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Posted by ブクログ
【要約】
戦国を駆ける信長の強さは、敵味方の心理を読み解く緻密な洞察力と、時流を捉えて自発性を促す「捨身の見識と力」にある。相手を救う嘘や、あえて難題を課して部下を奮起させるなど、一見非情な合理性の裏には、驚くほど人間の機微への深い理解が隠されている。
【感想】
以前は信長を単なる冷酷な天才と思っていたが、本作の、相手の立場を徹底的に考え抜いた上での人心掌握術に深く感銘を受けた。勝って誇らず敗れて乱れず、強い理性で意地を貫く登場人物たちの生き様から、日本人としての心の機微が痛烈に伝わってきた。
【アクション】
相手の真意や感情を事前に深く洞察し、状況に応じて自発的な行動を促すアプローチを意識していきたい。上に立つ時ほど世間からの見え方を意識し、誠意と思いやりのある対話を積み重ねる。
Posted by ブクログ
最初から最後までわかり易く、読みやすい。
史実に基づいているだろうけれど、史料の少ない時代。作者の想像力で埋めていくしかない部分の個性の描き方、選ぶ言葉のセンス、解釈の仕方などが魅力的です。
特に濃姫は婚礼後のことが記されている史料がないにも関わらず、鋭敏で機知に富み、気性の荒い信長を支えた芯の強い一筋縄ではいかない女性が艶っぽく描かれています。
天下を手中に治めるまであと少しだった信長の最期は悲哀に満ちています。濃姫を最後、そう描いてくれてよかったな・・・。猜疑心を増幅させていく明智光秀の心理描写は痛々しく、哀しく、つらかったです。
終わり方も見事でした。
信長は英雄だなとあらためて思いました。光秀が裏切らなければ信長は・・・とやはり考えてしまいます。
Posted by ブクログ
五巻まとめて、おもしろかった。しかしおもしろすぎて、これを読んだのは間違いだったかもしれない。もっと後のほうで読めばよかった気がする。
いま読んでいる別の作品はそれはそれで別のおもしろさがあるんだけれども、この作品の武将それぞれの生き様を掘り下げるところが好みにぴったりきてしまったので、あっさりと「○○を斬った」とかで済んでしまうのが、あ、ああー、山岡荘八のだともっとこうだったのにー、となって、もったいない気持ちになる。
信長が魅力的なのは言うまでもないので、他のことを。
普段は穏やかで物静かな家康の、三方ヶ原の戦いで見せる激情がよかった。金ヶ崎の退き口では信長を冷静に諌めていたのに、自分が総大将として危機に陥るとああなるのか、と思った。でも家康は若いのに随分落ち着いてるなあと思っていたので、若さなりの血潮が見えた感じでよかった。
池宮彰一郎「本能寺」では影のうすかった濃姫が、この作品では嫁ぐ前の道三との会話からラストまで魅力的だった。五十近くなっても若い外見の濃姫が「濃はまだ二十代だから」と澄ましてるのがかわいいし、愛情込めて「バケモノ」と呼ぶ信長もかわいい。いい夫婦っぷり。
本能寺の変での濃姫と蘭丸にはぐっときた。終盤の光秀も、もうちょっとこう、何かひとつでも違ってれば未来が変わってたんだろうなあ、という感じで、なんともやりきれなくていい。
ところで与一郎がもっと出てくると何の根拠もなく思ってたんだけど、読み終わってみれば細川父子は意外と出番少なかったですね。
Posted by ブクログ
まず、小説としての感想。
中盤から最後にかけてのクライマックス感が半端ない!!
読書でこんなにも引き込まれたのは、初めての経験です!!
さて、本題。
僕はコレを読むまで『本能寺の変』とは、
天下を取る目前まで来た信長が増長し傍若無人になったので、
明智光秀がそれを止める為に討ったのだと思ってました。
でも、まるで反対でした。
光秀自身の『信長への恐怖と疑念』が、自らを盲目にさせた挙げ句の愚行でした。
家康と肩を並べれるほど優秀な武将であったはずの光秀。
人の精神力とは本当に大事な物だと思いました。
クライマックスで印象に残ったシーン。
光秀が謀叛を起こした事を知った信長は、鼻で笑いながら言います。
「光秀か。光秀ならどうにもならぬわ。あやつが起こした謀叛なら手落ちはあるまい。たわけめ。」
こんな時でも信長は光秀の優秀さを認め、自分が討ち取られるであろう事をハッキリと宣言しています。
そして、この光秀の愚行と、
それに気付かなかった自分に叱咤をしている。
そして、もう一つ。
本能寺に居る女子供を逃がす為に言った言葉。
「早く寺内から出て落ちよ(降伏せよ)と申すのだ!!光秀は女子供は斬らぬ奴だ!!急げ!!」
ここでも自分に対して謀叛を働いている光秀の人間性を評価し、
それを計算した上で侍女達の生命を救う機会を待っていた。
どこまでも冷静な信長が凄いと思いました。
そして、何より
『とてつもない優しさを持っていた人物』
なのだと知れた事が凄く嬉しかった。
良い本に出会えたと思いました♪
Posted by ブクログ
人間(じんかん)の誤解とはなんと恐ろしいものでしょうか―。
信長は戦乱の世の申し子で、光秀は平時の武将であったと思います。光秀は信長の世を治めようとする深い意図に気付きえず信長の不興を買ってしまい、疑心暗鬼に陥ってしまったのです。
もちろん信長にも原因はありますが、「光秀が信長の残虐行為を無視しかねて謀反した」という説は適当でないと思います。それは平時での考えであり、血で血を洗う戦国時代を早く終わらせ平和な時代を迎えるには信長の策こそ正しかったのではないでしょうか。
疑心暗鬼に取り付かれ、あれほど失態を重ねた光秀が謀反の段取りでは完璧を期した、というのも皮肉なものです。
全五巻、信長の波乱に満ちた生涯を追ってきました。彼の生から学ぶものは多いと思います。お勧めです。
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小説・文芸
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