メモ
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周布政之助が、高杉晋作に宛てた言葉。
「つねに大局を見るの明も必要ながら、その局面、局面の狙いが何であるかを鋭く洞察してゆく洞察力も、大事をなすには欠くべからざるものなのだ。」
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水戸の加藤有鄰が高杉晋作に宛てた言葉
「新しい世を開くほどのものは、第一に詩人でなければなりません。」
「第二に、無頼でござるぞ」
「第三に、新しい世を開くほどの人物は、至誠の人でなければならぬ。おわかりかな」
続けて
「人間は心の中に、八、九分までの無頼の賊を棲まわせている。したがって無頼を咎める立場に立つと、人間の八、九分までを敵に廻さなければならなくなる。無頼を無頼のまま抱きとって時勢の大河に流してやる…その力と愛情の出所がつまりは至誠なのじゃ」
「古来、偉人英雄と言われるほどの者は、みなこの無頼さと至誠の花で支えてきた人々じゃ。至誠の支えがあると奇行はそのまま奇略と化し、失敗はそのまま人気のもとともなる。ところが、至誠の花が添えてなければ無頼はただの道徳破壊、これでははた迷惑、近所迷惑じゃ」
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趙州の佐久間象間が高杉に宛てた言葉
「人間などは、明日ありと思うが間違い。まして、君のような倣岸な男は何時誰に斬られるかわかるまい。要は百年の計を胸に描いて、今日一日を如何にそれに適合した生き方で生かしきってゆくかにかかっている。」
高杉晋作
「これは陽明学の訓えであると同時に松陰先生の精神だ。先生は蜜柑畠の草むしりや、屋根ふきや、米搗きの間に学問をさせたじゃないか。机上の空論は力にはならん。ほんとうの勉学はそのボロ船で渡っていって、未知のところで苦労してみることにあるのだ。」
アメリカの選挙制について
バカな人間も賢い人間も入札の場合の権利は同じ一票といいことに納得できない晋作
晋作
「バカな人間の多い時にはバカな大統領が出てくるのでは?」
チャールス
「そんなことはない。個々には愚かに見えても、その総意は決して無視出来ない。人間はすべて神によって作られた平等なものなのだ」
晋作
「おれはそうは思わん。人間は神によって、それぞれの能力差をつけられて生まれてきた不平等なものなのだ。その不平等なものに、それぞれ平等な幸福感を与えてゆく、これが名君と言われるものの政治だろう。だいいち神様が平等に生んでくれたのなら、そのまま放っておくのがいちばんよい政治ということになるではないか」
チャールス
「それは、もう古い考え方だ。神は常に平等なのだ。それなのに、人間はさまざまな階級や貧富の差をつけて、いかにも不平等な社会に歪めてしまっている」
晋作
「ぜんぜん納得できない。人間は生まれながらにして能力の差をつけられている。この差が神仏のご意志なのだ。ただ能力の差はあっても、ひとしく仏性を持っているという或る一点だけで平等なのだ。」
「この一点だけを見て、人間が能力においても平等だなどと考えるのはまちがいである。
したがって、国中にバカ者が多い時には、必ずバカな大統領が出てくるに違いない。」
チャールス
「いや、そのおそれは全くない。人間は自分が愚かであればあるほど、賢いものに憧れる習性も持っている。」
晋作
「いよいよ否である。愚かな人間に賢愚の差がどうしてわかるか。したがって、バカな民衆の人気取りのうまいものが、あるいは偽善家、詐欺師の親玉などが選び出されてくるであろう。」
晋作
「物事に躓きは付き物だ。ただ躓いたからと言って落胆せぬこと。直ちに次の策を立てて進むばかりだ。」
晋作
こうした奇矯な晋作の行為を、子供のようだと思う人があるかもしれない。しかし、これが晋作の真面目なのだ。
誰もやれないものと思い込んでいるところに道をつけて見せてやる。道をつけられると、初めて人々は自分たちが、意味もない習慣に金縛りになっていたことに気付いていくのだ。
晋作
松陰先生が外国の軍艦に乗りこもうとしたのは、失敗しても世の中の一大警鐘になるであろうと計算されていたのだ
事の成否よりも、打鳴らす警鐘に意義があったのだ。