あらすじ
永禄10年(1567)、伊達政宗は奥羽米沢城に呱々(ここ)の声をあげた。時は戦国、とはいえ、一代の英雄織田信長によって、その戦国も終熄に向かい始めていた。しかし、ここ奥羽はこの時期こそ、まさに戦国動乱のさなかだった。激動の時代を生きた英傑独眼竜政宗、その生涯の幕開けである――。
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伊達政宗の人生が政宗視点で見れるのでおもしろいです。
歴史に詳しくないので知らなかった部分が多く読む度学ぶことが多くて大変でしたがそれを払拭するほどのドラマ性や人生観を学ぶことが出来ました。
まず驚いたは伊達政宗と織田信長は34歳差ということです。冒頭にも出てくる言葉に「あと20年早ければ乱世の英雄かもしれなかった。」という現実は後の政宗をも苦しませました。
伊達家は代々女に弱く子宝であり、色んな縁談を用いり繁栄させていた家系であることもはじめて知りました。
あと政宗の父輝宗は悲しいほど戦国時代に似合わない善良過ぎる人であったことです。
妻に愛されてると信じきってたり、
息子の英雄伝説にも信じ切ったり、
裏切る仲間を死ぬ最後まで信じきったりと。
その背中が政宗自身の後の人生観に多大な影響を与えました。
伊達家の家臣が父を裏切り暗殺した時、
政宗は残酷な復讐を果たしたのですが
「我々は人間の悲しさで、憎悪という感情で相対した場合、自分の感情が全てと錯覚する。
しかし、世間の目は別だ。伊達輝宗と畠山義継の死は相打ちし、伊達政宗は好んで人殺しをしたものだ。」
世間と自分の感情が同一では無いことを喪失感の中学び
「些細な戦や平和、平凡な経験がその後の政宗を変えた。これは人生でも言える。バカバカしいことが戦の人生」
この経験が戦における政宗の哲学に変わりました。
政宗の人生に影響を与えた教育係の虎哉の哲学的思考も好きです
「教育とはなんとおおそれた欲望だろうか
本来の感覚は元から人間に身につけられている
痛いという感覚も悲しいという感覚も決して避けられないように運命づけられている
それを克服できるというのが人間に許された、人が人を教えるというそもそも不自然な事が教育の本質なのだ」
また作中で一番好きな言葉があります。
「人生は客でー」
常にこの世から客が来たと思えばある程度怒りは収まり行儀作法も保ってゆけるという考えです。
その言葉通り父の死を通して感じたことです。
この悲劇から政宗は多くのものを成し遂げます。
血を流さず黒川城を占領することを成し遂げたり
「他人を疑い過ぎてはならない」という感覚をも得ます。
どんな悪人にも良心はあり、その良心に呼びかけて、これを仏心に変えてやる指導力を持つもので無ければ、人の上には立てないという反省と悟りを20代で気づいたのです。
「秀吉も政宗も冷酷な方ではない。むしろ、孤独感覚の過剰から甘さに流れた点さえあるほど」
と言われるほど母親愛に飢えていました。
後に親戚や母に命を狙われてしまいますが父同様に信じることを最後まで諦めませんでした。
解説では、著者と偉人の関係性について書かれていました。
終戦後玉砕覚悟だった著者が書いたのが史上高名な人物たちだった。
「生きたいように生きて、幸せな人生を送った」
作者にとって人生観や幸せとは何かを考えさせてくれたのが徳川家康や伊達政宗と言った歴史的偉人なのだろうと勝手に考えました。
単なる歴史や人生ドラマだけではなく戦国時代というひとつの時代の渦でどの時代でも必ず訪れる苦しみの向き合い方を教えてくれる本だと思いました。
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伊達政宗の格好良さ!それに尽きる。
でもそれは政宗自身というよりも、まわりの人たちに因るものが大きいのかなぁと。それを身につけた政宗自身もすごいけど。
失敗を失敗として乗り越える強さ。認められる強さ、が凄い。なんというか、見事!としかいいようがない。
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伊達政宗の伝記小説としては元祖だと思う。
著者の好き嫌いを臭わせない。
でも情景も心理も描写が緻密で面白い。
実在したであろう様々な人々が、実に個性的。
続きが楽しみ。
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全8巻。
9月こればっかでした。
スケールがでっかいな!
時代の変わり目はやっぱりおもしろい。
政宗の豪快さ・頭とセンスの良さが堪能できる。
あと家康がすごすぎる。
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全8巻。
山岡先生で信長の次に好き。
みちのく人の誇り。
泣くとかじゃなくて爽快感。
家康とのやり合いが面白い。
ミステリーな感じ。
へそ曲げて生きたい。
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これも最近読み返したんですが。
何と言うか、やっぱり記憶に違わず色気のある人物像でした婉曲的に言って。事実は小説より奇なりとか言う言葉がよぎります。いやこれも小説なんですが。
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伊達政宗の生涯を8巻に亘って書いたもの。どれだけの事を考え、悟り、生きてきたか…母親に憎まれ、弟を殺し、心は傷ついていないはずがない。それでも強く生きようとする姿に惹かれます。
人生の後半の姿は本当に学ぶべき人ではなかろうかと思われるくらい…色々と悟っている伊達政宗、それを本当に想像出来るように描いている作者様に拍手したい作品です。
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一番好きな戦国武将。戦国時代の英雄ではなく、あくまでも梟雄であったところが魅力的だし、最高に格好良いのだと思います。そして何より、話が面白くて読むのがやめられません。
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全8巻。政宗が本当にかっこいい。無双がきっかけで読んだけど大好きになった。小十郎も凄く素敵です。話の盛り上がり的には関ヶ原の辺りまでかな、VS秀吉や三成が相当面白い。痛快すぎて笑みがこぼれます♪
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NHKの大河ドラマでやってた頃に読んだ。
大河ドラマの視聴率も、この次の武田信玄や春日局の頃が
ピークだったらしい。
社会人初年生の自分にとって、生き方の参考になりました。
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戦国武将では伊達政宗が一番好きなので、買い揃えて積読中。一応ざっくり読んでみましたが、台詞の言葉づかい一つ一つが心地よいです。虎哉和尚と幼少期の伊達政宗の会話が魅力的。この幼い故にまだ可愛げがある臍曲がりっぷりが成長してああなるかと思うと、なんとも感慨深いです。
ちなみに政宗公の言葉ですが
(●∀・) 「この世に客に来たと思えば何の苦も無し」
が一番好き。
理不尽に対する不満もこの一言で思い止まれます。
ちなみに持っているのは光文社版なのですが、表紙がないのでこっちを登録。
表紙のデザインは光文社の方が好きです。
(家紋がかっこいいのです)
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空前の独眼竜(マイ)ブームに押されまくって読み始めた山岡荘八シリーズでございます。
一巻の見所は、なんといっても梵天丸の愛らしさにほかならないかと存じます(笑)。
お父さんの溺愛っぷりは言うに及ばず、お母さんの愛情の深さ(弟生まれるまではね)しかり。
なにより、伊達家での嫡子・梵天丸の人気ぶりに脱帽。
まさにアイドル!!
元服後の初陣の折りに見せる人気振りには腰が砕けます。
思わず抱きしめたくなるような愛らしさを湛えた梵天丸が、成長していくにつれて可愛くなくなっていく様が、世の無常を感じさせます・・・もうお前、武将とかなるな・・・。
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大河ドラマを30年ほど前に夢中になって見ていた。
渡辺兼の独眼竜は本当に恰好よかった。
そういえば原作を読んでいないことに気づき、今更ながら読み始めました。
まだ、入口ですが政宗の父母に対する思いや幼年期の考えに感情移入できてしまう、さすがの文章力です。
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山岡荘八には司馬遼太郎とは違った面白さがある。
司馬遼太郎は第三者視点で物事を描き客観的に歴史の全体像が追えるのに対して山岡荘八は一人称で進んでいく。
その一人称視点が丁寧に繊細に描かれているため、物語にとても引き込まれる。
梵天丸時代の政宗像がこんな風であったのかなとここでの問答が政宗の思想に繋がっていったのは間違いない。
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戦国末期におくれて生まれ出た政宗の焦り、悔しさを感じて下さい。
秀吉や家康も登場。歴史を違った角度から見ることは大切。個人的には、できれば司馬遼太郎作品として読みたかった。
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所謂 独眼竜政宗は1567年に米沢城で生まれたが,初陣は本能寺の変の前年である1581年の14才である。
戦国大名として戦乱の時代に出てくるのは遅すぎたといえよう。既に時代は豊臣家を中心に纏まりかけてきた時である。
もう10年早く生まれれば政宗が天下を手にしていたかもと思えるが,歴史のたらればをいっても仕方ない。
豊臣から徳川と時代が変わろうとする時も政宗はまだまだ時代は動くと期待し,家康にも臣従するのではなく,対等に渡り合おうとするが,そこは家康の人格や思想に押され,屈服せぬまでも,時代の流れに逆らうことは出来なかった。
政宗も戦国の世から,戦争のない民百姓が安心して暮らせる世の中にしたいがため,矛を収め,仙台を栄えさせようと泰平時代での政宗なりの生き方を貫く。
政宗が戦国時代を天衣無縫に駆け抜け,豊臣,徳川3代に臣従することなく生き続けられたのは,自分に正直であったためであろうと思う。伊達者と言われる生き方である。
政宗とその父の輝宗が大河内外記の丸森城を落とし,破竹の勢いで次なる金山城を陥落させ,ついに相馬盛胤の本拠へなだれ込める態勢になった。それが6月頃だった。
政宗『父上,今年はこれまでで十分かと存じます』
輝宗『なに,お許はこの勝ち戦をここで打ち切れと申すのか。まだ6月になったばかりだぞ』
政宗『6月になればこそ打ち切るが賢明かと』
輝宗『これはしたり,戦はつねに勢いで決するもの。今こそ山越えに相馬領になだれこみ,盛胤に一泡ふかせる絶好のおり。それがお許にはわからぬのか』
政宗『藤次郎(政宗のこと)はそうは思いませぬ。ご覧なされませ,いま百姓達は田植えを終わり,撫でるように除草して,今年こそはと祈りをかけて稲を育てているところ。戦には勝ちましたゆえ,百姓どもには負けてやりましょう』
政宗の自領の民百姓を超えて人や物に対する心優しさが伺える一言である。
全6冊。
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前半の戦のとこはカッコいいのに後半のエロティックときたらもー!! 破廉恥でござる!!
受験シーズンに読んでて、うっかり伊達=キリシタン大名と勘違いしそうになった一作。 良い子は間違えないようにね!!