山岡荘八のレビュー一覧

  • 織田信長(3) 侵略怒涛の巻
    前巻までは信長の透徹した戦略眼に人間観察力、電光石火の処断など信長の人間離れした無双ぶりが前面に打ち出されていたが、この巻からは家臣を活かす信長が見られる。滝川一益の謀略による蟹江城と桑名城乗っ取り、藤吉郎の有名な墨俣の一夜城がそれにより実現する。周辺国の要所を抑え、美濃を虎視眈々と狙う信長の下に竹...続きを読む
  • 織田信長(2) 桶狭間の巻
    この作品に登場する歴史上の人物には、山岡荘八流の解釈による性格が付されているが、特に輝きを放っているのが信長の正室・濃姫である。彼女については斎藤道三の娘ということ以外は何も分かっていない。しかしあの美濃のマムシの娘ならば、こうであったろうという個性が違和感なく発揮されている。勝気で男勝り、打てば響...続きを読む
  • 徳川家康(15) 難波の夢の巻
    面白くてずんずん読んでしまった。
    この数巻は、秀吉と家康との確執〜徳川家の葛藤〜豊臣家の人間模様〜家康の達観に至るまでの心の移り変わりや状況の変化がずっと描かれてきたが、ついに秀吉は死んでしまった。太陽が沈んだ後、残った人間たちがどう動いていくのか。
  • 徳川家康 全26巻合本版

    最高の歴史漫画

    絵柄が古く、敬遠する人もいると思いますが、歴史漫画が好きなら絶対に読んでおいた方がいい作品。
    心理描写の深さが段違いです。
    流石に巨匠山岡荘八を原作にしているだけあります。歴史上のさまざまな戦、反乱、処刑、結婚といったイベントが、当時の人たちの苦悩と深慮と想いの結実であることがよく分かります。
    ただ...続きを読む
  • 徳川家康(4) 葦かびの巻
    今川義元の死によって戦後の世に解き放たれた松平元康。織田信長と手を結び東へ東へ駒を進める。
    信長の娘と嫡男、信康との婚礼の祝いに贈られた三匹の大鯉意味を汲み取り、信長の下風に甘んじようとみえる主君である家康に対して、命懸けの諫争をした鈴木久三郎とのやりとりは胸が熱くなる描写です。
  • 徳川家康(3) 朝露の巻
    雪斎の死、それにより歩みを早める今川義元の上洛線。死の床にある師の禅師から出された公約にどう答えを出すのか?出ている答えにどんな行動を持って亡くなった雪斎の付託に答えを出すのか?田楽狭間に終わる第三巻。
  • 徳川家康(2) 獅子の座の巻
    竹千代が尾張に連れ去られ、人質交換から今度は今川家の人質へ。そこで運命の皮肉か太原雪斎から受ける訓育が見どころ。幼い竹千代にわずかな望みをかける松平党の切ない祈りに似た戦い。その後の家康の人格を形成していった周りの環境が集約された堂々の第二巻。
  • 徳川家康(1) 出生乱離の巻
    私がこの書物に出会ったのが19歳の頃。あれから10回以上は読み返したが、読んだ時の自分の人生練磨によってさらに受け取り方、角度が違って新鮮に読める。
    何故、徳川が260年も太平の世の中心にいたのか?答えを出すのに時間をかけて読む価値のある書物です。
  • 伊達政宗(1) 朝明けの巻
    伊達政宗の人生が政宗視点で見れるのでおもしろいです。
    歴史に詳しくないので知らなかった部分が多く読む度学ぶことが多くて大変でしたがそれを払拭するほどのドラマ性や人生観を学ぶことが出来ました。
    まず驚いたは伊達政宗と織田信長は34歳差ということです。冒頭にも出てくる言葉に「あと20年早ければ乱世の英雄...続きを読む
  • 徳川家康(12) 華厳の巻
    秀吉は朝日姫につづき、生母大政所も人質として家康の元に送り込み、義弟として家康の上洛を実現させた。そこで秀吉の陣羽織を所望したいと家康が言ったのはドラマ等で有名なお話。
    東の憂いがなくなった秀吉は九州征伐へ行くが、その前にお茶々に手をつけちゃう。
    家康は駿府城に入って東を睨む。
    最後は本田正信と茶屋...続きを読む
  • 徳川家康(11) 竜虎の巻
    関白となった秀吉は家康を大阪に呼び臣下の礼をとらせるために、妹の朝日姫を離婚させて家康の正室にしようと企む。
    その交渉の狭間に立って石川数正は出奔。
    家康は天下泰平のため考えを巡らす。
    最後は家康と朝日の祝言で終了。

    家康と秀吉の駆け引きが面白かったです。
    次はいよいよ家康上洛かな。
  • 徳川家康(10) 無相門の巻
    小牧・長久手の戦いをメインにした巻。
    家康と秀吉の読み合い、駆け引きが面白い。その間に石川数正の苦悩が絡む。
    最後は於義丸(家康の次男)の養子の話が出て、どうなるか?
  • 新太平記(5) 義貞戦死の巻
    坂本に引きこもって京の足利軍を迎え討ち、京を奪い返すために攻めかかるも連携できず名和長年も討死する。足利方の調略に乗ったふりをして後醍醐天皇は還幸したが、東宮たちを義貞に預け、義貞は北国からの再起を図った。足利直義は後醍醐天皇を幽閉する。主上を失った新田勢は兵を集めることができず、金ヶ崎城で絶望的な...続きを読む
  • 新太平記(4) 湊川の巻
    北条時行の中先代の乱が尊氏に鎮圧され、今度は義貞が鎌倉へ進む。正成は講和をまとめようと図るも成らず、箱根の一戦で義貞は尊氏に敗れ、西に敗走する。一度京に入った尊氏は京で敗れて西へ逃れるが、公卿が義貞へ追撃を許さず、尊氏は九州で再起して東進。正成は次善の策として義貞を生かすために湊川で敗死した。尊氏が...続きを読む
  • 新太平記(3) 建武中興の巻
    鎌倉幕府滅亡へ新田勢が攻める。後醍醐天皇は京へ帰る。ただ新政は公家の奢りで崩壊、恩賞に不満を持った武士たちの求心力となった尊氏、諏訪で兵を挙げた北条時行を討つため鎌倉へ向かう。
  • 徳川家康(9) 碧雲の巻
    秀吉が清洲会議を仕切り、着々と手を打つ。
    家康は武田の地を治めていき東を固め、西には出ない。
    秀吉の風下になりたくない柴田勝家が意地を通して北ノ庄でお市の方と最期を迎える。

    秀吉と家康それぞれの駆け引きができすぎだけど、面白い。
  • 徳川家康(8) 心火の巻
    武田家が滅び、功績のあった家康を信長が接待。光秀は接待役に。信長への不信や誤解により光秀が本能寺の変で信長を討つ。
    その頃、高松城攻めの秀吉は信長が撃たれた知らせを隠して和睦。
    堺を見物していた家康は、茶屋四郎次郎の手引きもあり、伊賀越えで岡崎に戻る。この伊賀越えでの駆け引きは特に面白かった。
    秀吉...続きを読む
  • 徳川家康(7) 颶風の巻
    長篠城を少数で死守する奥平九八郎の話、
    武田勝頼と信長家康連合軍が対決した長篠の合戦、
    築山御殿と信康の最期、
    高天神城の牢に幽閉された大河内源三郎の話、
    最後は武田の滅亡。
    内容の濃い巻だった。

    そして、家康と信長の関係性が、盟友から天下人(家来と主君)に変わっていく。
  • 小説 太平洋戦争(1)
    小さい頃は
    アメリカに挑むとか無謀すぎ...
    神風って何だ?イカレてんのか?
    東洋のヒトラーって何を言った?
    と思っていた。
    現代の日本の世情と比べては、どうしてそうなったのか全く想像がつかなかった。
    悲しい、苦しい、数多くの人の決意と決断の連続じゃないかぁ。
    昔、知覧特攻平和会館でも沖縄ひめゆりの...続きを読む
  • 新太平記(2) 鎌倉攻めの巻
    楠木正成が再度立ち上がり、大塔宮も吉野に籠る。幕府方も大軍を組織するが苦戦、足利や新田といった源氏の武将が寝返りを画策する。後醍醐天皇は隠岐を逃れ、名和長年に担がれ伯耆から京へと攻め寄せる。