は好み。今回の読んだ「ミシン」の中でも、「世界の終わりという名の雑貨店」の方は作品の雰囲気が好き。これからも好んで読むと思う。
Posted by ブクログ
オシャレな小説。
言い回しとか好きです。
ひねくれてますが。
てか、この人のキャラの立たせ方うまいよな。
個性とかパワーとかすごい伝わってくる。
なかなか好きです。
Posted by ブクログ
野ばらさんの小説はこれが初です。純文学とパンクとファッションの融合が心地よかったです。世界の終わり---は白痴を思い起こさせました。美麗な文章と固有名詞でまるで映像を見てるかのような読み心地でした。主人公に非常に共感を覚えました。
ミシンは、主人公の執念が印象的でした。エスという言葉は知りませんでしたが、この言葉を使って正解だと思います。この事で俗っぽくならないで物語を品良くしています。異性と付き合う事を禁止されたアイドルが群雄割拠する今の時代は正に大正ロマンと重なるエスの時代であり、ミシンの時代だと思いました。
Posted by ブクログ
独特の世界観に引き込まれました
耽美という言葉はこのような作品にぴったりなのかもしれない
共感はできなかったけれど、こんな愛の形は誰にも否定することは出来ない
Posted by ブクログ
明治に誕生し、大正から昭和初期、古屋信子さんを中心とした少女小説系の雑誌が人気を博していたそうです。第二次世界大戦で、出版界から姿を消していましたが、戦後、荒廃した日本の少女達の為、少女は少女らしくロマンチックにと、ジュニアそれいゆが創刊されます。残念ながら、さすがにその世代ではなく、この後、その流れの「小説ジュニア」を愛読していました。(早熟系小学生だったわ。)
その少女文化の継承者として、乙女のカリスマと言われているらしい野ばらさん。初読です。
文章が、ちょっと懐かしいお嬢様風。悪くない。
「世界の終わりという名の雑貨店」ではvivienneWestwoodの洋服を着た、顔に痣を持つ少女との言葉さえ要らない純愛を破滅的に。
「ミシン」では
MILKの洋服を愛するパンクバンドのボーカル少女と ファン以上の感情を持つ少女との依存的関係性を。これがエスなのかな?
少女達が、自分の着たい洋服を着て、自信を持ったり、元気になるのはすごく良い。
ご自身も洋服にこだわりがあり、ロリータファッションを牽引されているとか。
続けて続編いきます。
Posted by ブクログ
二つお話が入ってますが、
どちらも嶽本野ばらさんらしく、お洋服へのこだわりが徹底されていて(ヴィヴィアン好きな方はその描写だけでぐっとくるはず)少し捻くれていて。笑
こんな世界から孤立しているような独特な世界観をかけるのは野ばらさんだけだなと改めて思いました。
しかし野ばら作品はわたし的にこの独特さを好きになれるときとふつうにひいてしまう時の差が激しく…残念ながらこの二つはあまりついていけなかったほう。笑
Posted by ブクログ
乙女のカリスマ。
そんな作者の事前情報に惑わされながら読んだが、
なるほど。中高生が憧れる世界観がよく分かる。
内容は短編2つ。
話も短いのでさっくり読めるのだがなにかヒリヒリと感じるものがある。両編とも暗い感情が鬱々とにじみ出ているのだが、そこには独特の美しさがある。
world endというショップ名が世界の終わりか世界の果てかどちらなのかというなんでもないことが一番印象的だった。
Posted by ブクログ
理解できないこともありますが
世界の終わりという名の雑貨店
には、ヴィヴィアンウエストウッドがたくさん出てきて嬉しかった。
まだまだわかりません。
Posted by ブクログ
久々に小説などを読んでみようと思い立って手にとってみた一冊ですけれども、これがなかなか…良かったです!
元々野ばら氏の文章に惹かれるところもあったため、今作も順調な滑り出しで(?)読めました。
まあ…内容はこれまで読んだ野ばら作品とそう変わりはなかったんですけれどもね…君、と称される女の子に語り続ける手法は野ばら氏ならでは…といったところでせうか。
ま、小説も作者のものだけではなくてそこには読者も含まれますよ、みたいなスタンスは今作にも健在ですね。 ←え?? 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
内容はともかく流麗な文章…というか、個性的な文章に惹かれた作品でしたね。おしまい。
ヽ(・ω・)/ズコー
Posted by ブクログ
ある意味、キレイはお話しだと思う
ロリータ趣味だとか関係なく、登場人物の思考がキレイだ
まったく、作者が薬さえやらなければねぇ…
もったいない