山岡荘八のレビュー一覧

  • 小説 太平洋戦争(6)

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    6巻の初めは,神風・新雷特別攻撃隊だ。神風は”かみかぜ”ではなく,”しんぷう”と読む。神風特攻隊は,豪胆で聞こえた大西司令長官が最初の声をあげたわけだが,果たしてこうした必死必中の非常手段を神々が許すものであろうかと,大西は自責の念にたえずさいなまれていた。この特攻隊の編成は,事実は命令ではなく,司令長官である大西中将とその指揮下にあった人々の凄まじいまでの愛国心が期せずして一つの火柱になって吹きあがったものであろう。大西中将は,ただそのおりの悲しい長官であったに過ぎない。その隊員24名が決まった。指揮官は関行男海軍大尉だ。これに,10月25日までにフィリピン島沖の敵機動部隊を殲滅すべしという

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    2012年05月18日
  • 毛利元就(1)

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    毛利元就は謀略では無く百万一心で
    中国地方の覇者になったのだ!という話。

    家康公だったらさっさとやる所を
    謀略!謀略!とにかく謀略!で、
    毛利元就公が難局に対処し、
    全二巻だから駆け足で話が進む。

    「皇国史観」と「正義は勝つ」の山岡節で、
    読む人を選ぶかも知れないけど、
    人物関係や当時の情勢が分かりやすく、
    毛利元就初心者にとっては良い本。

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    2013年07月13日
  • 小説 太平洋戦争(5)

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    話はビルマ戦線に突入する。ビルマでも,初戦を除き,イギリス軍の物量攻撃に苦戦させられることは,先のガダルカナル島やニューギニア島と何ら変わりなかった。ここでは,ひとつ事件があった。それは,戦場の二・二六事件と言われる佐藤中将の抗命事件だ。これは日本陸軍の歴史の中で一大汚点とされているが,真相はどうだったのか。著者はその張本人である佐藤中将と相手方の牟田口中将に戦後実際にお会いして,話を聞いている。

    佐藤中将の抗命事件とは,大まかに言うと,牟田口軍司令官の進攻命令を公然と拒否し,兵団を率いて勝手に退却した事件である。これだけ書くと,何たる事かと思ってしまうが,退却までのいきさつを聞くと,どちら

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    2012年05月10日
  • 小説 太平洋戦争(4)

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    ガダルカナルの敗北は太平洋戦争における峠であったと言ってもよい。ここで失った人と物と時はその後の日本軍に与えた影響は無限大の大きさであった。艦艇や航空機の喪失は日本側だけでなく,アメリカ側も同様もしくはそれ以上に出ていたが,費やされた”時”の与える影響は両国で全く違ったものとなっていた。アメリカ側の工業生産高は日本のおよそ13倍であった。これを航空機にとれば,日本が1機生産する間にアメリカは13機生産するという事だ。したがって日本はアメリカの12機を無損害で撃破しなければ均衡が崩れていくという事になる。鐵鋼の生産量でもアメリカ側の1億トンの供給量に対し,日本側は400万t。これは,日本の艦艇1

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    2012年05月08日
  • 徳川家康(5) うず潮の巻

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    三方ヶ原で家康は、武田信玄に惨敗、内では妻、築山御前と家臣大賀弥四郎の裏切りが進行する。32歳家康大層忙しい。12.4.28

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    2012年04月28日
  • 小説 太平洋戦争(3)

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    ジャワ攻略を予想以上の成功に導いたのは,ジャングルへの備えと今村均中将およびその命令下の将士の冷静かつ果敢な行動,それに陸海軍の緊密な協力にあった。今村中将の逸話を聞くに従い,これが太平洋戦争全体を包んでいたらという思いを強く持つ。

    今村中将は,インドネシアに侵攻しつつも,常に現地人への被害に対する反省がつきまとっていたに違いない。このため,オランダの降伏後は,民政に力を入れ,インドネシアの現地人の独立を助けるように支援した。そんな占領初期の日本人に対しては,現地人は非常に好感を持ってこれを向かえ,惜しまない協力をくれた。インドネシアは,どこの占領地域よりも明るく,活気があり,みな伸び伸びと

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    2012年04月28日
  • 小説 太平洋戦争(2)

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    山本は『戦争にせよ,賭博にせよ神様が喜ぶことでは決して無い。したがって正義がこちらにある時は,止むにやまれぬものとして天佑があるだろう。その天佑も信じられないような戦ならば全作戦を放棄するのが良い』と考えていた。逆にこのように考えた上で,大艦巨砲主義の思想が中心だった日本の作戦から抜け出し,航空機が海戦の勝敗を決定するような戦のやり方に日本の戦争のやり方を変えていくべきだと主張し,そうした技術を短日月の間にマスターすることを本部に求めた。

    山本は決して無謀を強いるような人ではなかった。青年士官が特殊潜航艇での真珠湾強襲を申し出た時,その内容を一目見て却下した。それは航行時間は五時間だったから

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    2012年04月23日
  • 小説 太平洋戦争(1)

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    まず,本書を読み始めるのは非常に腰が重たかった。9冊というボリュームだし,歴史小説と言うには余りにも近代は近すぎたためだ。しかし,前書きを読み始めたとたんにそんな考えは吹き飛んだ。現在の太平洋戦争についての常識は,アメリカ人がこしらえたものだ。日本でそのときに何が起こっていたのか,日本人が何を考えて戦争へと突入したのか。現在の日本人として当然知っておくべきことであり,間違った見解を他人・他国の人が言った場合,それはきちんと正して行くことが,日本のことを思い散って行った人たちに対する,残された我々の義務なのだと。それがないと,やりきれない。私の祖父の兄弟2人も太平洋戦争で亡くなった。海軍と陸軍で

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    2012年04月17日
  • 織田信長(2) 桶狭間の巻

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    ついに家督争い決着!そして秀吉の登場。
    それにしても斉藤義龍の最期があまりにも…
    なかなか憎い奴ではあったけれども、あの最期はちょっと悲惨ですね

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    2012年03月23日
  • 徳川家康(1) 出生乱離の巻

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    山岡荘八の大著。『徳川家康』に対するこれまでの印象は激変する。辛く苦しい人質時代、家臣たちは終戦直後のような生活を送りながら再起を近い、同時に、戦いのない世の実現を目指す。戦略とビジョン。とても勉強になる。

    山岡荘八の大著。全部で26巻だが、ひとまず、15冊。『徳川家康』に対するこれまでの印象は激変する。辛く苦しい人質時代、家臣たちは終戦直後のような生活を送りながら再起を近う。強固な三河家臣団は、危機が作ったともいえる。勉強になる。

    (冊数が多いので1巻のみ登録)

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    2012年03月13日
  • 豊臣秀吉(8)

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    全8巻を読破。
    大日坊が出てきたあたりから、天下を治めるものの資質を問うような記述が増えてしまい、説教くさくなるのは残念。

    8巻についての感想だが、秀吉が淀・秀頼のことを冷静に観察しているところや、醍醐の花見を葬式に見立てているところなどは、面白い解釈だと思う。また、ただの狒々爺ではなく、「天下」を忘れずにいるように描いているところも、秀吉像として納得しやすい。

    山岡荘八の著作は、「織田信長」「豊臣秀吉」と読んでおり、次は「徳川家康」が順当なのだが、全26巻かぁ。覚悟が必要な巻数だな。

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    2012年02月25日
  • 新太平記(2) 鎌倉攻めの巻

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    隠岐に流された先帝の奪還、そして妥当北条に向け先帝の宮護良親王、楠木正成、女忍兵の浅茅たちが動く。護良親王と繁姫の出会いと別れ、圧倒的不利の中で仲間を見定めていく道程。非常に面白いです!そして次代の覇者もゆるりと動き始めます。そしてついに。驕れるものはやはり久しからぬようです。だが太平記の語る物語はまだこれから。

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    2012年02月21日
  • 伊達政宗(1) 朝明けの巻

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    NHKの大河ドラマでやってた頃に読んだ。

    大河ドラマの視聴率も、この次の武田信玄や春日局の頃が
    ピークだったらしい。

    社会人初年生の自分にとって、生き方の参考になりました。

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    2011年12月18日
  • 織田信長(1) 無門三略の巻

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    山岡荘八の信長論。
    戦国時代の主役的存在だけあって、読んでいて先の展開が気になる。
    濃姫ってここまでキレる存在かなぁ。

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    2011年10月28日
  • 高杉晋作(1)

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    山岡版高杉晋作は、晋作の破天荒さは健在だが、すごく考えている晋作が描かれている。この前に、司馬版を読んだが、こちらのほうが安心できる内容だと思う。やはり一国を束ねる人間になった日どの人物はこうあって欲しい。
    その反面、吉田松陰については、時代に乗り遅れているよううに表現されている。こういう考えもあるのかと思わされた。
    この後が、楽しみ!

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    2011年09月26日
  • 徳川家康(2) 獅子の座の巻

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    織田家に人質、そして信長の兄、信広との人質交換で今川家へ。苛酷な境遇で逞しく育つ。信長の奔放さ、思慮深さも魅力的。11.7.26

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    2011年07月26日
  • 吉田松陰(1)

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    1・2巻通しての感想を書きます。

     維新の立役者で高杉晋作や久坂玄端などの錚々たる志士を門下生としていた松下村塾の吉田松陰。有名すぎるのでほとんど解説はいりませんが、その行動力と意思の強さに感銘を受けました。若くして死罪になっているのに、それほど年の離れていな弟子たちが志を継ぎ、見事に維新を成し遂げているのをみると、とても熱い男だったのだと思います。

    「身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」という辞世の句に壮絶な決意を感じます。

     牢獄で一日二冊の読書をしたという記述があり、囚われの身でありながら一日二冊読めるなら、モラトリアム世代と呼ばれる大学生(当時はそう呼ばれて

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    2017年08月15日
  • 豊臣秀吉(3)

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    同著者の「織田信長」ではあまり出番のなかった竹中半兵衛の軍師っぷりが興味深かった。ストーリー自体は、織田家の美濃攻略がメインで、墨俣一夜城、竹中半兵衛との出会いなど、出世街道の端緒が描かれている。

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    2011年06月13日
  • 豊臣秀吉(2)

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    秀吉が信長に仕官し、結婚するところまで。随所に秀吉らしい(?)ユーモアもあって思わずにやっとしてしまう。信長とかが主人公ではこうはいかない。

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    2011年06月10日
  • 豊臣秀吉(1)

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    秀吉の幼少期から始まっており、史実かどうかはともかく、成長する様が垣間見られて、ロールプレイング的な面白さがある。秀吉の運が強いだの何だのというのが気になるけど、まあ過去を描くとこうなりがちか。

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    2011年06月09日