角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ集英社文庫「ナツイチ」の一冊。
多くは母と娘との物語。8つの短編の中に、自分と母の類似系があるかも、と思って読み始めたものの、すぐにそれはあり得ないことだと気づいた。
好きなのは、息子と、息子を高校生のときに置いて家を出た母を題材とした『クライ、ベイビイ、クライ』。
自費出版詐欺?みたいなのに引っかかって会社を辞めた男が、高校生の時に家を出た母に「オレオレ詐欺」電話をかける。
あからさまに「オレオレ」風の電話なのに、母はお金を振り込むといって口座番号をメモに取る。電話を切った男は、世間に対しても、自分の未来に対しても、出ていってしまった妻に対しても、「いろんなことがいい方向へ転がり始めた」と感 -
Posted by ブクログ
最初、街の物語かと思った。
架空の街だけど、人物や出来事になにか象徴的な意味を与えるような。
いわば隠れた主役が街というか。
ところが、短編集の一作目、冒頭で、違っていたと気づいた。
「待ち」の物語だったのか!
夫に浮気され、その浮気相手を尾行せずにはいられない女性。
不倫の関係で、相手が関係を清算しないのでいつまでも結婚できず、ただ意地悪になっていく女性。
昔の栄光を忘れられず、自分はこれで終わるはずじゃない、と思い続けるくすぶっているモデル。
姑にいびり続けられ、認知症になった姑を施設に送り出して複雑な感慨を持つ兼業主婦。
最初はいろんな境遇の女性の鬱屈をよく取り上げるものだなあ、と思 -
Posted by ブクログ
いわゆる、厨二病というやつですかね。
自分には世界を変えるような、そんな力があるような気が半分している。
半分だから、開けっぴろげに皆に語れるような物語にはならないんだけど、後から自分の中で思い出すと、アンタ半分もそんなつもりでいたのかよ、っていう恥ずかしいドラマ(笑)
「パーマネント・ピクニック」では、同級生が自殺した出来事を、友則というボーイフレンド?と共有していく中で、自分もいろんな面倒事を置いて死んでしまおうと考える。
友則は共感しているのか、下心なのか、今ひとつ分からない。そんな二人が心中しに出かけるのだけど、気持ちにどうにもズレがある。
いや、主人公は至って真面目なのだ。
進路も -
Posted by ブクログ
ネタバレフリーター文学、と呼ばれているらしい。とにかく細かい金勘定が妙にリアルなんやけど、考えるべきことは他にあるやろ、と心の中でツッコミが止まらない。
34歳と35歳のフリーター同士の同棲生活。男の方のヤスオは典型的ダメ人間で、基本的には働かない、やっと就いた仕事も数日で辞めてしまうという有様。生活費を折半しようという取り決めもなし崩し的に破られている。タイで知り合った同じような人種を勝手に家に居候させたり、失業手当の受け取りを意味のわからない理由で放棄したり。とにかくあかん奴なのである。
主人公の女は働いているものの、なぜかこんなヤスオをあるがまま受け入れているようだ。消費者金融で金を借りた