【感想・ネタバレ】正妻 慶喜と美賀子(下)のレビュー

あらすじ

尊皇派と攘夷派の対立が深まり、自ら上洛して幕府方の指揮を執る慶喜は、「二心どの」と罵られ苦境に立っていた。混乱の中、遂に将軍職に就いた夫と御台所になった美賀子。鳥羽伏見の戦で敗走した慶喜の心中には、日本の命運を左右する決断があった。歴史の深淵に立ち会った女たちが語る幕末、渾身の完結編。

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Posted by ブクログ

妾の芳から見た慶喜と幕末の動乱が興味深かった。明治以降は正妻、美賀子の視点に移り、前将軍の隠居後の暮らしを知ることができた。慶喜は自分大好きで女好きで理想の夫ではないが、妻たちはしたたかに生をまっとうしたように思えた。

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2021年09月06日

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司馬遼太郎は慶喜を描いたけどぞんざいな扱いだったような、そんな慶喜の妻はどんな人か、慶喜を尊敬していたのか気になり読み進め、やっぱり思う事は沢山あったのだと思う。
でも、こういう人なんだと割り切った気持ちをもって接して最期まで妻として生きる。
我慢の人なんだなぁと思った。

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2020年11月08日

Posted by ブクログ

歴史にはあまり詳しくありませんが、女性目線で面白く読めました。
公家と武士、こんなにも考え方や生活習慣が違うものかと驚きつつ、たくましさを感じます。そして、女性の出産は命懸けなんだとつくづく思いますね。

下巻は、慶喜が京へ渡り、いよいよ幕末期を迎えます。

大正まで生きた徳川慶喜は、様々な人達と時代に翻弄されてきたんだと、とても勉強になりました。

また、支える正妻である美賀子と、沢山の女性たちがいて、中には名もなく奉公した人達も居たはず‥と切なくもなります。
考える程に話が膨らんで、久しぶりに読んだ歴史小説は面白いなぁと感慨深く完読!

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2025年07月19日

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幕末の史実に沿って書かれていてとても勉強になった。徳川慶喜は美賀子の言うとおり、少し後に生まれて異国への使節団になっていたならその頭の良さと先見の明を存分に発揮していたかもしれない。なんにせよ侍には絶望的に向いていなかった。戦いを逃げ出してくるなど言語道断。

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2024年06月21日

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上巻に比べて政治関係の話が多かったです。そのため、歴史の教科書で「尊皇攘夷」と出てきて、江戸城を明け渡したという簡易的な記載ではなく、これがどういうものであって幕府と調停の板ばさみで苦しむ慶喜の姿もあり、慶喜の賢さ、強さ、そして弱さの部分も見れ、本当に最後の将軍だったんだということを感じました。

慶喜の性格や仕事に対して美賀子は思うことは色々あったが、それでも最後まで慶喜の側で支えたと思うと、この女性は自分の立場、時代の流れをよく分かっている、我慢強さと冷静さを備え持った方だったのかと思いました。慶喜の影に非常に面白い人物がいたことが知れました。

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2022年09月19日

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正妻というタイトルなので慶喜の正妻の一生を描く作品かと思ったら(確かにそうなんだけど)妾から描く章もあったりします。慶喜という捉えどころない男は名君だったのか卑怯者だったのか、主に二人の女性から語られる感じです。ちょうど、今、真剣に見ていないけど「青天を衝け」と同じ時代を楽しく読むことができました。
上巻は江戸に嫁に行くまでで、京の街や大奥のことが珍しくも面白く描かれており、妾の章になってから一気に政治色が色濃く出てきます。時代的にもそうあったのでしょうけど、うまく色分けされていている感じでした。

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2021年07月22日

Posted by ブクログ

ボンヤリとしか理解していなかった「尊王攘夷」、この本を通してやっと理解できたような気がする。聡明であるが一筋縄ではいかない慶喜は、優れた開国論を心に秘め、攘夷など非現実的だと思いながらも、幕府と朝廷の板挟みに苦しむ。その一方で、女好き、多趣味で好奇心旺盛な一面も併せ持ち、天才なんだか、嫌な奴なんだか分からないが、冷徹な判断力があり、名君であったと思う。隠居後、慶喜は美賀と一緒に暮らしたが、お妾さんと同居なんて、いまの時代じゃ考えられない。

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2021年06月01日

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副題が「慶喜と美賀子」にはなっているがヒロインは一人ではなく、最後の将軍・徳川慶喜の姿を「正妻(御台所)側」と「妾(側室)」から描いた一遍。

明治維新で慶喜の役割は他の躍動したひと達にくらべると、薄い印象。
殿様だからこそ果たした何かがあると、しっかり思わなかった。

しかし、司馬遼太郎さんが『最後の将軍 徳川慶喜』をお書きになっているので、それを読んではいないが司馬さんが書かれるほどなら、何かがあるのではと短絡的な気持ちで読みはじめる。

う~ん、
人物像なら司馬さんにかなわないな、と読んでもいない本と比較してしまう。
女性から見て封建時代の英雄なり人物なりを描くというのは難しい。

大体、時代物が多い大河ドラマの主人公が女性になると失速するように、どだい封建時代の女性がくっきりと、歴史に足跡を残せるはずがないのである。無理があるのである。

この本に描かれている歴史的事実はやっぱりおざなりに見えてしまう。
林真理子さんはうまいストーリテーラーだし、女の気持ちをつかんで描ける。
だけど、歴史を動かす何かを女性から掘り起こすのは難しい。

この本が面白くないのではない。
慶喜さんが維新後も生き延びて「大奥」ばりの女性を確保(笑)子供たちも多々残し(夭折しなかっただけでも13人)趣味多彩、新し物好きなど、知ってみればなるほどね、エネルギー溢れた人物を彷彿させるではないかと、それを我慢したやんごとなきお生まれの「正妻」

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2019年03月09日

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