山岡荘八のレビュー一覧
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最初から最後までわかり易く、読みやすい。
史実に基づいているだろうけれど、史料の少ない時代。作者の想像力で埋めていくしかない部分の個性の描き方、選ぶ言葉のセンス、解釈の仕方などが魅力的です。
特に濃姫は婚礼後のことが記されている史料がないにも関わらず、鋭敏で機知に富み、気性の荒い信長を支えた芯の強い一筋縄ではいかない女性が艶っぽく描かれています。
天下を手中に治めるまであと少しだった信長の最期は悲哀に満ちています。濃姫を最後、そう描いてくれてよかったな・・・。猜疑心を増幅させていく明智光秀の心理描写は痛々しく、哀しく、つらかったです。
終わり方も見事でした。
信長は英雄だなとあらためて思いまし -
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購入済み
良い
以前より読みたいと思っていましたが
紙文庫の物理量が災い
手を出しませんでしたが
近年気に入った4インチの
アンドロイドタブレットを
手に入れ物理量を気にせず
長編小説を楽しむことができるように
なりました
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Posted by ブクログ
大権現様の重き荷を負いた遠き道が終わる26巻。
仕事で苦しい立場に立たされていた時期に、
家康公の堪忍を学ぶために読もうと決意し、
三年半かけて読んできたが、ついに終わってしまった。
家康公のように我慢強くなれたとは思えないが、
じっくりと味わいながら楽しんで読めたと思う。
最晩年で年老いてもなお、
天下泰平のために働き続ける大権現様。
伊達政宗の叛心を抑えこみ、
配下を騒乱を防げるように封建し、
後継者の長幼の列を明確にし、
宗教と学問で民心の安定を計り、
周囲の人々には遺言を残す。
鯛の天ぷらを食べようとする場面では、
思わず本に向かってお止めしたくなったが、
これまでになく楽しそう -
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レイテ島での戦いでの敗北で、フィリピンを失うことが確実になった日本軍。ルソン島での極限の闘い、そしてマニラ市街戦の悲劇。また、フィリピンの闘いでは、初めて神風特攻隊が出撃する。
山岡荘八は従軍記者として関わった立場もあり、日本軍が一方的に犯罪者扱いされる戦後の意見に反対し、日本の行動にも理があったという主張を繰り返します。本巻では、陸軍の山下大将の将としての兵や市民に対する気遣いの細やかさ、責任感の強さを指摘し、マニラ市街戦を避けられなかったのは、彼の一方的な責任ではないといいます。
フィリピンに住みながら読むこの巻は、身近な地名も多く登場することもあって、読後に強い印象を残しました。現在 -
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五巻まとめて、おもしろかった。しかしおもしろすぎて、これを読んだのは間違いだったかもしれない。もっと後のほうで読めばよかった気がする。
いま読んでいる別の作品はそれはそれで別のおもしろさがあるんだけれども、この作品の武将それぞれの生き様を掘り下げるところが好みにぴったりきてしまったので、あっさりと「○○を斬った」とかで済んでしまうのが、あ、ああー、山岡荘八のだともっとこうだったのにー、となって、もったいない気持ちになる。
信長が魅力的なのは言うまでもないので、他のことを。
普段は穏やかで物静かな家康の、三方ヶ原の戦いで見せる激情がよかった。金ヶ崎の退き口では信長を冷静に諌めていたのに、自分が -
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帰らじと思いさだめし旅なれば
ひとしお濡るる涙松かな
日本の国のため、命懸けで純粋に生きた、吉田松陰。
その最後も、ぶれることなく、ただただ純粋に、国のことを訴えて、死罪となりました。
無駄死にと思えるかもしれませんが、この松陰の死が、弟子たちに火を点け、幕末の長州の活躍を招いていったのです。
バカ正直とも思える程の純粋な、大和魂。
読みながら、涙しました。
弟子の品川弥二郎に贈った言葉。
「弥二か、勉強せよ。お前をこの世に遣わしたのは神仏じゃ。そう思って、決してわが身を粗末にするな。・・・どんな困難な立場に立とうと、各自の役目を忘れずにつとめてくれよ」
自分に言われているよ -