山岡荘八のレビュー一覧

  • 徳川家康(9) 碧雲の巻
    大権現様がずっと猿のターンを堪え忍ぶ9巻。

    光秀を討ち、支配者と化した秀吉には誰も逆らえない。
    掌の上で踊らされて滅ぶ柴田勝家が可哀想になる。
    そして親友の利家とまつにすら厳しい視線を送る。
    だが、その秀吉の目にも涙を流させるまつの仏心。

    一方、我らが大権現様はそこには参加せず、
    甲斐を切り取っ...続きを読む
  • 徳川家康(8) 心火の巻
    大権現様が盟友の死と人生の危機を堪え忍ぶ8巻。

    自分の中の家康像では、
    伊賀越では信長の死を知り、
    狼狽えまくり、前途に絶望して死のうとし、
    本多忠勝あたりに殴られて思いとどまり、
    ひいひい言いながら岡崎に帰って、
    兵を出したところで光秀が討たれた知らせを聞き、
    秀吉の行動の速さに唖然とするのだが...続きを読む
  • 小説 太平洋戦争(9)
    いよいよ最終巻だ。

    陛下の玉音放送に先立ち,日本が条件付で受諾することが日本軍の青年将校達に漏れ,彼らの動きは慌しくなった。ある者はテロによって,平沼,近衛,岡田,鈴木,米内,東郷を暗殺すべきだとし,またある者は陸軍大臣の治安維持のための兵力使用権を利用し,実質的にクーデターを断行すべきだとして,...続きを読む
  • 小説 太平洋戦争(8)
    そして,戦艦大和の登場だ。当時,世界第一を誇った超弩級戦艦大和が遮二無二沖縄目指して海上特攻を決行し,満身創痍,途中の海上で沈没してしまった。戦死者の数は大和だけで2,740名。行動を共にした第2水雷船隊の981名を加えると,3,721名がこの世から消えてしまった。わずかに戦場を離脱しえた人々もまた...続きを読む
  • 小説 太平洋戦争(7)
    そして舞台は硫黄島へと移る。この硫黄島には耕された田畑もなく,何よりも水がなかった。そんな島になぜ2万人以上もの兵を進め,司令部まで移したのか。また,アメリカ側も7万の大軍をひっさげてやってきて,一歩も退かずに戦っているのか。アメリカ側がさきに占領したサイパンから東京を爆撃するためには2千7百マイル...続きを読む
  • 小説 太平洋戦争(6)
    6巻の初めは,神風・新雷特別攻撃隊だ。神風は”かみかぜ”ではなく,”しんぷう”と読む。神風特攻隊は,豪胆で聞こえた大西司令長官が最初の声をあげたわけだが,果たしてこうした必死必中の非常手段を神々が許すものであろうかと,大西は自責の念にたえずさいなまれていた。この特攻隊の編成は,事実は命令ではなく,司...続きを読む
  • 毛利元就(1)
    毛利元就は謀略では無く百万一心で
    中国地方の覇者になったのだ!という話。

    家康公だったらさっさとやる所を
    謀略!謀略!とにかく謀略!で、
    毛利元就公が難局に対処し、
    全二巻だから駆け足で話が進む。

    「皇国史観」と「正義は勝つ」の山岡節で、
    読む人を選ぶかも知れないけど、
    人物関係や当時の情勢が分...続きを読む
  • 小説 太平洋戦争(5)
    話はビルマ戦線に突入する。ビルマでも,初戦を除き,イギリス軍の物量攻撃に苦戦させられることは,先のガダルカナル島やニューギニア島と何ら変わりなかった。ここでは,ひとつ事件があった。それは,戦場の二・二六事件と言われる佐藤中将の抗命事件だ。これは日本陸軍の歴史の中で一大汚点とされているが,真相はどうだ...続きを読む
  • 小説 太平洋戦争(4)
    ガダルカナルの敗北は太平洋戦争における峠であったと言ってもよい。ここで失った人と物と時はその後の日本軍に与えた影響は無限大の大きさであった。艦艇や航空機の喪失は日本側だけでなく,アメリカ側も同様もしくはそれ以上に出ていたが,費やされた”時”の与える影響は両国で全く違ったものとなっていた。アメリカ側の...続きを読む
  • 小説 太平洋戦争(3)
    ジャワ攻略を予想以上の成功に導いたのは,ジャングルへの備えと今村均中将およびその命令下の将士の冷静かつ果敢な行動,それに陸海軍の緊密な協力にあった。今村中将の逸話を聞くに従い,これが太平洋戦争全体を包んでいたらという思いを強く持つ。

    今村中将は,インドネシアに侵攻しつつも,常に現地人への被害に対す...続きを読む
  • 徳川家康(5) うず潮の巻
    三方ヶ原で家康は、武田信玄に惨敗、内では妻、築山御前と家臣大賀弥四郎の裏切りが進行する。32歳家康大層忙しい。12.4.28
  • 小説 太平洋戦争(2)
    山本は『戦争にせよ,賭博にせよ神様が喜ぶことでは決して無い。したがって正義がこちらにある時は,止むにやまれぬものとして天佑があるだろう。その天佑も信じられないような戦ならば全作戦を放棄するのが良い』と考えていた。逆にこのように考えた上で,大艦巨砲主義の思想が中心だった日本の作戦から抜け出し,航空機が...続きを読む
  • 小説 太平洋戦争(1)
    まず,本書を読み始めるのは非常に腰が重たかった。9冊というボリュームだし,歴史小説と言うには余りにも近代は近すぎたためだ。しかし,前書きを読み始めたとたんにそんな考えは吹き飛んだ。現在の太平洋戦争についての常識は,アメリカ人がこしらえたものだ。日本でそのときに何が起こっていたのか,日本人が何を考えて...続きを読む
  • 織田信長(2) 桶狭間の巻
    ついに家督争い決着!そして秀吉の登場。
    それにしても斉藤義龍の最期があまりにも…
    なかなか憎い奴ではあったけれども、あの最期はちょっと悲惨ですね
  • 徳川家康(1) 出生乱離の巻
    山岡荘八の大著。『徳川家康』に対するこれまでの印象は激変する。辛く苦しい人質時代、家臣たちは終戦直後のような生活を送りながら再起を近い、同時に、戦いのない世の実現を目指す。戦略とビジョン。とても勉強になる。

    山岡荘八の大著。全部で26巻だが、ひとまず、15冊。『徳川家康』に対するこれまでの印象は激...続きを読む
  • 豊臣秀吉(8)
    全8巻を読破。
    大日坊が出てきたあたりから、天下を治めるものの資質を問うような記述が増えてしまい、説教くさくなるのは残念。

    8巻についての感想だが、秀吉が淀・秀頼のことを冷静に観察しているところや、醍醐の花見を葬式に見立てているところなどは、面白い解釈だと思う。また、ただの狒々爺ではなく、「天下」...続きを読む
  • 新太平記(2) 鎌倉攻めの巻
    隠岐に流された先帝の奪還、そして妥当北条に向け先帝の宮護良親王、楠木正成、女忍兵の浅茅たちが動く。護良親王と繁姫の出会いと別れ、圧倒的不利の中で仲間を見定めていく道程。非常に面白いです!そして次代の覇者もゆるりと動き始めます。そしてついに。驕れるものはやはり久しからぬようです。だが太平記の語る物語は...続きを読む
  • 伊達政宗(1) 朝明けの巻
    NHKの大河ドラマでやってた頃に読んだ。

    大河ドラマの視聴率も、この次の武田信玄や春日局の頃が
    ピークだったらしい。

    社会人初年生の自分にとって、生き方の参考になりました。
  • 織田信長(1) 無門三略の巻
    山岡荘八の信長論。
    戦国時代の主役的存在だけあって、読んでいて先の展開が気になる。
    濃姫ってここまでキレる存在かなぁ。
  • 高杉晋作(1)
    山岡版高杉晋作は、晋作の破天荒さは健在だが、すごく考えている晋作が描かれている。この前に、司馬版を読んだが、こちらのほうが安心できる内容だと思う。やはり一国を束ねる人間になった日どの人物はこうあって欲しい。
    その反面、吉田松陰については、時代に乗り遅れているよううに表現されている。こういう考えもある...続きを読む