宮沢賢治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
賢治作品の中でも、特に叙情的な作品を中心に7品を収録。
表題作『銀河鉄道の夜』は、3〜4回目の再読になるが(中学・高校・成人後、節目に読んだ記憶…)、これまではよくわからないままでいた。今回、本作が多次元思想によって描かれたものと気づき、また近年神秘主義的な知識を得たことで理解が容易になったこともあり、自分なりの解釈はできた。というよりも、本作は「正解」のない、それぞれが己の解釈を持つ作品だと思う…そもそも、感覚的に理解できる人と、私のように知識によるフォローが必要なタイプに分かれる作品だと思う。
ただ、情景描写はとにかく素晴らしいので、「理解できないことも1つの正解」と割り切って読むことに -
Posted by ブクログ
宮沢賢治の童話集。童話だけれど、大人向けのような感じもしました。童話には伝えたい教訓や倫理が込められている。宮沢賢治の作品も、そうした教訓や倫理を巧みに伝える文章でした。面白かったです。「注文の多い料理店」聞いたことはあったけど、「注文の多い」とはそういうことだったのね。無批判であることの危険性、上流階級への批判が込められているように感じました。
岩手山が出てくる作品もあって、少し興奮しました。栗の木や狐が多く出てくるのは岩手という地の特徴なのかしら。宮沢賢治は農林学校卒ということもあり、自然と人間との関わりテーマとした作品も多いなぁと思いました。 -
購入済み
違う世界
タイトルはきいたことあっても内容はほほましらず、先日プラネタリウムをみたきっかけに話をよみたいと思い。銀河鉄道、なんとなく黄泉の世界。二人の友達が同じ鉄道にのってきれいな空を旅をする。幻想的で静かで、物悲しくて。素敵な物語でした。
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購入済み
やっとオチが読めた!
小学生の時に読んで以来、冒頭から佳境の「注文されまくる面白さと緊張感」の印象ばかりで、最後はどうなったのかを思い出せずにいました。そうか、こうなったのか!と何十年ぶりかで納得、スッキリしました!
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Posted by ブクログ
高校の時に電子辞書の青空文庫で夢中になって読んだが、他の話も読みたかったのもあり再読。
「銀河鉄道の夜」は丁寧に読むと心の中で「綺麗」が容量オーバーしてしまう。宝石や金属の名前を1つ1つ画像検索すると美しすぎて卒倒しそうになる。とくに「この砂はみんな水晶だ。中で小さな火が燃えている。」は好き。
死んだら銀河鉄道に乗っていきたい。「どちらへ?」と聞かれたら「どこまでも」と答えたい。でも(ああほんとうにどこまでもどこまでも僕といっしょに行くひとはいないだろうか。)って孤独に思い続けるのはこわい。
「みんなの幸いのためならば僕のからだなんて百ぺん灼いてもかまわない。」は中村明日美子『薫りの継承』に -
ネタバレ 購入済み
銀河
妹の死。
耐え難い現実。
重くのしかかる悲しみ。
自然の脅威と美しさ。
人間の狡さ,儚さ。
最終的に賢治が行き着いた場所とは。
遙か彼方の銀河ステーション。