山岡荘八のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
●天地の営みに挫折はないのだ。挫折のない天地の心を、わが心として生きること。人は天地の心にそむかざれば栄うべし。
●天地を造ったものは神。神から天地、天地から祖先、祖先から両親、両親からわが身と伝わった体内には、神の霊気、天地の霊気がそのまま宿っている。言い換えれば、わが身は神の分身、末裔。それに至誠の限りを尽くしていけば、必ず神も感応しないはずはない。「天佑神助」「至誠通神」
●人間は一度死ななければ話にならぬ。 死線を越えることによって死の恐怖から解放されたものをさす。死の恐怖から解放されたものは、つねに正しいと信ずることを堂々と主張し実行できる。
類語:世の中に金も名誉も、生命も要らぬ奴 -
Posted by ブクログ
今年は卯年。「卯」は自らの肉を割いて神に捧げるという意味を持つ文字。インドのジャータカ神話(自らの身を火に投じて帝釈天に捧げたウサギ)とつながっています。・・・それには自我を滅して大いなるものに奉じる見識と胆力が必要。それにぴったりな「吉田松陰」。全身「肝」でできた人物になれるか。生き様が問われます。
●諸君、今日から、各自、何か一つだけ、必ず事を成して国に尽くす・・・その約束をして欲しいのだ。事の成る成らぬは問うべきではない。成功するものあり、敗れ去るものあり・・・それでよいのだ。一人一事その情熱の集積が、必ず国家の進展に役立つと思うのだ。
●世の人は よしあしことも言わば言え 賤が誠は -
Posted by ブクログ
全9巻。
坂の上の雲で、司馬遼がやたら陸軍バッシングしてたので。
ついにずっと読むの拒否してた昭和へ。
しばらく司馬遼が続いたので、
久しぶりの山岡先生ってワクワクして読んでみる。
が。
少しびっくり。
自分の知ってる山岡作品ではなく、
司馬遼タイプの先生が語る感じ。
ご本人が報道班員として従軍されていて、
まだ戦後から25年。
硫黄島が返還されて、まだ沖縄が返還されていない。
いつもの時代小説として書くには、
あまりにも身近な出来事だったんだと思う。
正直、いつもの山岡作品のような楽しみ方はできなかった。
が。
すごく考えさせられる。
だって歴史と呼ぶには近すぎる、
身近に体験者が