あらすじ
幕府と朝廷の関係にも動乱の機運が高まる十五代家慶の治世。一条家の美しき姫美賀子は、英邁の噂轟く一橋慶喜に嫁いだ。「わしはどんなことがあっても将軍になどならぬ」信念を曲げない夫の奇矯な振る舞いに翻弄される美賀子は、ある哀しい決意を抱く。幕末の新たな一面を描ききる、傑作大河小説を文庫化!
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Posted by ブクログ
将軍徳川慶喜の正妻である美賀子の視点で描かれた幕府崩壊にいたるまでの歴史小説です。大河ドラマの渋沢栄一をみているとき、このお姫様についてとても気になり、この本をみつけて読んでみました。
慶喜との表面的なことだけでなく、内面について描かれているため興味深かったです。上巻を読みきったとき、すぐに下巻が気になりました。特に縛崩壊については日本史として学生の頃学びますが、当時の公家、武家の生活、文化なども知れるので、より面白く、勉強になる部分もありました。
Posted by ブクログ
公家から将軍家(武士)へ嫁ぎ、政治的な圧力や生活の違い、徳川慶喜の人柄などなど、主人公のご苦労が垣間見えました。
途中から、江戸育ちのお芳が登場することで物語の雰囲気がガラリと変わります。
難しい歴史小説を、林真理子ならではの手腕で読み手を飽きさせません。
さすが!
Posted by ブクログ
今年の大河「晴天を衝け」は、主役の渋沢栄一以上に、慶喜と美賀が面白い。林真理子著の時代小説は初めて読んだがとても面白かった。幕府と朝廷の関係、公家の生活なども興味深く描かれていて、京言葉が心地よい。幕末の騒乱に翻弄された美賀の結婚生活はドラマチックにスタートしたが、辛い体験を重ね精神的にタフに、大人の女性として成長していく。続きが気になり連日寝不足になった。