林真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
筆者が単衣の長襦袢の話をしていたが、お茶会では先生方から単衣の下は絽の襦袢で構わないと言われてかれこれ20年、わざわざ単衣用を誂えたことはない。麻を合わせても注意されたことはない。もしかするとお点前さんになれば何か言われたかもしれない。現代だと長襦袢は白ならお茶会でそこまで厳格な決まりはないと思う。
時代によって着物の解釈も変わりうるというのは筆者の実感として語られていたが、そういうことなのだろう。
越後上布のくだりの「これをまとうには、私にはまだ多くのものが不足していると思う」というのは自分にも当てはまる。とっておきの着物はTPOにもこだわりたくなる。結果、箪笥にしまわれることになるのだ。
展示会のお話は興味深かった。いろんな失敗をしても展示会に行って着物を買う林さんはメンタルも経済力も逞しい。一方私は押し売りに近い販売員さんに辟易して、それ以来着物はすべてネット通販で購入している。あれこれ見れないのは残念だけど、思考を奪われるのは御免被りたい。訪問着から大島、結城などの紬、ポリの着物までネットで幅広く手に入るので、また筆者が着物のエッセイを書くならネット通販についても書いてほしいなと思った。 -
Posted by ブクログ
現代社会のヒエラルキーが如実に現れる老後の生活をテーマにしたお話なのだ。
老後の生活は、結構シリアスな問題なのだが、林女史の手にかかると、これがコメディータッチで描かれるのである。
奇想天外、笑いながらも、やはり大きな問題である老後の生活の深刻さは外してはいないのだ。
私も70歳となり、世間では立派な爺さんと呼ばれるのだろうが、「老後」と言う言葉の意味が釈然としない。
「老いた後」、即ち「老後」ではない筈だ。
その昔は人生50年と言われたようだが、現代では人生100年の輩は五万といる。
60歳代は「老初」、70歳代は「老中」、80歳代以降を「老後」と読んで欲しいなと、私は勝手に思っているのだ。 -
Posted by ブクログ
好き嫌いのわかれる作家さんだと思いますが、私はよく読みます。
ちょっと小難しく読み進めるのに時間が掛る本が続いたあと、テンポよく読みたい時です。
また、その時代の流行や時事を素早く取り入れていると思います。
そして作品の中に必ずひとつ、ぐさっと突き刺さる鋭い文章があります。
今回の「紫色の場所」では、『彼らは普通の人間よりも野心を持ってしまったのだ。そして野心というものは、ある程度の制裁あてを加えられるべきだと、この世界の人は思っているに違いない。』です。
若いアシスタントを薄給で使うファッション業界のことですが、どこの業界でもそういう空気が流れているように思います。
新興宗教を流行りのように取り扱うファッション業界の話なのですが、流行りが終わり飽きたらスパッと抜ける。
それはとても冷静な目を持っていました。
この本が発行されたのが昭和61年。
オウム事件が起きたのは10年後位でしょうか。
こういうファッション感覚で入っていって、戻れない深いところにいってしまった人もいるのではないか。
読み終わったあと、そんなことを考えました。 -
Posted by ブクログ
数年ぶりに手に取る林真理子のエッセイ、夢中になって読んじゃった!やっぱり文春のエッセイが一番面白いかな。東京のお金持ちの生活ばかりフォーカスされてる気がして、そこには興味がなくて一時期は作品から離れたんだけど、また小説も読もう。
お金持ちはお金持ちでも「愉楽にて」を五百冊買ってくれる太っ腹な銀座のママのお話とか、気持ちの良いお金の使い方も読めて満足。
自分の作品について好き勝手感想書かれてても腹が立たないなんて、寛大だなぁ!でも確かに小説愛あってこそのハッシュタグ感想だものね。それにしても作家本人が小説ファンのオフ会に参加してくれるなんて、嬉しいだろうなぁ!
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