宮沢賢治のレビュー一覧
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たぶん感覚的、表面的な部分しか拾えてない
本当に猛スピードで颯爽と走る列車に乗って窓から顔を出して強風に当たりながら見逃したくない景色をなんとか焼き付けている感覚。
あの銀河鉄道の外と内の描写は読むうちに位置関係がごちゃごちゃになりながらも、車窓に流れる景色として断片的に浮かんでは消え、近づいては遠のく。読んで文字から想像するイメージも、1つずつ浮かんでは消えて。
町がお祭りの中、1人別の場所にいる特別感といか、懐かしさもあった。
信じる神が違う者同士で泣いたり笑ったり、結局じゃあ宮沢賢治が何を伝えたかったのかは分からないがずっと悲しさだけはあって、それは級友との関係や母親や父親、親友 -
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ネタバレ宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』。装丁の好きな角川文庫版です。8編の短編からなります。
「おきなぐさ」
蟻にうずのしゅげ(おきなぐさ)について、尋ねると、蟻は光を通した花を「赤い」と言います。語り手は、春の七ツ森の野原で二輪のうずのしゅげを見つけます。
二輪の花は風や雲の動きを見て「きれいだねえ」と語り合う。そこに空からひばりが降りてきて、上空の風が強く飛べないことを話す。花たちは「一度でいいから風に乗って飛びたい」と言い、ひばりは「そのうち飛ばなくてはならなくなる」と言い残して飛び立つ。
やがて季節が進み、花はふさふさの銀色の綿毛に変わる。再びひばりが訪れ、「もう飛ぶ時だ」と話しかける。花たちは -
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宮沢賢治の短編集。よだかの星、セロ弾きのゴーシュも収録。
銀河鉄道に乗って、夜空の星星の間を走り抜けて行く美しい物語 幻想的で物悲しい。
母親思いのジョバンニが健気で愛おしい。カンパルラはいじめられるジョバンニを友達として庇いたいのだけど、言い出せない。
そんな二人が銀河鉄道で旅をし、いろいろな人と出会い別れる。
そして…
ラストが衝撃的。容赦ない。思わず声が出てしまった。えーっ!
銀河鉄道ってもしかして…と気づき始めていた事が明らかになる。
さいわいとは何か?所々で問いかけられる。
とても難しい。
ただカンパルラが救われたのなら、それでいいと思う。
さすが名作。最後まで読まないとわからない -
購入済み
美しい作品
著者宮沢賢治の詩人としてのことば使いの美しさ、童話作家としてのファンタジックなそれでいてどこか非情なところのあるストーリーの展開 が大変にうまく組み合わさった作品だと思う。美しい情緒をたたえた題名も作品をよく表現していてとても良い。
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カムパネルラに対して、ジョバンニが、空の石炭袋を見て、「僕もうあんな大きな暗やみの中だって怖くない。きっとみんなのほんとうの幸せを探しに行く」って言った時のカムパネルラの気持ちを、宮沢賢治が書かなかったのは、深い理由があるんじゃないかと考えてしまう。あれを言われたカムパネルラは、ちょっとは寂しくなくなったのか?と。 なぜジョバンニは生きながらあの電車に乗れたのか? ジョバンニには、カムパネルラを連れ戻す気があったのか。 気になる所が沢山ある。
連れ戻す気については、長野まゆみさんがカムパネルラ視点の銀河鉄道の夜を作品で書いていて、そこでは、2人銀河鉄道に乗るきっかけになったものに、琴座があ