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Posted by ブクログ
前巻までは信長の透徹した戦略眼に人間観察力、電光石火の処断など信長の人間離れした無双ぶりが前面に打ち出されていたが、この巻からは家臣を活かす信長が見られる。滝川一益の謀略による蟹江城と桑名城乗っ取り、藤吉郎の有名な墨俣の一夜城がそれにより実現する。周辺国の要所を抑え、美濃を虎視眈々と狙う信長の下に竹中重治による稲葉山城乗っ取りの報が届く。驚喜した信長は美濃領の半分を譲渡することを条件に城の明け渡しを求めるが、重治からは拒否される。だが信長は使者の藤吉郎を責めることなく、逆に美濃をいつでも獲れることを確信するのである。
永禄4年(1561年)の斎藤義龍急死の真相から、元亀元年(1570年)の金ヶ崎の戦いまでを物語っている。この間、悲願の美濃の獲得があり、明智光秀と細川藤孝が将軍足利義昭を伴って美濃入りしたことで、ついに上洛を決意。信長の天下布武が始まる。
この小説を面白くしているのは信長の個性である。本心をうちに隠した武将が腹芸を演じるのを、信長は遠慮容赦なく暴き立てる。形式や虚礼を忌避し、あけすけに己を晒す。のべつ無理難題を押しつけ、俗識を嘲笑する。人の虚をついて心理をかき乱し、本音を引き出す。これは単なるへそ曲がりではなく、巧みな人心操縦術が潜んでいる。
Posted by ブクログ
これまた痛快な巻。
美濃攻め、近江蹂躙、近畿制圧。
前半は木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)の活躍が目覚ましい。
中盤から明智光秀が信長の下で働き出すけど、
僕が知っている光秀のイメージとは、全く違う人物に描かれている。
僕のイメージとは違うまま終わるのか?
それとも、これから変わっていくのか?
そこらへんも楽しみ。
とにかく副題の『侵略怒涛の巻』の通り、
どんどんと攻め落として行く織田軍。
広く視野を持ち、決して自分の都合の良い計算をしない。
いろいろな思想を汲み取り、
瞬時に判断し、電光石火のごとく行動を起こす。
大事だと思った。
意外だったのは、
京に上洛した信長が、民から支持されていた事。
己の名誉に全く欲の無かった信長だからこその行動がそれを得た。
織田信長がこんなにも『平和』を目指していた人物だと言うのは、
世間一般的には知られてないと思った。
また少し、信長殿に惹かれました!!
Posted by ブクログ
とうとう信長は今日に上洛。天下統一への道を確実に進んで行く。
木下藤吉郎が才気煥発なところが目立ち、明智光秀は登場から信長とのすれ違いを見せていく。作者の本能寺への布石だろうか。信長を描くときは、ここが肝心な点のように思える。
それまでの常識を破って新しい世界を打ちたてようとする天才。その周りの部下たちがいかにそれについて行くか。ついていけないのか。。。現代のビジネスに置き換えて考えると、信長は能力ある人間の登用はよくやっているようでいて、人心を把握しきれていなかったとも言える。山岡の描く信長は、言葉の足りなさが天才性とともにその孤独さを現している。
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小説・文芸
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