宮沢賢治のレビュー一覧
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ネタバレ死にゆく者の孤独と見送る者の孤独
気がつくと汽車の中にいたジョバンニにカンパネルラは云う、
『おっかさんは、ぼくを許して下さるだろうか』
川で溺れたザネリを助ける為に咄嗟に自分も飛び込んだカンパネルラは本当にいいことをしたら一番の幸だから、おっかさんも許して下さると考えつつも、ついこのような言葉を零す。自分の信条のため、自分が幸だと思っての行動だったとしてもそれがきちんと母にも分かってもらえると言い切れない、分かりきれない辛さやもどかしさを感じる。
ジョバンニも少女とばかり話すカンパネルラを横目に『あぁほんとうにどこまでも僕と一緒に行く人はいないだろうか』と呟く。
死(登場人物はそう -
Posted by ブクログ
ネタバレまだ自分には早いのかも知らない。あるいは、遅いのかもしれない。そういう気分になる、不思議な小説であった。
ひかりの素足と銀河鉄道の夜が印象であった。主人公と近い存在であり、同じ体験をするのにも関わらず、弟の楢夫と友人のカムパネルラは恐らく死に、主人公たちは生き残る。
なんとも不条理であり、やりきれない感触が残る。美しく幻想的な表現が散りばめられているが、語られていることはかなり厳しく哀しい。
巻末の河合隼雄の解説によると、著者は露骨な因果応報を書かないように注意していたという。いわゆる説法や講話に陥るのを嫌ったようだ。人智の及ばない自然の摂理と、それを体験した人間の諦観や尊厳を描こうとし -
Posted by ブクログ
初めて、宮沢賢治の作品を読みました。
銀河鉄道の夜や風の又三郎等、代表作が入っていて、様々な物語が読めて、初めてだけど宮沢賢治のファンタジーの中に生と死が込められているのが伝わってきました。
この小説の中で、1番印象に残っているのが、ひかりの素足です。
山小屋に住んでいる父親から、街に住んでいる母の元に吹雪の中下山していく2人の兄弟のストーリーで、吹雪の中、目の前が見えなくなって迷い、賽の河原に行きつき、子供の2人が酷い仕打ちを受けて、ラストにはそこから抜け出すが、最後に2人が別れるのは凄く辛かったです。
この物語は、賢治と妹のトシとの兄妹愛が伝わる物語だなーと思いました。
ひかりの素足