山岡荘八のレビュー一覧

  • 織田信長(5) 本能寺の巻

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    本能寺の変は、明智光秀の織田信長に対する怨恨に起因する謀反というわけじゃなくて、明智“家”の織田“家”に対する怨恨に起因する謀反なんだ。今思えば当然だけど、学校ではそうは教えてくれなかったな。
    でも信長と光秀で見据えている理想が違ったこと、その違いがその後光秀が秀吉に叶わなかった要因といえることは、1巻から通して読んで初めて分かることだと思う。

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    2011年06月07日
  • 織田信長(4) 天下布武の巻

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    姉川の戦いから長篠の戦い直前まで。3巻まで戦の描写が少ないと思ってたら、4巻に来てこんもりと書かれていた。もっともほとんど肉弾戦って感じだけど。三国志で描かれるような戦いってやはり小説ならではなんだなと思った。ただやはり信長の先読みはすごい。

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    2011年06月04日
  • 毛利元就(1)

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    はじめて山岡荘八さんの本を読みました。昔徳川家康にトライした時にはギブアップしましたが、今回は読めました。

    昔放送されていた大河ドラマのイメージで読んでいましたが、なんかちょっと違った~。彼の生涯をまるまる書いているのかな?と思ったら、厳島の戦いまででした。

    百万一心、百代一心など。あと信念を持って行動するということは大事なのね。

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    2011年06月04日
  • 織田信長(2) 桶狭間の巻

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    信長の尾張統一から桶狭間の合戦、その後の上洛までが書かれている。信長の智謀、度胸など際立った描き方で惹きつけられる。

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    2011年05月29日
  • 織田信長(5) 本能寺の巻

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     とうとう本能寺へ。
     織田信長の人生を描く際、やはり本能寺がよくも悪しくもピークと言える。そこまでの信長の人生をいかに描くか、何故光秀は謀反を起こしたのか。そこをどのようにラストまで持って行くかが作家の技の見せ所だろう。
     山岡の描く本能寺は、精神的に追い詰められた光秀側の気持ちの高まり故の行動となっており、天才信長の偉業とのバランスを取っているように見える。信長の癇症や突飛な行動を踏まえても、どちらかと言うと、天下といういつというビジョンのため正当化されている気がする。

     戦国武将を現代のリーダー論の中で語る場面を目にするが、その意味では信長の行動はやはり落ち度があったのではないか。部下

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    2017年08月16日
  • 徳川家康(7) 颶風の巻

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    家康が究極の選択に苦しむ第七巻。
    彼にとって人生最大の苦難と言って良いはず。

    我々はこれほどの選択に直面することはまず無いが、
    誰もが何らかの選択をしなければならないだろう。

    偉大すぎる父親を持った二人の男の破滅と、
    後に秀吉に「宝」と述べる忠実な家臣達の生き様、
    滅亡した大名の滅びた原因など今回も内容が濃い。

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    2013年12月01日
  • 日蓮

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    半生で終わったのは少し意外でしたが、面白かったです。日蓮と言えば激しい舌戦のイメージが強かったのですが衆生への想いと強い覚悟が裏にあったんですね…。感動しました。法華経は中学時代に祖母に読まされましたけど、改めて。南無妙法蓮華経。

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    2011年02月03日
  • 伊達政宗(1) 朝明けの巻

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    戦国武将では伊達政宗が一番好きなので、買い揃えて積読中。一応ざっくり読んでみましたが、台詞の言葉づかい一つ一つが心地よいです。虎哉和尚と幼少期の伊達政宗の会話が魅力的。この幼い故にまだ可愛げがある臍曲がりっぷりが成長してああなるかと思うと、なんとも感慨深いです。

    ちなみに政宗公の言葉ですが
    (●∀・) 「この世に客に来たと思えば何の苦も無し」
    が一番好き。
    理不尽に対する不満もこの一言で思い止まれます。

    ちなみに持っているのは光文社版なのですが、表紙がないのでこっちを登録。
    表紙のデザインは光文社の方が好きです。
    (家紋がかっこいいのです)

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    2011年01月25日
  • 徳川家康(4) 葦かびの巻

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    義元の死を踏み台に三河に戻り、自分の城を取り戻す家康
    信長との同盟も成り天下への第一歩を踏み出す

    外のことは結構順調なんですがそれに対して家の中がどんどん酷いことに
    というか瀬名が大変なことになったりやったり

    これなんてエロゲ……いや失礼

    家康に女性の扱いを説教する作佐とか、家臣団がキャラ立ちしてきました

    あと阿松は非常にかわいい
    この作品、女性が可愛すぎてちょっとあざといくらい
    ちょっと今時のラノベっぽいと思ってしまった

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    2011年01月24日
  • 徳川家康(3) 朝露の巻

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    桶狭間で今川義元が死ぬ辺り。
    岡崎衆の苦労とか、頑張ってる信長とか、それに比べて元康自重しろ
    氏真も自重しろ

    瀬名はお色気担当なのかな、と思いました

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    2011年01月24日
  • 徳川家康(2) 獅子の座の巻

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    竹千代と吉法師の邂逅、のシーンは実は少ないけどどれも和やかでいい

    改めて今川方の人質となったあたりもまだ平和。

    於大を立派な女性にし過ぎてるとは思いますが、仕様だと思います

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    2011年01月24日
  • 徳川家康(5) うず潮の巻

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    男と男の戦い、女と女の戦い、
    男と女の戦いが家康を苦しめる第五巻。
    苦難に満ちた家康の生涯でも、
    もっとも過酷な時期と言って良いと思う。
    壊れていく築山殿と大賀弥四郎の描写が凄い。

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    2013年12月01日
  • 徳川家康(1) 出生乱離の巻

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    日本史が苦手で特に戦国時代は読むそばから忘れていく(特に人名を)私でも一気に読めました


    分からなくなってきたら漫画で補いながら読み進めようと思います

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    2011年01月11日
  • 徳川家康(3) 朝露の巻

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    桶狭間の戦いまでの話。

    信長が急死した父親の家督を継ぎ、
    竹千代が元服して松平元康を名乗る。
    そして桶狭間での信長の奇跡的な勝利。
    プロローグが終了と言ったところか。

    ここまで読んで思ったのは、
    この家康は聖人君子すぎると言うこと。

    山岡荘八は説教臭いと言われているが、
    英雄豪傑や聖人君子に「人間とは…」
    と言われるから読む人によっては
    説教臭く感じてしまうのかも知れない。

    「もしこんな時家康だったら…」を考えるなら、
    覇王の家の方がおすすめ(否定的に書かれているけど)

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    2013年12月01日
  • 高杉晋作(1)

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    ネタバレ

    全三巻。

    最初は全くと言っていいほど、高杉晋作が登場しない。
    当時の時代背景、師である吉田松陰等のことに長く触れていて、高杉晋作を求めて読む歴史小説初心者さんには読み進めるのが辛いかもしれません。(私はこれが手に取った最初の歴史小説だったので、苦労しました(笑))
    話の本筋が高杉晋作のことになってからは、勢いよく読めます。
    途中は本当にいきいきとした高杉晋作が書かれていて、とても好きです。

    ただやはり、高杉晋作の人生を書ききって欲しかったです。ここまできて割愛!?と言いたくなります。

    最期の時へ向けての描写は、数ある高杉晋作小説の中でも一番好きかもしれません。

    三冊におさめるには無理が

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    2011年02月18日
  • 高杉晋作(1)

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    時代展開が早いので、もう少し長編で詳しく書いてほしかった。
    司馬遼太郎の「世に凄む日日」と比べると、少し物足りなかったので☆一つ落としました。

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    2010年07月30日
  • 徳川家康(5) うず潮の巻

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    永遠に他人の風下に立つか否かは、こうした場合の意気と心の持ち方で決定する。相手の強さにすがる気持ちがあるのでは、一も二もなく信長の家臣の地位へ転落してゆくであろう。(本文より)

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(10) 無相門の巻

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    小牧・長久手の戦い。


    天下を狙う者たちとの死闘。


    今川義元とのときは膝を屈し、武田信玄には壊滅的打撃を受け、織田信長には正室と嫡子を差し出した家康。秀吉とは互角以上の戦いをやってのけた。


    軍事的にはやっと日本の頂点に達しつつあるようだ。



    駿遠三甲信五カ国の太守になっても麦飯喰らいの家康。


    堺商人を取り込み、商業から富を得る秀吉に対抗するにはそれ以外に手はない。


    外交下手の三河武士たちは素朴朴訥に命を捨てる最強の野戦集団であった。

    家康はついに強みを生かして日本最強の軍事国家を作った。

    堪忍・内政・農業資本の家康。
    知略・外交・商業資本の秀吉。

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(14) 明星瞬くの巻

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    さすがに半分ということで、家康の前に雪斎以来になる師、天海が現れる。

    三巻くらいから登場していた随風が天海の若き日の姿だったようだ。

    弥四郎の子分に天海自在の随風じゃとか言ってたのがヒントだったみたいだ。


    無になることをひたすら自己の中心に据えてきた家康が無になりきり、そこから有と有の有用の相対を目指せというのが天海の教えだ。

    こっからが本当に天下人への成長なんだろう。

    我執を捨て去り、素直にモノを見、天下のために自己を相対化して用いていく。いい学びだ。



    小悪魔茶々姫も秀頼出産を気に元気に悪女になり始めて、いい感じだ。


    秀吉が鶴松の死で狂い始め、得意の位攻め

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    2010年05月23日
  • 徳川家康(17) 軍荼利の巻

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    ここにきて家康の精神がまた一歩「天下人」に近づく。

    天下というか自分の生命まで含めた諸々を神仏からの預かりものとして理解しはじめる。


    あと十余年の生涯でどこまで成長していくのか。



    かつて中国攻めで秀吉と交渉した怪僧安国寺が再び策動する。



    光秀謀反の折りに初登場したガラシャが死ぬ。

    正信の子の正純は表向きのことに口出すようになり、鳥居元忠は伏見で立派に戦って果てた。 結城秀康は大将が出来るくらいになり、秀頼は未だに幼い。



    この糞長い小説は登場人物がどんどん生まれ、どんどん死んでいく。

    無常感がどんどんと醸成され、家康の心境がとんでもなくよくわかる。

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    2010年05月23日