山岡荘八のレビュー一覧

  • 徳川家康(19) 泰平胎動の巻

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    伝通院の死と家光の誕生が印象的な泰平の幕開け。


    あんなに大好きだった勝ち気な茶々姫は秀頼への偏愛と肉親を戦で失い過ぎたがゆえの虚無感から、ただの妄執に捕らわれた女に成り下がってしまった。


    この小説でフィクサー的扱いをされている堺商人たちは大物たちの死により力を失っていく。



    家康は時を築くという発見をした。泰平の永続を考えたのは家康が始めてのようだ。


    信玄、信長、秀吉と強力なライバルたちも天下取り以降の目標を作れなかった。


    家康が抜きん出たということだろう。



    一巻で苦労続きの可哀想な小娘に過ぎなかった於大が高台院として天寿を全うするのは感動的だった。

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(20) 江戸・大坂の巻

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    大久保長安大活躍の巻。

    武辺者たちがだんだんと姿を消し、泰平向きの連中がたくさん登場する。

    家康の人格はほぼ完成し、天海は人間的な悟りではなく政治向きの話をする。


    大阪勢の崩壊ぶりは手が着けられないことになっている。



    家康の名文句もここで登場する。


    最初から読まないと分からない感動がある。

    あの苦労人の家康がついに天下を盤石のものにする。


    秀吉在世中の天下争いに敗れた家康だが、秀吉の寿命内に将軍職を退き、男比べには勝利した格好となった。


    淀君の人格破綻がハンパない。瀬名御前もひどかったけどそれ以上だ。

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(21) 春雷遠雷の巻

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    国家統一が達成されたからか話題の半分が外交と貿易の巻。


    才気走ってる大久保長安は危険な夢を追い続けている。


    家康がまた一歩成長する。

    我執→無→相対→我執と循環構造を成すに至った。私の欲望を天下自然のことと理解する。神仏からの預かりものが人生だという解釈から我執を肯定することが出来たのだろう。これ以上の成長は循環構造を超えることになる。家康と共に成長してきたであろう山岡荘八がこれ以上の答えを出せるのか見ものだ。




    淀君がなぜかここに来て改心の兆しを見せる。豊臣家との争いがどう勃発するのかも興味深い。



    作中時間で六年後に家康が死ぬ。

    七十年近くを追ってきたがあ

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(22) 百雷落つるの巻

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    泰平の策謀家大久保長安が死ぬ。


    妄想が発端となって乱の風が吹き始める。


    家康の心もまた崩れはじめる。


    於こうの幽霊が出るくだりが好きだった。


    淀君の暴走が常に秀頼を失わないためにあることがやっと解った。悲しい。


    泰平の策謀はせいぜい金持ちになってやろうぐらいのもんなのに戦国に生きてきた人々は大それたものに感じてしまうんだなぁ。



    なにか現在の闘争も妄想が多分に関係していると思った。




    四方に枝を伸ばすからこそ大樹らしく、何か偏った人間はろくなことにならないのがこの小説の特徴。



    人間に正邪は無いとする家康の人間観が披露される。

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(3) 朝露の巻

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    織田信長の守役の平手政秀が自害してから桶狭間まで。
    竹千代が元服して成長するまでの部分が描かれている。
    これぞ、ノーブレスオブリージュ。

    桶狭間の部分の描写は少ないが、そこでは主役でないし、あっという間を表現する文章量なんだろう。

    余談だが、Wikipediaで徳川家康を読んでしまい、本当はあとで知るべきことを知ってしまった。なるべくそういう情報は入れないようにしよう。

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    2010年05月20日
  • 徳川家康(2) 獅子の座の巻

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    2巻でもまだ家康は出てこなくて、父広忠や信長の話が中心。器量があまり大きくないことを自覚した苦悩や周りへの影響が描写されていく。「徳川家康」はリーダーシップの本だという人もいるが、この巻からもよく伝わる。

    3巻が楽しみだなー

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    2010年05月13日
  • 徳川家康(1) 出生乱離の巻

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    今年はこの本にチャレンジ。ちなみに1巻読み終わったけど、竹千代(のちの家康)はまだうまれたばかりで、両親の話が中心。これは読み応えがありそうだ。

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    2010年04月21日
  • 織田信長(1) 無門三略の巻

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    幼少期の話がなく、濃姫と婚姻するところから始まったので、少し残念でした。
    歴史小説の割に、とても読みやすく、どんどんはまっていきました。

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    2010年03月11日
  • 徳川家康(7) 颶風の巻

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    徳川家康の生涯を描いた本。 
    7巻は長篠の戦いが済んだ後に襲う、信長の家康妻子への疑惑、そして妻子切腹、斬首の頃の話。

    今川家の人質から解放され、岡崎に戻ってから妻の築山殿と別居の続く家康。
    外から見る限り、家康は築山殿を嫌っていた風にしか見えないが、この本では、最後の最後までできる限り築山殿を守ろうという家康の姿が描かれている。
    ざっとした知識しかない人間が読めば新しい視点の家康が見えてきて、こういう面もあったのかと新鮮に映る。

    信長への体面でどうしても思った通りに事を通すことのできない家康。
    家のことを思って、家康の言葉通りに行動していく家臣。
    言ったことの、その言葉の奥を知れと無言の

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    2010年01月02日
  • 徳川家康(13) 侘茶の巻

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    2009年12月22日、読み始めました。朝日姫・・・しみじみと、切ない方です。
    2010年1月2日、読み終わりました。家康もいよいよ天下統一! 利休と秀吉の対立も気になります。

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    2010年01月02日
  • 徳川家康(12) 華厳の巻

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    2009年12月4日、今読んでます。最終巻までまだ先は長い・・・。
    2009年12月31日、読み終わりました。

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    2010年01月01日
  • 柳生宗矩(4) 散る花咲く花の巻

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    全巻通読後のレビューです。

    兵法師範の柳生石舟斎(こちらも講談社から文庫化)を父に持ち、柳生新陰流を確立した人物。

    徳川3代に仕え、秀忠、家光の治世には兵法のみならず、政治面でも将軍に様々なアドバイスをおくった。

    江戸幕府の土台作りに尽力し、立派な名君を作り上げたにもかかわらず、その禄はわずか1万2500石であった。

    というのも、宗矩が固辞して、これだけしか受けなかったからである。さらに死去の際にこれも返上を申し出ている。

    ここに柳生新陰流の真髄が見える!
    厳しい修行の上に作り上げられたしっかりとした人生観は、我々にも参考になる。

    余談だが、秀吉時代から家光の治世まで

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    2009年11月01日
  • 柳生宗矩(3) 人間曼陀羅の巻

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    全巻通読後のレビューです。

    兵法師範の柳生石舟斎(こちらも講談社から文庫化)を父に持ち、柳生新陰流を確立した人物。

    徳川3代に仕え、秀忠、家光の治世には兵法のみならず、政治面でも将軍に様々なアドバイスをおくった。

    江戸幕府の土台作りに尽力し、立派な名君を作り上げたにもかかわらず、その禄はわずか1万2500石であった。

    というのも、宗矩が固辞して、これだけしか受けなかったからである。さらに死去の際にこれも返上を申し出ている。

    ここに柳生新陰流の真髄が見える!
    厳しい修行の上に作り上げられたしっかりとした人生観は、我々にも参考になる。

    余談だが、秀吉時代から家光の治世まで

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    2009年11月01日
  • 柳生宗矩(2) 柳生の桃の巻

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    全巻通読後のレビューです。

    兵法師範の柳生石舟斎(こちらも講談社から文庫化)を父に持ち、柳生新陰流を確立した人物。

    徳川3代に仕え、秀忠、家光の治世には兵法のみならず、政治面でも将軍に様々なアドバイスをおくった。

    江戸幕府の土台作りに尽力し、立派な名君を作り上げたにもかかわらず、その禄はわずか1万2500石であった。

    というのも、宗矩が固辞して、これだけしか受けなかったからである。さらに死去の際にこれも返上を申し出ている。

    ここに柳生新陰流の真髄が見える!
    厳しい修行の上に作り上げられたしっかりとした人生観は、我々にも参考になる。

    余談だが、秀吉時代から家光の治世まで

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    2009年11月01日
  • 柳生宗矩(1) 鷹と蛙の巻

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    全巻通読後のレビューです。

    兵法師範の柳生石舟斎(こちらも講談社から文庫化)を父に持ち、柳生新陰流を確立した人物。

    徳川3代に仕え、秀忠、家光の治世には兵法のみならず、政治面でも将軍に様々なアドバイスをおくった。

    江戸幕府の土台作りに尽力し、立派な名君を作り上げたにもかかわらず、その禄はわずか1万2500石であった。

    というのも、宗矩が固辞して、これだけしか受けなかったからである。さらに死去の際にこれも返上を申し出ている。

    ここに柳生新陰流の真髄が見える!
    厳しい修行の上に作り上げられたしっかりとした人生観は、我々にも参考になる。

    余談だが、秀吉時代から家光の治世まで

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    2009年11月01日
  • 織田信長(1) 無門三略の巻

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    父に薦められた本。
    私の時代小説好きは、父の影響だと思う。
    読んだ時はまだ子供で理解しきれない部分もあったけれど、織田信長って面白い!と思った。
    織田信長と濃姫を好きになったのは、この本がきっかけだったと思う。
    私にとって、織田信長の原点はこれ(笑)

    ん?私、豊臣秀吉と徳川家康が何か好きじゃないのって、これの影響もあるのかな??まず織田信長に思い入れができてしまったのね。

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    2009年10月27日
  • 伊達政宗(5) 蒼穹の鷹の巻

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    またも展開は二転三転。
    大阪、キリシタン、エスパニア、エゲレス…とありとあらゆる思惑が翻弄してきます。
    けど政宗は楽しそうだ。すごい。

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    2009年10月04日
  • 伊達政宗(4) 黄金日本島の巻

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    関ヶ原が終わり、その裏の目論見が破れ。
    一皮むけた政宗。今度は大久保長安の登場でまた新たに海外を知ります。
    白人の側室げっと。ホントにいい意味で大胆不敵な人だ。

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    2009年10月04日
  • 徳川家光(1) 三代の風の巻

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    全4巻。
    3巻セットで売ってたのを買った。
    4巻じゃん。

    久しぶりの山岡先生。
    家光って名君なのは知ってたけど、
    地味な印象で避けてた。
    で。
    読む本無くなってきて今さら。

    や。
    やっぱ山岡先生はおもしろい。
    特に家光やんちゃなので、
    伊達政宗に通じる軽快で歯切れの良い山岡真骨頂。

    なんで、
    後半元気無くなってからは物語も元気無くなってきて悲しかった。
    でもきちんと最後まで読ませる作りなのがさすが。

    そしてやっぱり伊達正宗かっこいい。

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    2009年10月09日
  • 豊臣秀吉(1)

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    秀吉全8巻、ゆっくりと読むことにしている
    この時代、どうしてこんなにも先を読む力が備わっているのか
    あまりにもその洞察力、先見性に自らと比較しなすすべもない

    だからこそ天下を取ることができたのか
    それにしても敬服の一言

    秀吉を取り巻く堺商人たちのしたたかさも
    大いに勉強になる

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    2009年10月04日