山岡荘八のレビュー一覧

  • 織田信長(1) 無門三略の巻
    織田信長の元服前から尾張国内の統一までを描く。
    様々な物語の題材にされる信長だが、尾張国内での織田家同士での話は省かれがちのため、興味深く読めた。
    とにかく、信長や濃姫とキャラクターが際立っている。山岡荘八はそれこそ60年ほど前の作家だが、今読んでも色褪せないキャラクターの良さがある。
  • 織田信長(2) 桶狭間の巻
    桶狭間から斎藤龍興の死没まで。
    桶狭間直前の、絶望的な戦力差に懊悩する信長が吹っ切れるまでの展開も気持ちがよく、少年漫画のような楽しさがある。
    美濃の刺客を手玉に取る京への旅行も面白い。
    秀吉も堺商人相手に鉄砲確保のために奔走。太閤立志伝を思い出すな。
  • 織田信長(3) 侵略怒涛の巻
    かの有名な墨俣一夜城の話から、竹中半兵衛の城取り、斎藤家の滅亡へ。蜂須賀小六など有名武将がどんどん加わり、やはりどれも魅力ある好漢として描かれていて面白い。
    信長の快進撃と次々出てくる登場人物に魅力があるのがこの小説の面白さだ。
  • 徳川家康(19) 泰平胎動の巻
    今まで当たり前のように思っていたのですが、今更ながら、家康はなぜ幕府を開こうとしたのか、ということがよく分かりました。。関ヶ原以降の大坂城内の風紀の乱れと人物のなさ。片桐且元も、頭はよくても考えるだけで、何もせず。大野治長に至っては全くの奸物。あの賢かった茶々は色狂いと宴会好き。これは、滅ぶべくして...続きを読む
  • 徳川家康(18) 関ケ原の巻
    この巻は関ヶ原の戦い。戦いの様子が克明に描かれていて、読んでいて楽しかったです。ちょっとずれるところでは、秀忠の関ヶ原への遅参は家康の計算で、徳川本隊を温存するため、わざと先に開戦したものだったとか。歴史は、いろんな解釈はあって当然ですが、さすがにちょっと家康を美化しすぎているかなぁと、この巻でも、...続きを読む
  • 徳川家康(17) 軍荼利の巻
    この巻は関ケ原前夜。結局、淀君は本当に三成を応援していたのか家康を応援していたのかがよく分からないところ。またさらに分からないのは、なぜ三成は、こんなに家康を敵視していたのか、三成がここまであかんやつじゃなかったら、たぶん豊臣家は滅んでなかったんやろうなあと、思いました。そしてこの巻のハイライトは、...続きを読む
  • 徳川家康(3) 朝露の巻
    元信の初恋が書かれる。その後、鶴姫(瀬名姫、今川義元の姪)と結婚へ。
    墓参で岡崎への帰郷を許される。

    後半は木下藤吉郎が登場、前田利家が訳ある逐電。最後は織田信長が桶狭間で今川義元を打ち取るまで。

    前半は青洲物語風、後半は生き詰まるような流れで、おもしろかった。
  • 徳川家康(2) 獅子の座の巻
    第2巻め。

    竹千代は、今川の人質として駿府に行くまで。
    後半は信長が父の葬式で焼香を投げつけるところまで。

    信長の話がちょっと面白かった。先は長い。
  • 徳川家康(16) 日蝕月蝕の巻
    どこまでも小賢しい三成。中途半端に賢い淀君。他の小説だったら家康は本当に狸ジジイなのに、この小説では三成の方が早くいなくなってほしいと思ってしまいます。誰を主人公にするかでこんなに違うのかぁと変に感心した巻でした。
  • 徳川家康(15) 難波の夢の巻
    ますます老いる秀吉。まさに晩節を汚すというところ。それを汚させたのは間違いなく三成。前半は秀頼誕生と関白秀次の扱い。思っていたのと違った。もっと秀次を排斥しようとしてたと思ってました。家康もあくまで日本のために秀吉を支えるといういい人物に描かれていて、これがまた、三成と対照的。書く人によって全然違う...続きを読む
  • 徳川家康(1) 出生乱離の巻
    父方の松平家と、母方の水野家を中心とした話。竹千代は生まれたあたりまでで、本人はまだほとんど登場せず。

    話はけっこう面白いのだが、進み方が遅いので、全26巻、そもそもどこまで読み続けられるか、どれくらいかかるか、お楽しみ。
  • 徳川家康(10) 無相門の巻
    この巻は小牧長久手の戦い。戦いに至るまでの経緯が詳しくて、信雄の無能ぶりが目につきました。前の巻辺りから感じましたが、流石に家康を主人公にしている作品だけに、ここまで読んで感じたのは、秀吉をどちらかと言うと悪者とまではいいませんが、好意的には書かれていないところ。この辺りは司馬遼太郎作品や、池波さん...続きを読む
  • 徳川家康(8) 心火の巻
    この巻は何と言っても本能寺。光秀謀叛に至るまでの経緯が、信長に左遷されるという光秀の勘違いとして、この本では書かれていたのが新鮮でした。また、本能寺の戦いでは、信長視点ではなく、濃姫の視点で描かれていたのもすごく良かったです。そして中国大返しの秀吉が恵瓊を説得して清水宗治を切腹させるよう説得する場面...続きを読む
  • 徳川家康(3) 朝露の巻
    全26巻ある山岡荘八徳川家康ですが、3巻目にして桶狭間まで完了。ということは家康の人生の最初の1/4は2~3巻の2巻で語られることに。まあ家康の人生はどう見たって独立してから、大きくなってからが面白いので、これで良いのかもしれません。にしても木下藤吉郎、こんな真面目なのか不真面目なのか判らない人を面...続きを読む
  • 徳川家康(7) 颶風の巻
    矜持。信康切腹の信長からの命令も、人の指図は受けぬとして、命を受ける前に自ら切腹させる家康の矜持。すごいの一言。しかし信康が、こんな性格の悪い奴だったとは、この小説で初めて知りました。でも最後は可哀想。それをいえば、勝頼も可哀想。ほんと戦国時代って残酷な時代と改めて感じさせられました。そして信長。天...続きを読む
  • 徳川家康(6) 燃える土の巻
    この巻では、歴史上のいわゆる敗者となる者が印象的でした。まずは長政。そして、偉大な父に負けないようにと気負うものの、空回りを続ける勝頼。そしてもう一人は信康。尾張からきた信長の娘の徳姫に付いてきた小侍従を斬り殺してしまい、その報告を聞く信長は不気味。いよいよ信康の終わりの始まり。信康のことを思って進...続きを読む
  • 徳川家康(5) うず潮の巻
    この巻は冒頭から見どころたっぷり!まずは金ヶ崎撤退戦。そして次に姉川の戦い。その中にあって信長に一歩も引かない家康の武将としての気概に、すごいなあと感じさせられました。そら後世の三成ではこの家康には勝てません。そしてあの三方原の戦い。家康が若い!遮二無二打って出ようとする姿は後世のタヌキジジイとはま...続きを読む
  • 徳川家康(4) 葦かびの巻
    桶狭間のどさくさで遂に岡崎に帰城した元康。今川から、駿府に戻るようにとの催促をする使者とのやりとりで、これをかわす手練は、もう後の狸ジジイぶりを彷彿とさせるもの。ここまで読んできて、この本はあまり戦いや政治的な話は少なめで、どちらかといえば、男女の話がメイン。家康パートは、本当だっだら、もっと一向一...続きを読む
  • 徳川家康(3) 朝露の巻
    この巻は人の入れ替わりが激しい印象。太原雪斎が死に、竹千代の祖母も死に、一方で、後の秀吉が針売りとして登場。太原雪斎って、ゲーム『信長の野望』で、めちゃくちゃ能力が高いくらいしか知らなかったのですが、この小説では比較的詳しく書かれていて、これを読む限りではすごい人です。一方信長は、桶狭間の戦い以前の...続きを読む
  • 徳川家康(2) 獅子の座の巻
    松平家に忠義を立てる松平家の家臣たち。後の徳川家の結束の強さは既にこの頃から健在。一方の広忠はクズ度が高まるばかり。織田家といえば、だいたいが桶狭間の戦以降しかあまり知りませんが、平手政秀など、信長の守役くらいにしか知らなかった武将のほか、あの今川家の名将太原雪斎など、ここにはギッシリとそれ以前の織...続きを読む