山岡荘八のレビュー一覧
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安静の大獄の前後の巻です。
ここで考えさせられるのは、当時の幕府内には、
日本をよりよくするためにはどうすべきか、という一念に、
雑念として、権力闘争や保身という我執(井伊直弼)が入ってきたところに、政治的混乱が生まれ、それが朝廷も巻き込み出して解きほぐせぬところまで発展したと言えるところです。
これに、慶喜は、謹慎中の法華経の写経を通じて、自然の軌道とか、天道とかいう概念と現実を対比させて、日本の先を考えていた、という内容なのですが、
それは、今日の日本にも誠に当てはまることだし、一個人や、企業などでもすべて当てはまることであろう、ということだと思われます。
そうした気づきを与え -
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Posted by ブクログ
吉田松陰の後半の半生記。
吉田松陰の尊皇攘夷は生半可なものではない。その後の日本を大きく突き動かす原動力になるこの考え方は現代でも学ぶ価値が大いにあるように感じます。
ただ単に外国人を倒し、天皇にお仕えするだけでは本当の意味での尊皇攘夷ではありません。
“日本の日本たる所以は、一君万民の理想顕現の中にしかない。この理想がなければ、日本人はただの東海の一列島の土民に過ぎないのではないか。”
※本著より引用
日本人が日本人たる為に、その時代には尊皇攘夷が必要でした。グローバル化した現代、日本人が日本人たる所以はどこにあるのか、日本という国の存在意義はなんなのだろうか。そんなことを考えさせら