山岡荘八のレビュー一覧

  • 源頼朝(2) 伊豆の青春の巻

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    千鶴丸はだいたいどの頼朝ものでも可愛く描かれ、パパになった佐殿が幸せそうで和むけれど、やっぱりお方様は政子さんがいいです。山岡先生宅の政子さんは特に好感がもてるので。

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    2010年10月24日
  • 源頼朝(1) 平治の乱の巻

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    山岡先生は義平に優しいのでときめいてしまう。平治物語を踏襲しつつ、兄上に憧憬の眼差しを向けちゃう頼朝とかうちの子大好きな義朝パパとか、仲良しな(雰囲気の)義平朝長頼朝の三兄弟とかが見られて幸せ。袈裟姫(坊門姫?)と夜叉御前と希義君にも触れてもらえて大満足。あと鎌田に惚れる(だが旦那か父親には欲しくない)。

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    2010年10月25日
  • 伊達政宗(二)

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    1巻飛ばして2巻から読んでいます.本屋に無かったので.
    全集はあったんですけど,全集よりこっち(光文社)の装丁が好きなんですよね.
    その内大きい本屋に行って1巻探そう….

    初めて読む歴史小説でした.
    著者の筆力か伊達のやんちゃのせいか,余り肩肘はらず楽しく読めました.
    ところどころ「これ本当に史実からひっぱってきたの?(笑)」とか思ったりも.
    秀次謀反共犯の冤罪をかけられた際の伊達家臣団の行動には,「伊達は家臣も手に負えないわ!」とつっこんだり.

    ぶっとんだエピソードはむしろ老年期の方が多いらしいので,今から続きが楽しみです.

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    2010年10月22日
  • 織田信長(5) 本能寺の巻

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    人間(じんかん)の誤解とはなんと恐ろしいものでしょうか―。

    信長は戦乱の世の申し子で、光秀は平時の武将であったと思います。光秀は信長の世を治めようとする深い意図に気付きえず信長の不興を買ってしまい、疑心暗鬼に陥ってしまったのです。
    もちろん信長にも原因はありますが、「光秀が信長の残虐行為を無視しかねて謀反した」という説は適当でないと思います。それは平時での考えであり、血で血を洗う戦国時代を早く終わらせ平和な時代を迎えるには信長の策こそ正しかったのではないでしょうか。

    疑心暗鬼に取り付かれ、あれほど失態を重ねた光秀が謀反の段取りでは完璧を期した、というのも皮肉なものです。

    全五巻、信長の波

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    2010年10月21日
  • 織田信長(4) 天下布武の巻

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    金ヶ崎撤退・姉川の戦い・比叡山焼き討ち・三方ヶ原の戦い・一乗谷殲滅・浅井父子の滅亡が描かれています。

    信長にとって鬼門となった時です。四方を敵に囲まれ、攻め滅ぼされてもおかしくない状況で信長の智謀、神速の行軍がさらに際立っています。
    戦いに明け暮れるこの巻で際立って凄まじいのは、本願寺門徒と信長との憎しみの応酬です。両者の間には「殺しあう」ことしか接点がありません。しかし信長は憎しみに任せているのではなく、戦乱の世を早く終わらせ平和な世を築かんがために、甘さを捨てて鬼神となっているのです。衆愚の救済を図るべき仏門の徒が、並みの大名よりはるかに大きな力を持っている。そしてそれが日本国統一の妨げ

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    2010年10月21日
  • 織田信長(3) 侵略怒涛の巻

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    佳境の第三巻です。美濃攻め、上洛、朝倉攻めが描かれています。

    明智光秀が登場します。後の本能寺と結びつけて彼の描写を読んでいくと面白いです。
    織田家家中の平定を目的としていた頃とは比較にならぬほど織田家は大きく、強くなりました。留まることなく、常に最善の一手を指してきた信長だからでしょう。その間他の大名達は何をしていたのか―。
    信長の姿勢には教訓として学びうるものがあると思います。

    次巻では比叡山焼き討ち、三方ヶ原の闘い、一乗谷の滅亡が描かれるでしょう。次巻も楽しみです。

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    2010年10月21日
  • 織田信長(2) 桶狭間の巻

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    織田家家中の平定から桶狭間での奇襲、そして斉藤義龍の死までが描かれています。

    ただただ信長の慧眼には恐れ入るばかりです。みずから敵にのせられたと見せ掛け、影で実は完璧な対策を練る。反対派をおびき寄せ一気に一網打尽にする―。器が違うとしか言い様がありません。濃姫との尋常ではない夫婦のやりとりも、その大きさを感じさせます。
    また木下藤吉郎も登場してきます。とても頭が切れ、信長の意を汲める唯一人として描かれています。どうも良く描かれすぎな感がしますが…w

    次巻では美濃攻めが描かれるでしょう。次も楽しみです。

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    2010年10月21日
  • 織田信長(1) 無門三略の巻

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    戦国の時代に現れた英雄・織田信長の一生を綴った物語です。
    一巻では蝮と称された斉藤道三の娘、濃姫との縁談から、一国の主となり斉藤義龍との合戦までが描かれています。

    当時誰も持っていなかった大局的な視点と、権謀術に富んだ信長がすがすがしく描かれています。彼の織り成す計略の真相を知る毎に、膝を叩かずにはいられません。
    そればかりか濃姫との高度な男と女の化かし合い、いやむしろ闘いも描かれており、読者をニヤニヤさせてくれます。

    続きが楽しみです。お勧めです。

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    2010年10月21日
  • 徳川家康(1) 出生乱離の巻

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    全26巻の超大作です。
    家康嫌いの将雪が愛読しております(笑)。
    叙述が詳細・多岐に渡っていて、描写が豊かで美しく、読み進めていくうちに自分も戦国時代に入り込んでいきます。
    さすがの将雪も、これを読んでいるときだけは家康好きになってしまいます(笑)。
    まあ普通に考えたら甚だ怪しいんですけどね、「大阪城は涙をのんで攻めた」とか、「秀頼と淀殿は助けるつもりだった」とか、「天下は預かりもの」とか、「泰平のため」とか、思い返すとハァッ?と言いたくなるような、美談の数々がちりばめられています。
    でも、読んでいる時は不思議なことに全然疑問を感じないんですよね、怖い(笑)。
    そんなわけで、将雪は山岡先生の歴

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    2010年08月05日
  • 吉田松陰(1)

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    坂本龍馬も時代を突き動かしたが、この男の生き様と死に様も、時代を大きく動かした。

    よく一人が行動したところで、世の中は何も変わらないという声を耳にするが、それは違うということがこの本を読むと分かる。「たった一人の熱意が、国を大きく動かすことがある。」

    現代に、吉田松陰がいたら・・・。やはり凄いことを起こしそうだ。

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    2010年07月18日
  • 織田信長(1) 無門三略の巻

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    乱世に反発するために右を向けと言われたら左を向き、
    左を向けと言われたら右を向く風雲児織田信長と、
    心強い味方の肉食系女子(おなご)濃姫の話。

    戦後の教育を受けた人間は、度々出てくる
    勤皇思想に違和感を覚える事もあるだろうが、
    とにかく信長が格好よく描かれており、
    全5巻飽きが無く、一気に読めてしまう。

    舅の斎藤道三の話であり、逆の人物評価で書かれている
    「国盗り物語」を読んでおくと比べることが出来て面白い。
    なお、山岡先生は徳川家康の前にこれを読むことを推奨している。

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    2013年07月13日
  • 吉田松陰(1)

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    グイグイ引き込まれていく。
    江戸の末期も平成の世も、閉塞感と絶望感は
    変わらないのだなあと思う面と、
    自分もそんな日本を照らす小さな光になるために
    学び実践していかなければと思う。

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    2010年06月22日
  • 小説 太平洋戦争(8)

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     ついに終戦を迎えた・・・
     極東の小国である日本が連合国相手によく戦ったと思う。当時の日本人の気持ちとしてはどうだったのだろうか?複雑な思いだったのだろうと思う。現在に住む我々には想像もつかないことだろう。
     原爆投下にソ連による日ソ不可侵条約の蹂躙・・・ 終戦間際はあまりにも悲劇的に過ぎる。

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    2010年06月03日
  • 小説 太平洋戦争(9)

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     敗戦を迎えたあとも、日本人の自決、極東国際軍事裁判、満州国解体・・・など、悲愴な時代は続いていく・・・
     この戦争は自衛戦争であり、白色人種以外の人種の民族解放につながる戦争であったはずなのに、敗戦とともに態度を変えてしまう日本人もいた・・・・。現在に住む我々がそういう方々を批難することはできまい。戦時中・戦後直後という同じ境遇に至ったら、自分がどのような行動をしていたかについて自信は全くもてないのだから。
     とにかく、敗戦とともに、多くのものを失った日本だったが、戦後の復興ぶりは、日本人に宿っている精神的なものも大きく影響しているのだろう。
     戦後60年以上たった今、わが日本が経験した戦争

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    2010年06月03日
  • 徳川家康(6) 燃える土の巻

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    大賀弥四郎と秀吉の違いが面白かった。

    二人とも足軽の倅で才知に溢れ、短期間で大身に取り上げられるのだが、一方は才知に頼み主君を軽んじ、一方は才知ゆえに妬まれるを恐れ主君をより一層敬う。






    殺すものは殺される。生かすものは生かされる。一にも策、二にも策では情けない。行うことの全てが天意にかなわねば、いつか策に倒されよう。

    読まれたままで進むのは敗れのもと、慎むべきは匹夫の勇。


    黄金というものは少し贈ればハラを読まれる嫌なものじゃ。(本文より)

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(7) 颶風の巻

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    見事な武士が二人出てくる。

    鳥居強右衛門と大河内源三郎だ。

    武士道という非合理的な不文律を頑なに守る様は余りに感動的だ。

    武将と武士とでは武士道に違いがあるようだ。領民の安堵のためには時に裏切りを働くのも大将たるものは許される。しかし一介の侍ならばいかに非合理的でも忠という道徳観念を守るものがより美しいのだ。


    瀬名御前と小田原御前の違いも悲しかった。乱世にあっても好いた人と共にあるものの方が美しい死であった。


    長篠合戦以降、急速に信長に水をあけられた家康は遂に正室と嫡子を殺さざるを得なくなる。


    姉川のおりに見せた武勇を信長に見せられなかったからだろう。



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    2010年05月23日
  • 徳川家康(12) 華厳の巻

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    薙刀振り回して本能寺で散った濃姫も大好きだったけど、順調に育ってきた茶々姫もすごいかっこいい。

    実父、実母、義父の仇の秀吉についに抱かれてしまった茶々姫。

    この後どういう風に描写されるのかわからないけど秀頼を産むのは執念としか言いようがない。


    ついに家康が秀吉のもとに参ずじ、戦国のフィクサー、堺商人たちも秀吉の権力に屈する者が出始め内部分裂を始める。


    天下のために秀吉に屈した家康。

    やっぱり一つ一つ無の境地へと進んでいく。


    先の話だけれども堺商人たちと家康がどんな国家を目指すのか、興味は尽きない。

    日本史上秀吉は最高の権力者だったのかもしれない。

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(15) 難波の夢の巻

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    主筋の織田家を自ら散々な目に合わせただけに、死を間近にした秀吉は性急に豊臣家を固め始める。

    しかし、時すでに遅し。できたことといえば跡目を秀頼に固定することだけ。

    豊臣政権内部の軋轢は強まり、朝鮮征伐は重くのしかかってくる。


    策謀をめぐらす五奉行は諸将に嫌われ、対立の芽は至る所に吹き荒れている。



    秀吉は退場し、秀忠はよく育った。


    この小説はまるで舞台のようにたくさんの人が出てきては消え、また出てくる。



    人生には足元を固める時期も必要。

    朝鮮や大明帝国とやり合わずに関白家を固めていれば歴史はずいぶん変わったろうに。

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(18) 関ケ原の巻

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    関ヶ原の合戦は家康の勝利に終わる。


    最後まで三成は人を小馬鹿にする奇妙な性格を止めなかった。


    見事と言えば見事。
    だが、未熟と言えば未熟。


    器量が無ければ地上の富を貸し与えてくれる何者かはすべてを奪ってしまう。



    大好きだった淀君はなんだか瀬名御前みたいになってきちゃってショックだった。



    厭離穢土・欣求浄土


    家康の目指す泰平がついに芽吹こうとしている。

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(23) 蕭風城の巻

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    大阪方の無能さはことあるごとに説明されていたので、開戦に至る過程も腑に落ちた。


    驚いたのは真田幸村の思想だった。

    家康と同じ虚無に立脚したうえに戦は無くならないものとして世界を理解している。


    今までの家康のライバルは泰平を目指すことでは一致していた。


    真田幸村は違う。
    戦争を人の営みの一部とし、利に転ばない。義で動かない。


    父親譲りの思想の完徹のために彼は矛を取る。


    物語終盤で本当のライバルが現れた。


    泰平を望むのが人なのか?
    戦争を望むのが人なのか?


    この二人の決着がそのままこの小説の答えだろう。

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    2010年05月23日