山岡荘八のレビュー一覧

  • 小説 太平洋戦争(1)
    これまで抱いていた松岡洋右や東條英機のイメージが覆った。特に東條が戦争を回避するために首相に推されたというのには驚いた。海軍は開戦反対派、陸軍は好戦派といった単純なものでもなく、無謀に戦火に進んだのでなく、米国の白人至上主義が有色人種を締め上げ、窮地に追い込んだのだと。70年前の遠い過去のことと言え...続きを読む
  • 徳川家康(26) 立命往生の巻
    ようやく全巻読破。

    大坂の役後の話であるため、戦のシーンはない。家康の余生が中心。策謀と哲学が入り混じった感がある。

    全巻を通じて感じたことは、主人公は言うまでもなく家康であるが、家康が登場しない場面も多く、主人公である家康がタイトルにはなっているが、群像劇の一面もある。それだけに、冗長と思われ...続きを読む
  • 徳川家康(25) 孤城落月の巻
    大坂夏の陣。

    家康以外を主人公とした本やドラマとは、豊臣家に対する家康のスタンスがだいぶ違う描かれ方をしている。

    さらに、本巻ではとりわけ家康の孤独感が強調されているような気がする。
  • 徳川家康(23) 蕭風城の巻
    大坂の役前夜といったところ。

    真田幸村が頻繁に登場するになってくる。

    徹底して大坂方の時勢を読めない愚かさが描かれているが...
  • 徳川家康(22) 百雷落つるの巻
    家康があくまでも主人公ではあるが、本巻のもう一人の主役は大久保長安。それから伊達政宗も重要人物として絡んでくる。

    徐々に大坂の役へと向かうさまが描かれているが、山岡は大坂の役を、さまざまな勢力が複雑に絡みあった結果生じてしまったように描こうとしているのが興味深い。
  • 徳川家康(20) 江戸・大坂の巻
    登場人物間のやり取りが、知恵比べやネゴシエーションを見ているようで興味深い。

    本巻では、淀殿が先を読むことができない愚の人物として描かれているが、現代の企業経営者や政治家にも当てはまる話だろう。
  • 徳川家康(18) 関ケ原の巻
    関ヶ原の合戦が本巻のメイン。

    本書に共通していることだが、家康は決して自身の野望のためでなく、あくまでも天下泰平のために行動している。

    関ヶ原が終わって泰平の世となるはずだったが、終盤には再び不穏な兆候が...
  • 徳川家康(16) 日蝕月蝕の巻
    秀吉薨去から関ヶ原前夜までと言ったところか(厳密に言うと「前夜」までは行ってないかもしれないが...)

    山岡は石田三成をキレものだが一本気で聞かず者のように描写しているが果たして。
  • 徳川家康(15) 難波の夢の巻
    秀次事件、慶長の役と続き、最後に秀吉が世を去るところで閉じられる本巻。

    後半からいよいよ家康が政治の指揮をとり始めるのだが、ここではあくまでも戦さのない太平の世のために行動する姿が描かれている。

    真田太平記などとは異なる人物像となっている。
  • 徳川家康(14) 明星瞬くの巻
    いろいろな出来事が書かれているが、主には秀吉による朝鮮出兵(文禄の役)。豊臣政権に綻びが出始めるさまが書かれている。

    秀頼誕生を最後に書いていることで、豊臣家が今後たどる運命を演出しているのだろう。

    主人公であるはずの家康は半分くらいしか出てこず、九州でのコトは不要かもしれないが、今後を示唆する...続きを読む
  • 徳川家康(13) 侘茶の巻
    豊臣秀吉の北条征伐が話の中心だが、家康の江戸移封という大きな出来事が描かれている。
    本巻の締めには、豊臣政権の綻びの兆候が...
  • 織田信長(1) 無門三略の巻
    結婚して城主を継いだあたりまでだったと思う。

    14歳くらいでやってたことってそういうことだったんだなぁとおもった。
  • 織田信長(4) 天下布武の巻
    浅井・朝倉との姉川の戦い
    比叡山の焼き討ち
    武田信玄の死と、勝頼。
    小谷城における浅井長政との戦い。
    長島の本願寺を皆殺し。
    長篠の戦いへの計画。
  • 徳川家康(11) 竜虎の巻
    大部分は石川数正の出奔についての話。そこに家康と秀吉との様々な駆け引きが絡んでくる。

    この手の本を読むと、思慮の大切さと短慮すべからずという戒めを改めて思い知らされる。
  • 徳川家康(10) 無相門の巻
    ほぼ小牧・長久手の戦いに割かれている。
    それと、家康の重臣である石川数正の登場場面が際立って多い。
    その後に起こるある重大事件を予期していると思われる。
  • 徳川家康(9) 碧雲の巻
    時の権力者、すなわち家康にとって最も対峙すべき相手が信長から秀吉に変わるという時期だけに、かなり丁寧に描かれている。

    お市の方のくだりはやや冗長のように思われる。しかしやがては茶々が家康に対して大きく絡んでくることから、作者にとってここは大切と判断したのだろう。
  • 徳川家康(8) 心火の巻
    本能寺の変を経て信長から秀吉へと対峙する相手が変わるという、家康にとって重要な時期だけに、かなりスペースを割いて、丁寧に描写されている。

    ただ、細川ガラシャ夫人のくだりはやや冗長なような...
  • 徳川家康(6) 燃える土の巻
    同時進行で話が進んでいるが、歴史小説の醍醐味。
    しかし、山岡荘八は人物描写が極端。それが一気に読ませることにもなるのだろうが...
  • 徳川家康(5) うず潮の巻
    家康にとって重要な出来事が続くため、時間の進行は前巻よりも短い。丁寧に描写しようとする筆者の意図が読み取れる。
    しかし、人間が持つ「脆さ」を痛感する。
  • 徳川家康(4) 葦かびの巻
    話(時間)の展開が急に早くなったような気が...
    話中に井伊直虎とおぼしき人物が登場するが、大河ドラマとは扱いが全く違う。両方ともフィクションではあるのだが...