山岡荘八のレビュー一覧

  • 小説 太平洋戦争(9)
    戦争終結とともに自殺する軍人たち。今ではおよそ考えられない考えの下の行為で、これは昔の侍のようです。こういったことは、遠い昔のことのようでありながら、わずか80年ほど前の出来事。この本を読んで戦争は絶対にやってはいけないこと。そして戦争終結後の満州国に残された人たちの悲劇も、辛い出来事。著者のソ連を...続きを読む
  • 小説 太平洋戦争(8)
    いよいよ武器もなくなってくる沖縄戦。当時の指揮官が、最後の戦いに臨む際に打ったいわゆる決別電報が多く出てきますが、申し訳ないという気持ち、愛国心が偲ばれる内容で、読んでいて何とも言えない気持ちになりました。そして原爆。著者は、人を殺し合う戦争が行われていて、科学技術も進歩するのだから、高度な兵器が使...続きを読む
  • 小説 太平洋戦争(7)
    この巻は、硫黄島の戦いから。ここが占領されると、いよいよ本土まで爆撃機が来れてしまうということで、必死の防戦。しかし、ここでも2万人以上の人が死ぬことに。沖縄での決戦に向けて、徐々に民間人にまで被害が出始め、特に沖縄では、小学生までが戦闘員にさせられることに。現場では負けると思っていながら、突撃して...続きを読む
  • 小説 太平洋戦争(5)
    どんどん悲惨さが増してきます。サイパン島では、戦闘員かどうかにかかわらず、大勢が命を落とすことに。島の洞窟では、戦闘員が、非戦闘員の子供が泣くと、敵に見つかるから出て行けと言ったり。そして行き場がなくなり、仕方なく首を吊る人たち。一見、戦闘員を憎んだりしたくなりますが、みんな自分の生命を守るのに必死...続きを読む
  • 新装版 小説太平洋戦争 (3)
    この巻は徐々に消耗する日本軍というところ。軍隊は上からの命令は絶対なので、どれだけ無理と分かっていても従わないといけず、そこでまたみすみす多くの人が亡くなっていく。食料も補給もない中で、勝てる訳がないのになぜ戦争を続けないといけないのか、本当に当時が気の毒に思いました。そしてもう一つ思ったのは、戦争...続きを読む
  • 新太平記(4) 湊川の巻
    鎌倉幕府が滅亡し、建武の新政が始まったが、政権側のマネジメントも偏ったものであり、武士たちはストレスをためている。鎌倉の管理を任されている足利尊氏の弟である直義に、北条高時の子である時行を棟梁にした不平分子が中先代の乱を起こす。直義は、鎌倉に幽閉されている後醍醐天皇の子である護良親王を虐殺する。混乱...続きを読む
  • 小説 太平洋戦争(2)
    開戦後、序盤は東南アジアで快進撃を続ける日本軍。その目的が、資源にあったことに恥ずかしながら、この小説を読んで初めて知りました。マレー半島、フィリピン、インドネシアと、次々と攻略。なかなか読みにくい部分もあり、読むのがしんどいのですが、まだ先は長い。
  • 高杉晋作(1)

    メモ
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    周布政之助が、高杉晋作に宛てた言葉。
    「つねに大局を見るの明も必要ながら、その局面、局面の狙いが何であるかを鋭く洞察してゆく洞察力も、大事をなすには欠くべからざるものなのだ。」

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  • 徳川家康(4) 葦かびの巻
    桶狭間も終わりまして、岡崎城に入りまして、という頃の家康さん。女性問題が増えております。どうも女性問題のところは読むのが遅くなるので時間がかかりますが。とはいえ浜松城にも入りましたし、ここからが家康の本番という感じもします。
  • 小説 太平洋戦争(1)
    最初に『執筆を終えて』から始まりますが、これが印象的。この小説がどこまでノンフィクションかフィクションなのか分からず、でも一方で、戦争が行われたのは事実なので、なんとも言えない気持ちで読みました。太平洋戦争の始まりっていつなのか、やはり昭和2年の満州事変からなのかな。20年近い戦争の最終盤が、この最...続きを読む
  • 徳川家康(6) 燃える土の巻
    前半は浅井長政の小谷城落城を中心とした話。
    後半は岡崎城のロジを任されていた家康の信頼厚い大賀弥四郎の謀反がばれて処刑されるまで。
    その間に長篠城を奪われた武田勝頼が反撃を伺う。

    家康の判断や行動に風格が出てきた。
    次の巻は武田勝頼との決戦かな。
  • 徳川家康(26) 立命往生の巻
    最終巻は、家康が倒れてからしぶとい。こんな、しぶといんだったら、もうちょっと倒れる場面を後にしたらいいのにと思わず思ってしまいました。それとあれだけ忠輝の処分を引っ張って結局、最後まで決着つかず。これはだいぶ不満。全巻を通して思ったのは、途中でも書きましたが、さすがにちょっと家康をいい人にしすぎかな...続きを読む
  • 徳川家康(25) 孤城落月の巻
    自業自得とはいえ、且元が哀れ。豊臣家は、ここに至るまでに、助かる選択肢はいくつもあったのに、変なメンツにこだわり続けて、よりによって最悪の選択肢を取り続けた結果、滅亡。そして政宗の野望の煽りを受けた忠輝も、決断せざるを得なかった家康も気の毒。そして千姫のしょぐうは?次の最終巻で、どういう結末になるの...続きを読む
  • 徳川家康(5) うず潮の巻
    京を目指す武田信玄に三方ヶ原の戦いで負けて命からがら逃げたと思ったら、武田信玄に何かが起こる。家康の運命の岐路、というか何と運がいいのか。
    その最中に築山御前の狂気の行動。というか病気だな。この人の場面のみは読むのが嫌になる。
  • 豊臣秀吉(1)
    豊臣秀吉の少年期が描かれている。秀吉の少年期はこれといった史実がないらしく、これもまたほぼすべて創作であろうが、幼少期よりの天才でもなく、さりとて凡俗でもない秀吉が失敗しくじけながらも確実に一歩ずつ進んでいく様子が好ましい。
    少し成功しては調子乗りの地が出てホラを吹き己を困らせるのも愛嬌がある。
    ...続きを読む
  • 豊臣秀吉(2)
    ついに織田家への奉公にありつく2巻。『織田信長』ではひょっこりあられては才覚を見せつけ、妖怪じみた出世をしていく知恵者として描かれていたが、こちらでは信長に叱られ、濃姫に叱られ、それでも窮地となると頭脳を煌めかせて大手柄を上げていくドタバタとした立志伝といった様子。
    偉人なれど、自分のハッタリに苦し...続きを読む
  • 豊臣秀吉(3)
    有名な一夜城のエピソードも登場。美濃攻めののちに竹中半兵衛も手に入れて、いよいよ大名豊臣秀吉の飛躍が始まる3巻。
    お話的には半兵衛という頭脳役が登場した結果、秀吉のドタバタは少々落ち着き、大名としてのカッコがつくキャラクターになってきた感じ。
  • 徳川家康(4) 葦かびの巻
    第4巻。

    前巻は信長が桶狭間で今川義元を討つところまで。

    それを受けて、松平元信が岡崎城に入るところから。駿府にいた正室の瀬名と子供を岡崎に呼び寄せる。岡崎城の築山に御殿を建てて迎えたので瀬名は築山御前と呼ばれるようになるのですな。
    岡崎が安定しだしたと思ったら一向一揆、これを仏の心で静める。
    ...続きを読む
  • 徳川家康(21) 春雷遠雷の巻
    この巻では、江戸と大阪の様子は小休止。交易や外交の話が中心で、あまり知らない話が多かったです。君主って内政に外交に、ほんとたいへん。そこで、この巻の主役ともいうべき大久保長安が気になって、架空の人物なのか、実在の人物なのか、思わず調べました。なんと実在!今まで知りませんでした。この巻の最後の方を見て...続きを読む
  • 徳川家康(20) 江戸・大坂の巻
    戦国時代も小休止。この巻に至るまでずっと思っていたのですが、こと巻では、家康の亡き太閤に対する尊敬の念や、大坂への気の遣い方がすごい。実際の家康ってどうだったんだろう?と、改めて考えさせられました。一方、この後の歴史を知っている者からすれば、大坂方の反応や対応は、滑稽に映ります。そして何より滑稽なの...続きを読む