山岡荘八のレビュー一覧
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フロイト最後の著作「モーセと一神教」はエス論者フロイトとユダヤ人フロイトの内なる葛藤を描いたものだった。
家康最晩年の大阪冬の陣では家康は天下人であると同時に一私人としての骨肉の情を自覚する。かつて瀬名御前と信康を切ったときとはその感覚は違ってきている。
武の道は女子供を守るものとする家康が創設した江戸幕府の敵、秀頼と淀君はその女子供であった。
よく出来た小説だとしか言いようが無い。
最後の最後で家康はひとりの人間に立ち返り、そして自分の作り出した機構と対決する。面白い。
家康の思想上のライバル真田幸村も虚心に準備を進めている。
和議なった大阪冬の陣、決着の -
Posted by ブクログ
我が国の歴史で最も最近で、かつ、最も悲惨な戦争となった大東亜戦争。第1巻では、外交努力により戦争回避を試みようとするが、米国からは全く相手にされず、やむなく真珠湾攻撃により開戦に至るまでを描写している。
日本の外交努力が結局は戦争回避には結びつかなかったのだが、日本の外交力不足、外交の統一感の不足、米国の対日戦争への考えなど、様々な要因により戦争回避には至らなかった。
山岡氏の見方では、アメリカの少しの努力=蒋介石と日本とを握手させるということ、を怠ったために、多くの犠牲を払い、また、戦後の朝鮮戦争やベトナム戦争、冷戦の原因となっている、とのことだが、確かにその一面もあるだろう。
とに