宮沢賢治のレビュー一覧
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ネタバレようやく読みました。
以下表題作について。
序盤:おお、余り居心地よくないね……これどうなるんだろうな。おいザネリお前。お前。おまえら。
中盤:銀河鉄道だーー! 幻想的。大学士に思わずときめき鳥捕りがなんか、何か好き。私もその鳥食べたい。
終盤:まあ死後の世界的なあれだと思っ、まって。待って? 待って。待ってわかってて覚悟してるのになんか。え? なんか凄いわかってたのにハラハラする。まって。お父さん。お父さん帰ってくるのあのあのあのあのあの、さぁ!!!!!!!!!!
ジョバンニの不幸は「父親が帰ってこない/仕事による疲労/ザネリという馬の合わない存在」が原因なのですが、父親が金持って帰っ -
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この秋は熊の目撃情報が私の住む町で毎日報道されています。熊騒動のなか、賢治のなめとこ山の熊が浮かびました。本屋さんで賢治の童話集と出会い早速購入しました。昔は人間の都合で狩猟され皮と熊の胆を売られていた熊が今では生活のためではなく人間の暮らしを脅かす為に退治の対象になっています。今年の猛暑は野生動物をはじめとした大自然の中で生きるもの達に大きな打撃を与えてしまったようです。いつもなら冬眠する熊が人里で食べ物を探し彷徨う姿は可哀想に見えます。人間の都合で温暖化し自然の摂理が乱れている地球を賢治が見たらどんな想いを抱きどんな物語を書くのでしょう。
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おびのりさんがレビューされた本が手にしたくて書店に行きましたが、2022年の本書しかなかったのでこちらを購入しました。
とにかく美しいです。
藤城清治さんの世界は、色鮮やかで繊細で幻想的です。
巻末に「この絵本は影絵劇の全場面を幅10mのスクリーンに投影して撮影したものだ」と書かれていて、その美しさの中にある独特な雰囲気に、なるほどとため息がでました。
ラストの宮沢賢治さんの言葉にも、今の世の中をわかっていたかのような憂いを感じます。
宮沢賢治さんの代表的な作品を、藤城清治さんの影絵が見事に表現した素晴らしい作品でした。
帯に紹介されていた影絵の絵本、グリムとアンデルセンが気になります -
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ネタバレ私は宮沢賢治を優しくて綺麗で空想的な世界観だと想像していたのが、実際に読んでみると貧困、虐め、理不尽な死など現実の非情な一面ががっつり描かれていて面食らった。特によだかの星、ひかりの素足、銀河鉄道の夜が顕著で、優しい心をもった主人公が報われずに深い悲しみを背負いっていくのが辛かった。宮沢賢治は優しい人間が報われず、誰も彼もが苦痛を伴う現実世界を苦にして、全ての生物が向かう先の死後の世界を絢爛に描いたのではないかと思った。
そして作中で度々口にされる自己犠牲だが、私は宮沢賢治は自己犠牲を絶対的な善とする事に懐疑的に思っていたのではないかと思った。
銀河鉄道ではカムパネルラが、ひかりの素足では一郎