山岡荘八のレビュー一覧

  • 伊達政宗(1) 朝明けの巻
    面白かった。
    結構昔の本ではありますが読みやすくわくわくさせてくれます。
    本当にあと10年早く生まれていれば違っていたかもしれない。
  • 新太平記(1) 笠置山の巻
    山岡荘八の太平記。後醍醐天皇の討幕計画が漏れ、正中の変が起きる。そしてまた後醍醐天皇の策が漏れて元弘の変が起きる。執権北条高時の描かれ方を見ると、鎌倉殿の13人の途中までしか鎌倉幕府のことを知らないので、いつから北条があれだけの権力者になったかと思う。楠木正成は赤坂に、天皇は笠置山に籠るが敗れ、天皇...続きを読む
  • 新装版 小説太平洋戦争 (6)
    日本の大都市の空襲、ソ連仲介の修繕工作、原爆投下とソ連参戦、天皇の聖断、15日のクーデター未遂、連合軍の進駐と占領政策、東京裁判、満州国の終焉。
    この時代を従軍記者として見てきた著者だから書けた、小説太平洋戦争という名のノンフィクション。日本人とは何かを改めて考える機会となった。
  • 織田信長(5) 本能寺の巻
    信長の最期まで。
    山岡荘八はとにかく武将それぞれに良いキャラクターをもたせるし、どれも歴史に名を残すだけの一角の人物とする。
    明智光秀にしても、三日天下で倒れた野望によった逆賊ではなく、信長とのすれ違いを時間を持って描き、一つボタンの掛け違いが正されていれば天下人信長の番頭として立派に勤め上げた未来...続きを読む
  • 新装版 小説太平洋戦争 (5)
    いよいよ戦争の舞台は日本に移り、硫黄島へ、そして沖縄へ。ここからは著者の想いもかなり熱くぶつかってくる激流のようで、涙なしには読めない。栗林中将の名言「自分のための試験勉強で体を壊して死んだ者はいても、作戦を考え過ぎて死んだ参謀の話はまだ聞いたことがない」。沖縄の祖国復帰とひめゆり部隊等に参加した少...続きを読む
  • 新装版 小説太平洋戦争 (4)
    サイパンでの非戦闘員を巻き込んでの悲惨な玉砕戦、岸信介らの活躍による東条内閣の倒壊、特別攻撃隊、比島沖海鮮、レイテ島決戦、ルソン島での山下大将以下日本軍の徹底抗戦。
    もはや勝ち目がない状態での栗田艦隊の使命や、総軍司令部から山下大将に下された命令の不条理さなど、敗戦間近の日本の醜態と、それでも祖国を...続きを読む
  • 新装版 小説太平洋戦争 (3)
    ニューギニアとビルマにおける陸軍の悲惨な戦い。インパール作戦はよく耳にしたが、ニューギニアでの4500mのサラワケット越えやラム河とセピック河の泥水の海を30キロ、10日余りも立ったまま休めずの状態だったりとか、聞くに耐えない。ビルマの牟田口中将もなんとなく聞いていたただの凡庸な悪人というのとは違い...続きを読む
  • 新装版 小説太平洋戦争 (2)
    前半ではフィリピンで快進撃の一方でバターン半島で苦労を重ねたこと、蘭領印度の攻略と軍政を巡って中央と衝突した今村均、後半はミッドウェーとガダルカナルの大敗。特にガダルカナルの死闘の書きぶりは筆者の無念と理性なく2万以上に及ぶ将兵を失う作戦を続けた参謀等への怒り、そしてその失われた将兵への哀悼が伝わっ...続きを読む
  • 新装版 小説太平洋戦争 (1)
    相変わらず山岡荘八の本は何十年も前に書かれたとは思えないぐらい丁寧な取材の上に書かれていて、歴史観の偏りもあまり感じない。日本人にとって必読じゃないかと思う。
    松岡洋右が日独伊三国同盟、日ソ中立条約を結んで帰朝するところから。松岡はそれらを対米交渉の材料として考えていたこと、近衛文麿のウィッシーワッ...続きを読む
  • 徳川家康(9) 碧雲の巻
    この巻の冒頭は清洲会議。でも、この巻の主役はお市と利家の妻の松。ここまで読んできて実に多くの武将が亡くなりましたが、それだけに秀吉に不殺生をとく松の姿に惚れました!そして、この作品の上手いところは視点の置き方。本能寺は濃姫の視点。そして勝家の終盤では茶々の冷め切った視点とお市の方の冷静な視点がすごく...続きを読む
  • 徳川家康(5) うず潮の巻
    見どころは「姉川の戦い」と「三方ヶ原の戦い」。

    ここで徳川家康が、どのような判断のもと、参戦したのかが分かります。

    そして「その経験」こそが、のちの大人物を支える経験なのだと思えました。
  • 徳川家康(2) 獅子の座の巻
    岡崎の家臣団はどんどん死んでいく。しかも戦死ならまだしも今川家から禄がもらえないので餓死しそう。戦後すぐの小説だとよくわかる。その間、織田との人質交換で駿府にきた竹千代はいきなり年賀の場で庭に放尿してしまう。若い頃読んだ時は、漠然と人質時代はいじめられて泣いてばかりいた印象だったが、けっこうふてぶて...続きを読む
  • 徳川家康(26) 立命往生の巻
    準備2年、執筆18年という大作もとうとう終わり。
    国松処刑の高台院の心理描写、性的なオルガズムは少しグロテスクだが凄い。
    忠輝の永対面禁止と伊達政宗への処置。そして家康の大往生。
    先輩に勧められて読んだのだが、読んでよかったと心から思う。人間をよく知っている山岡荘八の他の本も読んでみたい。
  • 徳川家康(25) 孤城落月の巻
    大坂夏の陣から忠輝との諍い、豊家の落人への処置の話など。戦の描写が今までにあったかなというぐらい丁寧だった。家康の想いは常人を飛び越え過ぎていて家臣にも伝わらず、秀頼を救うことはできなかった。
  • 徳川家康(24) 戦争と平和の巻
    大坂冬の陣から夏の陣の始まりまで。でも戦いぶりというよりもやはり家康や秀頼、真田信繁その他の人物の心理描写が中心。もののはずみの恐ろしさがよくわかるが、これは現代国際社会でもそうで、エスカレーションにはよくよく注意しなければならないのだろうな。そして大坂の意思決定は秀頼は淀の方よりも大野治長や牢人た...続きを読む
  • 徳川家康(23) 蕭風城の巻
    紅毛人や秀頼の話はほとんどなくなり、真田信繁が頻繁に出てくるようになる。秀頼や家康ではなく、大坂城が牢人の不平や切支丹の不安を糾合する象徴になっていたという歴史観は面白いし、なぜ家康が秀頼の移封にこだわったかもわかる。片桐且元も環境がかわいそうではあるが煮え切らなさに自業自得感がある。
  • 徳川家康(22) 百雷落つるの巻
    岡本大八事件、大久保長安事件、そしてイギリスからの使節の来日などが旧教徒に焦りを呼び、伊達政宗や牢人の思惑が複雑に絡み合い、それが家康や秀頼の意に反して大坂と江戸の対立を煽るという歴史の描き方。二条城での対面などは感動的。
  • 徳川家康(21) 春雷遠雷の巻
    大久保長安が海外貿易に燃やす情熱、そこに絡んでくる西洋の新教国旧教国の対立や日本の切支丹に伊達政宗や松平忠輝。大坂の動向、淀の方の軟化。
  • 徳川家康(19) 泰平胎動の巻
    大久保長安の登用、於大の死、征夷大将軍への補任、納屋蕉庵の死、大仏殿の炎上、片桐且元の苦悩、千姫の輿入れ、大坂城の黄金、江戸開府、大坂城内の様子、家光の誕生。
  • 徳川家康(18) 関ケ原の巻
    とうとう関ヶ原の戦い。
    江戸を動かなかった理由、岐阜城攻め、忠吉の先陣、松尾山での秀秋の葛藤、島津の退き口、三成の捕縛から処刑まで、そして戦後の論功行賞と大坂城の黄金という新たな火種。