山岡荘八のレビュー一覧

  • 徳川家康(17) 軍荼利の巻
    家康が大坂城西の丸に移ってから関ヶ原の戦いに至るまで。直江状、大谷吉継と三成の友情、細川ガラシャの死、小山評定、伏見城玉砕などといったイベント。家康の神仏に賭けるという気迫が凄い。
  • 徳川家康(16) 日蝕月蝕の巻
    爪を噛む描写はこの巻から?
    秀吉の喪を秘したまま朝鮮からの撤兵をするにあたって、すでに生じている三成と家康の対立。豊家を守るためにいろいろと思案する北政所その他の人々、豊家と天下を一体として考える三成等の人々。家康の仕組んだ様々な婚姻、利家の死、七将による三成襲撃事件。
  • 徳川家康(15) 難波の夢の巻
    関白秀次のやさぐれ、自害と処刑、明からの使者と講和交渉の決裂、秀忠とお江の結婚、醍醐の花見、そして秀吉の死。
  • 徳川家康(14) 明星瞬くの巻
    利休と秀吉のお互い譲れぬ対立と利休の切腹。家康の江戸開発と天海との出会い。鶴松、大政所の死。朝鮮王との交渉と宗義智や小西行長の欺瞞と朝鮮出兵。茶々の再びの妊娠と出産。
  • 徳川家康(13) 侘茶の巻
    長松丸に愛を注ぐ朝日とその死。北野の大茶会。立正安国を封じる本阿弥光悦。小田原攻めと関東移封。利休と秀吉の対立。
  • 徳川家康(12) 華厳の巻
    朝日が輿入れし、それに会うという名目で大政所も岡崎へ下ってきたため家康もついに大坂へ。3万の軍勢を引き連れての上洛となった。対面は平和裡に終わり、秀吉は九州征伐へ。そこで切支丹に怖れを抱き、禁制へと動いていく。茶々は秀吉の側室となり、堺衆と秀吉とで思惑のずれが生じ、といった話も。
  • 徳川家康(11) 竜虎の巻
    於義丸が人質として大坂に赴き浅井三姉妹と出会い、佐治日向が朝日姫との離縁で自害し、一度目の上田攻めがあり、石川数正は出奔し、北条父子と会見し、朝日姫の輿入れがあり、といったところ。
  • 徳川慶喜(4)
    朝廷の命令で、同じ人間が朝敵と呼ばれる賊になったり、官軍と呼ばれる殺戮者となったりしたのでは、この世が収まるはずがない。

    そのことを憂いて、朝廷から武力を独立させたのが源頼朝。

    攘夷も倒幕も、現実の政治 - 覇道の行い。

    朝廷(天皇)は、その次元から一段高いところに位置づけられていたのに、その...続きを読む
  • 徳川家康(10) 無相門の巻
    賤ヶ岳の戦勝祝いに秀吉のもとへ使者を派遣するのに誰かという問題と石川数正の煩悶、織田信雄に頼られ小牧長久手の戦い、榊原康政や本多忠勝の活躍に池田恒興や森可成の戦死、戦後の秀吉との人質や大坂伺候などの駆け引きなど。
  • 徳川家康(9) 碧雲の巻
    清洲会議から賤ヶ岳の戦い、北庄城落城まで。この時期の家康といえば天正壬午の蘭だが、相当出番減ってる。山崎の戦い以降の秀吉の冴え渡った政治手腕が凄い。お市の心理描写やお松や茶々の冴えっぷりもちゃんと描かれている。
  • 徳川家康(8) 心火の巻
    家康が京、堺を見物し、光秀が饗応に当たり、これが秀吉の後詰を命ぜられ、本能寺の変を起こし、家康が伊賀越えで三河に帰り、安国寺恵瓊と秀吉の交渉、そして中国大返し、山崎の戦い。本能寺の変、光秀の短慮説はこう読むとあり得る。コミュニケーションエラーが生んだ悲劇と描いている。
  • 徳川家康(7) 颶風の巻
    長篠の戦い、信康の死、武田家滅亡と、かなり感情を揺さぶれる一冊だった。特に信康を処断する時の心の読み合いとか、謎かけとか心理戦とか、凄いな。登場人物一人一人の心理描写が微に入り細に入り。
  • 徳川家康(6) 燃える土の巻
    浅井家の滅亡から。大賀弥四郎事件について丁寧に描かれている。秀康出生時の話など、女性をめぐる話も多々。
  • 徳川家康(5) うず潮の巻
    上洛してから朝倉攻め、姉川の戦い、三方ヶ原の戦い、そして信康事件が起きる直前まで。姉川での徳川勢の奮戦、これは信長の家臣に成り下がったとかではなく、むしろ逆に徳川勢が侮れないことを示すためのものだった。築山御前の描写が本当かどうかは別にしてかなり丁寧。わがままいっぱいに育ちながら仇敵と結んだ夫に蔑ろ...続きを読む
  • 徳川家康(4) 葦かびの巻
    桶狭間後に岡崎に帰り、少しずつ今川家から離れていきつつ、織田家との和睦や三河一向一揆の鎮圧といったところ。結構この巻では女関係の問題に家康が悩まされている。
    瀬名の狂いっぷりが悍ましいのと、結婚したら女はっていうところに物凄く共感。
  • 徳川家康(3) 朝露の巻
    信秀の葬儀と平手政秀の諫死、駿府での人質生活、瀬名との馴れ初め、元服と初陣、大高城への兵糧搬入、秀吉の仕官、義元の戦死。
  • 徳川家康(2) 獅子の座の巻
    竹千代が今川に人質に送られるも途中で尾張に拉致され、織田信広との人質交換で駿府に行って、というところまで。織田信秀の死と葬儀もこの巻で、織田家中も丁寧に描かれている。
    広忠が情けなく歯痒いが、本人の苦悩もわかる気がする。華陽院も於大も相当過酷な人生を歩んでいる。
    あとがきで、この本を書き始めたきっか...続きを読む
  • 徳川慶喜(3)
    安静の大獄の前後の巻です。

    ここで考えさせられるのは、当時の幕府内には、

    日本をよりよくするためにはどうすべきか、という一念に、

    雑念として、権力闘争や保身という我執(井伊直弼)が入ってきたところに、政治的混乱が生まれ、それが朝廷も巻き込み出して解きほぐせぬところまで発展したと言えるところです...続きを読む
  • 徳川慶喜(2)
    一橋慶喜がどういう評価のもと、江戸城に入りつつ、14代将軍にならなかったのかの事情がわかります。また、安政の大獄前夜の、幕府内の動きもよく分かります。

    それから、尊王攘夷が表面的なものではなく、開国後の自国の精神的独立を維持するための高遠な考えに基づく政治的スタンスであったことが学べます。

    小学...続きを読む
  • 徳川慶喜(1)
    幕末の慶喜が将軍になる前の話。

    この時に、日本国内が、どういう精神状態であったのかがよく分かる1冊です。

    「天の人は、使命感によって動き、地の人は、自分の生活や地位のために動く。」

    こんなキーワードを中心に、一橋慶喜・徳川斉昭・藤田東湖・西郷隆盛あたりの動きが描かれています。

    そして、山岡荘...続きを読む