山岡荘八のレビュー一覧

  • 織田信長(5) 本能寺の巻
     本能寺の変まで。それまでにも危機はあったが、そのたびにそれを打開してきた。
     明智光秀の疑心暗鬼モードは、読んでいていらいらするほどだ。それに気づきながら効果的な策を取れない信長にも、老年の弊害かと思ってしまう。
     信長は世紀の豪傑であったが、組織管理については必ずしも優秀でなかったのかもしれない...続きを読む
  • 織田信長(3) 侵略怒涛の巻
     侵略怒濤のの巻。タイトル付けが見事だ。
     まさにそのような感じで、尾張の大うつけがいつの間にか日本中に名を馳せる大名に成長している。相変わらず信じられないほど頭の回転が速い。一つを見聞きして百を考えているようだ。そのくせ一ほども口に出さない。これについていく家臣も大変である。味方を欺けなければ敵も...続きを読む
  • 徳川家康(2) 獅子の座の巻
    いよいよ歴史が動き出しそうな雰囲気。
    織田信長の振る舞いが、気持ちいいですな。実際に対峙すると大変だろうけどけども。
  • 徳川家康(25) 孤城落月の巻
    大阪夏の陣で、秀頼と淀の方が自害。家康はショックを受ける。家康と秀忠の王道に対する考え方の違い。世間の目。全てが覇者の思うようには進まない。13.1.20
  • 小説 太平洋戦争(2)
    小説なのかどうか…たまに感情的な箇所もあるから、小説なのかな?(笑)
    こういうものが、時折「誰も知らなかった太平洋戦争の真実」とか題名つけて売られてる気がする。
    切ない。
  • 徳川家康(23) 蕭風城の巻
    司馬遼太郎の描く家康像が崩れていく。方広寺の鐘楼の文字に因縁をつけたのは、秀頼を大人として扱い大阪城開城を悟らせるもの。片桐且元は裏切り者ではなく、豊家のためを願う純な老臣。間にたっての苦衷が哀れ。奥原豊政の達観に感じ入り、その師柳生石舟斎に興味を覚えた。13.1.4
  • 小説 太平洋戦争(1)
    これは小説なのか……。
    あえて、小説と銘打っているのであれば、真実に近くともそうではないことを肝に銘じて読まねばならない。

    それを踏まえてでも、開戦前の外交の緊張感、東条の苦悩……
    近衛のひどさに、震える(笑)
    なんか近衛は現在の政治家たちに通じるものがあるので、いろいろな意味での震え。うーむ。
  • 徳川家康(18) 関ケ原の巻
    関ヶ原の戦い。ここでは、家康が勝つべくして勝ったように描かれている。それにしても戦後処理の難しさ、それを繊細な気遣いで処理する苦労が見事に描かれている。12.11.23
  • 織田信長(4) 天下布武の巻
    姉川の戦い、比叡山の焼き討ち、三方ヶ原の戦い、古谷城の戦い。
    この巻は、戦だらけ。

    しかし、決して
    『他を征服したい』と言うわけではなく、
    『戦などない世の中にしたい』と言う思想から。
    どちらも私的な思想には代わりないけど。

    『戦を無くす為に、戦を以て、戦を制する。』

    一度、戦争が起こると、
    ...続きを読む
  • 吉田松陰(1)
    吉田松陰の命日を迎え、山岡荘八の著書を読む。
    第一巻は幼少時から脱藩覚悟で東北への旅へ向かい士籍を失うまで。
    この後、松陰は10年間の遊学を認められるわけだが、この長州藩の優秀な若手を育成させる術が維新に向けて人材を輩出する原動力になっていることを改めて認識する。

    叔父の玉木文之進からの受けた厳し...続きを読む
  • 徳川家光(1) 三代の風の巻
    徳川幕府3代目将軍。祖父と違って名君ではなかったけれど、家光なりに生きた様と生きた時代が、太平の世を表していて興味深かった。
  • 徳川家康(14) 明星瞬くの巻
    秀吉と利休の確執、利休の切腹。秀吉の朝鮮出兵。鶴松丸、大政所の死。茶々が拾い(秀頼)を懐妊。家康と天海のやり取りがおもしろい。12.10.14
  • 徳川家康(13) 侘茶の巻
    北条氏征伐。世に云う小田原評定と揶揄される無惨な位負け。阿茶々、鶴松を生み権勢を得る。寧々が良妻というより、燗の強い女として描かれている。12.10.8
  • 伊達政宗(一)
    僕の中で伊達・徳川・毛利関係はあまり読む気にならなかったのですが。伊達はなんかパッとしない印象があって。実際の伊達は派手だったようですけど。中央から離れてしまっていたのが現代に残るイメージも小さくなっているのかも。最近はかなり取り上げられてるからファンも多いんでしょうね。
  • 徳川家康(12) 華厳の巻
    渋っていた上洛を決行。天下平安のために秀吉に華を持たせる。秀吉九州征討の間に着実に東を固め始める。三河気質に珍しい本多正信の台頭。しかし、出世を望んで策を弄する者は、躓きを予感させる。12.9.29
  • 織田信長(3) 侵略怒涛の巻
    これまた痛快な巻。
    美濃攻め、近江蹂躙、近畿制圧。
    前半は木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)の活躍が目覚ましい。
    中盤から明智光秀が信長の下で働き出すけど、
    僕が知っている光秀のイメージとは、全く違う人物に描かれている。
    僕のイメージとは違うまま終わるのか?
    それとも、これから変わっていくのか?
    そこらへん...続きを読む
  • 織田信長(2) 桶狭間の巻
    信長を殆ど知らなかった僕でも、聞いた事くらいはあった『桶狭間の戦い』。
    ドラマチックに知る事が出来てとても嬉しかった。

    その後の信長の熊野詣は、『鉄砲の調達』と『尊皇を軸とした軍の準備』。
    信長に尊皇の心意気があったのは知らなかったから意外だった。
    苦悩している公卿の涙を目の前にした時に、信長の人...続きを読む
  • 徳川家康(11) 竜虎の巻
    戦国終息が家康の理想であり、秀吉の目的。石川数正は断腸の思いで出奔。それを理解し口には出せない家康と本多作左衛門。秀吉が関白になった頃、家康は腫れ物を患い、生死をさまよう。秀吉の妹、朝日姫の家康への嫁入り。12.9.16
  • 徳川家康(10) 無相門の巻
    家康家臣石川数正と秀吉との駆け引き。小牧、長久手の戦いでの家康の智略。本多忠勝の強烈なキャラクター。じっくり楽しめる。12.9.9
  • 徳川家康(9) 碧雲の巻
    大権現様がずっと猿のターンを堪え忍ぶ9巻。

    光秀を討ち、支配者と化した秀吉には誰も逆らえない。
    掌の上で踊らされて滅ぶ柴田勝家が可哀想になる。
    そして親友の利家とまつにすら厳しい視線を送る。
    だが、その秀吉の目にも涙を流させるまつの仏心。

    一方、我らが大権現様はそこには参加せず、
    甲斐を切り取っ...続きを読む