山岡荘八のレビュー一覧

  • 新太平記(5) 義貞戦死の巻

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    吉川英治『私本太平記』と山岡荘八『新太平記』を続けて読んでみた。

    足利尊氏を主に前半では佐々木道誉を絡めて、室町幕府の成立と、その後の足利兄弟、高師直との確執までを描いて、足利の一族である覚一検校の引き回しで物語を終えた吉川『太平記』に対して、楠木正成、新田義貞の親政の理想派と、足利兄弟の武家幕府再興の現実派との対立を描いて、新田義貞の死を持って物語を終えた山岡『太平記』。

    二作を読んだ後に、先に読んだ吉川太平記の意味がわかりかけてきた。

    時代や、主題の捉え方はともかくも、吉川太平記の方が気に入った。とにかく文章が綺麗だと思った。先に吉川英治を読んで『太平記』という時代に興味を持っていな

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    2011年03月25日
  • 豊臣秀吉(7)

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    【31/150】秀吉と家康の直接的な戦い「小牧・長久手の戦い」。小説だからかもしれないが、天才と天才の戦いの描写は面白かった。
    東日本大震災の影響で、テレビを見すぎてしまって読書量が落ちてしまった。

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    2011年03月18日
  • 吉田松陰(1)

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    生い立ちから黒船密航未遂までに焦点を当てた構成。村塾時代をよく知っている人向けか?「神々しい松陰先生」を描いた本。

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    2011年03月08日
  • 織田信長(4) 天下布武の巻

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     武田信玄の上洛。浅井・朝倉の抵抗。比叡山。信長包囲網の動きは高まり、天下布武への壁がもっとも高く立ちはだかる。
     信長の人生において、最大のピンチの時期。信玄の死亡に助けられるが、とうとう比叡山の焼き討ちも起こってしまう。山岡はその行為を信長の意思の強さと俗にまみれた叡山の対立として描いているが、ほんのさらりと。お濃婦人の明るさで救われ、それほど狂人にも見えない。

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    2017年08月16日
  • 織田信長(3) 侵略怒涛の巻

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     とうとう信長は今日に上洛。天下統一への道を確実に進んで行く。

     木下藤吉郎が才気煥発なところが目立ち、明智光秀は登場から信長とのすれ違いを見せていく。作者の本能寺への布石だろうか。信長を描くときは、ここが肝心な点のように思える。
     それまでの常識を破って新しい世界を打ちたてようとする天才。その周りの部下たちがいかにそれについて行くか。ついていけないのか。。。現代のビジネスに置き換えて考えると、信長は能力ある人間の登用はよくやっているようでいて、人心を把握しきれていなかったとも言える。山岡の描く信長は、言葉の足りなさが天才性とともにその孤独さを現している。

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    2017年08月16日
  • 織田信長(2) 桶狭間の巻

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     織田信長といえば、やはり桶狭間の戦いがひとつのピークだろう。
     数を頼む今川勢に対して、まだまだ世間の評判も定かならぬ信長。その後の運命を決めるターニングポイントであったことは間違いない。

     新田次郎においては、その勝因を武田勢の陰ながらの支援として描き、山岡は天から与えられた偶然のように描いている。戦国時代、様々な史実の裏には隣国とのパワーバランスが影響しているとの見方は新田らしいし、天才たるもの天をも味方につける、との山岡の見方もうなずける。
     どちらが正しいのかはわからないが、桶狭間は大きなポイントであったことにはかわらない。

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    2017年08月16日
  • 織田信長(1) 無門三略の巻

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     どこかで聞いたことのある、信長の振る舞いの数々。まさに「定番」の観のある「織田信長」。
     
     先日の「武田信玄」に比べると、よく言えば生き生きとした、別な言い方をすれば講釈然とした雰囲気。NHKの大河ドラマや横山光輝的雰囲気、と思えば、どちらも実際にそうなのかもしれない。
     「沢彦」を読んだ後では、彼の後半の残虐行為とどう折り合いをつけるのかが気になるところ。

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    2017年08月16日
  • 豊臣秀吉(2)

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    【16/150】織田信長編では、今川義元との戦いでもある桶狭間の戦いはまさに、戦いに挑む男達の視点で描かれていたが、豊臣秀吉編では、女達の視点、特に寧々の視点でさらっと描かれていた。まあ、これはこれでありかな。

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    2011年02月08日
  • 織田信長(5) 本能寺の巻

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    【14/150】歴史小説は結末が分かっているもの。それだけに最終巻はなんとなくすぐ読めずにいた。「たわけめ、光秀!」カツを入れたくなるのは私だけではないじゃろう。

    次に、豊臣秀吉編に突入予定。

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    2011年02月03日
  • 織田信長(1) 無門三略の巻

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    ずいぶん前に購入していたのだが、なかなか読めずにいた本、山岡荘八の織田信長シリーズ。
    100冊間近になって読んでみた。
    やっぱり織田信長は、戦国の武将の中でも飛び抜けていたんだろうなぁー。

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    2011年01月20日
  • 織田信長(4) 天下布武の巻

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    【9/150】今年のNHK大河ドラマは『江』。見てはいないのだが、ちょうどこの4巻は、浅井家が信長に攻められるシーンが中心。この小説は信長からの視点で表現されているが、その他様々な視点(立場)で書かれたものを読むと深みがでるだろうな。

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    2011年01月21日
  • 織田信長(3) 侵略怒涛の巻

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    【6/150】昨年から読み始めている、山岡荘八歴史文庫の1つ織田信長。NHKの大河ドラマが「江」だし、結構タイムリーだったね。このシリーズ、信長が全5巻、秀吉が全8巻、家康がなんと26巻。さあ、どこまで読むか、それともどこで飽きるか?

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    2011年01月21日
  • 徳川家康(2) 獅子の座の巻

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    ようやく主人公の徳川家康(竹千代)が、
    意志を持った登場人物として出てくるが、
    まだ6歳なので、話の中心には居ない。

    前半は狂ったようになっていく松平広忠、
    離縁され竹千代の身を案じる於大の方、
    その周囲の人々が運命に翻弄される。
    後半は小説の題名は徳川家康なのに、
    空気を読まない信長・濃姫の話。
    まったくもって落差の激しい第二巻。

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    2013年12月01日
  • 織田信長(1) 無門三略の巻

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    織田信長の生涯を、一部抜粋ではなく「幼少期から死ぬまで」をきちんと追っているので一読するべき(意外にもそういう小説は少なかった)。

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    2010年09月03日
  • 伊達政宗(1) 朝明けの巻

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    戦国末期におくれて生まれ出た政宗の焦り、悔しさを感じて下さい。
    秀吉や家康も登場。歴史を違った角度から見ることは大切。個人的には、できれば司馬遼太郎作品として読みたかった。

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    2010年05月30日
  • 徳川家康(8) 心火の巻

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    信長死す。

    雪斎の教えがまたもや出てくる。

    自我を捨てて無になること。声なき声を聞くこと。


    武田信玄との三方原の戦いで、我を通し屈しなかった家康が再び無に立ち返ろうとする様は同じ戒めを何度も繰り返す人生そのものだ。



    人間には4つの側面があり2つ3つ欠点がある人との和合は美点の触れ合いであり、衝突は欠点のぶつかり合いである。



    正直は深く、嘘は浅い。

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(9) 碧雲の巻

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    秀吉と勝家の決戦を中心に据えた巻。


    家康の細君選びの進歩が面白かった。

    力を持ちそうな側室を作らない努力は徳川二百七十年の礎のうちの一つだろう。


    秀吉が全人格、全能力を傾けてより多くを得ようとするのに対し、家康はまたもや堪忍を始める。


    無と堪忍が家康の武器らしい。


    徳川勢の外交官不足は未だに解決されていない。
    どうなる徳川勢。

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(11) 竜虎の巻

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    どうやらこの糞長い物語は家康が幾度も幾度も堪忍と無に立ち返る物語なんだね。


    大将は部下を惚れさせなければならないとは、なかなか。

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(13) 侘茶の巻

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    小田原の役も終わり、泰平の世のようだ。


    小悪魔茶々姫はこの巻では平凡な幸せを求めている。物足りない。

    随風の自分の殺気を消して相手の殺気を殺す考えは中々正しいと思える。


    天下取りの勝負は完全に秀吉の勝利に終わった。


    徳川家の国替えも始まり、日本には秀吉の敵はいなくなった。


    この小説にはものすごい量の敗者が出てくるが、いくつか共通点がある。


    1、時間・数量・相対性に対する理解の欠如。
    2、時代の大勢に対する反発。
    3、名と実で名を取る。


    北条氏は典型だった。



    秀吉が目指していた国家像がまったく見えてこないけど、後の官僚と地方勢力者の対立を考える

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(16) 日蝕月蝕の巻

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    個人的に面白くなかった巻。

    利家も死んで家康に敵対できそうな勢力は無くなった。

    三成が家康を憎む理由もわからなくはない。豊臣家にしてみれば家康は天下の簒奪者だろう。けれど天下の政治を任せると言ったのは秀吉自身だ。武士の一分にこだわるだけじゃ三成はよくわからない。

    秀才として描かれる三成がなんでか計算違いをしている。反徳川勢力を結集すれば家康に勝てるかもしれない。しかし、結集の元となる三成の領土は余りに小さく、頼みになる将士は疲弊している。



    応仁以来戦続きの日本は戦に疲れて来ているようだ。


    空気が変わってきている。

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    2010年05月23日