あらすじ
秀頼の誕生は新たな権力争いの種となり、関白秀次の自刃とその妻妾三十余人の斬殺という悲劇を招いた。一方、伏見大地震の混乱の中で迎えた明の講和使節が、実は無礼きわまる冊封使だとわかると、秀吉は烈火のごとく怒り朝鮮再征の令を下す。そして、再征の結着もみないまま一代の太陽児は波乱の生涯を閉じる。
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面白くてずんずん読んでしまった。
この数巻は、秀吉と家康との確執〜徳川家の葛藤〜豊臣家の人間模様〜家康の達観に至るまでの心の移り変わりや状況の変化がずっと描かれてきたが、ついに秀吉は死んでしまった。太陽が沈んだ後、残った人間たちがどう動いていくのか。
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いつか読もうと思っていた作品。「豊臣秀吉」、「織田信長」はある程度知った気でいたので、戦国時代の三大英雄、最後の一人を知るためにと思い読み始める。
結果、非常に感動した。司馬遼太郎作品や池波正太郎作品、世の中の一般的な「家康像」を覆す作品であった。家康がなぜ天下を取り、そして江戸幕府260年の平和な時代を築けたのか、おぼろげながら理解できた気がした。
また、著者の目を通して描かれた「家康の思考法」に強く感銘を受け、自己統制の本としても傍に置きたいと思った。
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主筋の織田家を自ら散々な目に合わせただけに、死を間近にした秀吉は性急に豊臣家を固め始める。
しかし、時すでに遅し。できたことといえば跡目を秀頼に固定することだけ。
豊臣政権内部の軋轢は強まり、朝鮮征伐は重くのしかかってくる。
策謀をめぐらす五奉行は諸将に嫌われ、対立の芽は至る所に吹き荒れている。
秀吉は退場し、秀忠はよく育った。
この小説はまるで舞台のようにたくさんの人が出てきては消え、また出てくる。
人生には足元を固める時期も必要。
朝鮮や大明帝国とやり合わずに関白家を固めていれば歴史はずいぶん変わったろうに。
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秀吉と秀次の間が険悪になり、秀次は自刃に追い込まれる。天下のことを思っていた秀吉が豊家というか秀頼に執着するようになり、この世を去る。
次巻は天下が再び乱れそうな中、家康がどう立ち回っていくのか…
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ますます老いる秀吉。まさに晩節を汚すというところ。それを汚させたのは間違いなく三成。前半は秀頼誕生と関白秀次の扱い。思っていたのと違った。もっと秀次を排斥しようとしてたと思ってました。家康もあくまで日本のために秀吉を支えるといういい人物に描かれていて、これがまた、三成と対照的。書く人によって全然違うなぁと改めて思いました。最後は63で秀吉が病没。今の時代からしたら、早すぎる死なのでしょう。
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秀吉の老いと死を目前にして、人間の本質を見た家康。
太閤と言えども、所詮は人間。
最後の最後は、やはり、自分がかわいい。
これまでは、天下のことを考えてきた秀吉の考えが180度変わってきた。
家康は、これをどう捉え、どう活かしていくのか。
これから、家康の天下が始まる。
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秀次事件、慶長の役と続き、最後に秀吉が世を去るところで閉じられる本巻。
後半からいよいよ家康が政治の指揮をとり始めるのだが、ここではあくまでも戦さのない太平の世のために行動する姿が描かれている。
真田太平記などとは異なる人物像となっている。
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天下泰平から豊臣家のため、自分のメンツのためにまい進する秀吉。老いとはそういうことか。現代でも、よくあること。無駄な長生きは自分を含めた周りを不幸にする。
家康、いよいよ天下取りに向けて動き出すか。