山岡荘八のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この年齢になったからこそ味わえる小説。
身を捨ててこそ、浮かぶ背もあれ。
無刀取りの極意、戦わずして勝つために。
P41
人間本来の姿は無心。敵意は利害の念の生じたとこrにさsh8いhかけてゆく陰、この陰を取り除いて無心に返すのが新陰流のめざすところ。
P73
一方が死に一方が勝つ。さなくば双方が傷つき倒れる。
まことの武は、その文字の作りを見ても戈を止めると書かれている。せめて素手で白刃を取ってやれたら、取られた方も取った方も無事ですもう。
双方無事、これがぶどうのめざす境地となれば、兵法家も当然その工夫に苦心を積まねばならぬ
P191
常に正しいものには好意を感じ、不正なものには嫌悪 -
購入済み
毀誉褒貶の極致の主人公だが
源頼朝ほど毀誉褒貶が激しい評価を受ける日本の政治家もおるまい。しかるに山岡氏は犀利な分析によりさび付いた源頼朝像を打ち砕いているかのように見える?
-
Posted by ブクログ
ネタバレ幼少期に父を亡くし、命を狙う家臣から見を守るため分家、兄が亡くなった折にはその嫡子、幸若丸を後見する立場となるが、その子も幼くして夭逝してしまう。
百万一心を掲げて家臣団の結束を強め、戦国の非道の中、理想を心に秘め日頃から思慮を尽くして生き抜いていく姿。
戦国の初期にこうした人物が出たことが、驚き。早くに両親と離れている上に、戦経験も無く初陣で華麗な勝利をおさめ、且つ理想やあるべき姿勢を見失わない。
大内義興や尼子経久といった強者には、こうした跡継ぎは生まれなかった。時代の流れ、また子孫の出来不出来とお家の繁栄が、この時代を形作っている。毛利家もまた、今後三本の矢がそれぞれどのような道を辿る