【感想・ネタバレ】柳生宗矩(2) 柳生の桃の巻のレビュー

あらすじ

妖しい雲が西へとなびく。豊臣秀吉が波乱万丈の生を終えたあとには、束の間の平安をはらって、欲望の嵐が吹きすさび始めた。秀頼を擁立する石田三成の関西勢と、太閤子飼の武将をも含めた関東勢の、関ヶ原での激突はもはや避けがたい。その慌ただしいなか、若き宗矩は、懸命に泰平への道を探る……。

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Posted by ブクログ

全巻通読後のレビューです。

兵法師範の柳生石舟斎(こちらも講談社から文庫化)を父に持ち、柳生新陰流を確立した人物。

徳川3代に仕え、秀忠、家光の治世には兵法のみならず、政治面でも将軍に様々なアドバイスをおくった。

江戸幕府の土台作りに尽力し、立派な名君を作り上げたにもかかわらず、その禄はわずか1万2500石であった。

というのも、宗矩が固辞して、これだけしか受けなかったからである。さらに死去の際にこれも返上を申し出ている。

ここに柳生新陰流の真髄が見える!
厳しい修行の上に作り上げられたしっかりとした人生観は、我々にも参考になる。

余談だが、秀吉時代から家光の治世まで書かれているので、関ヶ原や大阪の陣についても詳しく、家光の弟・忠長の切腹、島原の乱にまで触れていて、それらの歴史的事象を知るのにも役立つ。

新陰流の人材育成の方法、宗矩の政治手腕、人生観が特に見どころです。

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2009年11月01日

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