あらすじ
秀吉の妹朝日姫を正室に迎えたうえ、生母大政所(おおまんどころ)を人質同然に差し出されては、家康も上洛を拒み通すことはできない。竜虎の提携は成立した。秀吉は勇躍して九州征伐に向かい、家康は東国経営に乗り出す。待望の泰平の到来か。いや、今度は正室寧々(ねね)と愛妾茶々の間で、激しい女の闘いがはじまっていた。
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秀吉は朝日姫につづき、生母大政所も人質として家康の元に送り込み、義弟として家康の上洛を実現させた。そこで秀吉の陣羽織を所望したいと家康が言ったのはドラマ等で有名なお話。
東の憂いがなくなった秀吉は九州征伐へ行くが、その前にお茶々に手をつけちゃう。
家康は駿府城に入って東を睨む。
最後は本田正信と茶屋四郎次郎の間がきな臭い。
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朝日が輿入れし、それに会うという名目で大政所も岡崎へ下ってきたため家康もついに大坂へ。3万の軍勢を引き連れての上洛となった。対面は平和裡に終わり、秀吉は九州征伐へ。そこで切支丹に怖れを抱き、禁制へと動いていく。茶々は秀吉の側室となり、堺衆と秀吉とで思惑のずれが生じ、といった話も。
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家康と秀吉の頭脳戦に手に汗握る。
この巻では、合戦が一度も出てこない。
だが、頭脳戦で読み込ませてくれる。
静の家康。
動の秀吉。
戦の無い世にしたいという、思いは同じ。
この巻を読んだ自分の印象では、家康の方が一枚上手なのではないか。
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いつか読もうと思っていた作品。「豊臣秀吉」、「織田信長」はある程度知った気でいたので、戦国時代の三大英雄、最後の一人を知るためにと思い読み始める。
結果、非常に感動した。司馬遼太郎作品や池波正太郎作品、世の中の一般的な「家康像」を覆す作品であった。家康がなぜ天下を取り、そして江戸幕府260年の平和な時代を築けたのか、おぼろげながら理解できた気がした。
また、著者の目を通して描かれた「家康の思考法」に強く感銘を受け、自己統制の本としても傍に置きたいと思った。
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薙刀振り回して本能寺で散った濃姫も大好きだったけど、順調に育ってきた茶々姫もすごいかっこいい。
実父、実母、義父の仇の秀吉についに抱かれてしまった茶々姫。
この後どういう風に描写されるのかわからないけど秀頼を産むのは執念としか言いようがない。
ついに家康が秀吉のもとに参ずじ、戦国のフィクサー、堺商人たちも秀吉の権力に屈する者が出始め内部分裂を始める。
天下のために秀吉に屈した家康。
やっぱり一つ一つ無の境地へと進んでいく。
先の話だけれども堺商人たちと家康がどんな国家を目指すのか、興味は尽きない。
日本史上秀吉は最高の権力者だったのかもしれない。
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家康と秀吉の心理戦。
これはずっと続くのであろう。
本多正信、少しずつ存在感を増してきたか。これからどうなるか。
徳川家はいろいろあるがますます家臣との結びつきは強固に、豊臣家は、人材いないね。
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渋っていた上洛を決行。天下平安のために秀吉に華を持たせる。秀吉九州征討の間に着実に東を固め始める。三河気質に珍しい本多正信の台頭。しかし、出世を望んで策を弄する者は、躓きを予感させる。12.9.29
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山岡荘八著の「徳川家康」の12巻・華厳の巻きが読み終わった。
丁度、全24巻の半分まで来た。
本巻は秀吉の妹朝日姫を正室に迎えた家康が上洛するという話。
その後、秀吉は九州征伐に向かい、家康は東国経営に乗り出す。
本巻の最後の茶屋弥四郎次郎と本多正信のやり取りを読んで、
何と正信は用心深いというか、疑り深いというかと思った。
また家康の家臣が正信を嫌っていたのは知っていたが、
茶屋までが正信のことを嫌っていたというのは知らなかった。
歴史小説を読むと、いい言葉や話がある。
本作品では、鳥居彦右衛門元忠がその祖父・伊賀守忠吉の言葉として、
息子・新太郎に度々聞かせている言葉で、次のようなものがあった。
「武人の勝負はその時々よりも平素にある。平素に油断がないのが一番の心構え。」
「家風というのは一代にして成らぬもの。厳しく普段に培えよ。」
また、家康が亡き築山殿とのことを回想して、次のよう言葉がある。
「相手の申し分が正しければ正しいほどに怒りを掻き立てられる。正しいことは、
時には少しも人間を幸せにはせぬものであった。」
なかなか感慨深い言葉である。