あらすじ
ざわざわ鳴るススキの中に、「西洋料理店・山猫軒」がありました。都会から猟に来た二人の紳士が、入ってみると…表題作「注文の多い料理店」ほか13編収録。これを読んだあなたは、世界を構成している基準が揺らぎ、自分と他者の間がきしんだ時の痛み、恐れを感じながら、魅力的な賢治ワールドを発見するでしょう。「どなたもどうか、お入りください」
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いろんな出版社から発行されているなか、集英社文庫を選んだのはブックカバーに惹かれたから。
それはさておき、ここに集められている作品は残酷なものが多い。または人の悪意を感じる。
残酷なのは自然であり、悪意は発展登場の日本が生み出しつつあった階級闘争からくるものかもしれない。
ほんの100年前まで、自然はこんなにも怖ろしく、人間の行手に立ち塞がる存在だったのかと思う。自然の克服こそが近代化の証だが、感違いしてはいけないことは東日本大震災を持ち出すまでもない。
大地の営みに対して謙虚になることと、自然の脅威に立ち向かうこと。賢治は共に実践していたのでしょうね。
Posted by ブクログ
[2011.08.17]
“けれども事務長さんがあんなに親切にしてくださる、それにかま猫仲間のみんながあんなに僕の事務所にいるのを名誉に思ってよろこぶのだ、どんなにつらくてもぼくはやめないぞ、きっとこらえるぞと、かま猫は泣きながら、にぎりこぶしを握りました。”
(寓話 猫の事務所)
悪をテーマにした1冊。
フランドン農学校の豚は読んでいてほんとうにつらくなるんですが、いちばん印象にのこっているし、好きな話でした。
いままで読んできた宮澤賢治とはすこしカラーのちがう作品もいくつかありました。
Posted by ブクログ
小学校に読んだ、注文の多い料理店も入っていて、なつかしく、今読んでも夢中になる。
他16編が入っている。どれも、賢治らしい言い回し、感性がちりばめられている。
Posted by ブクログ
宮沢賢治の書く物語はちょっぴりダークなおとぎ話のようで、読んでいて楽しい。
『毒蛾』の情景の描写が特に素敵で好きだった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ざわざわ鳴るススキの中に、「西洋料理店・山猫軒」がありました。都会から猟に来た二人の紳士が、入ってみると…表題作「注文の多い料理店」ほか13編収録。これを読んだあなたは、世界を構成している基準が揺らぎ、自分と他者の間がきしんだ時の痛み、恐れを感じながら、魅力的な賢治ワールドを発見するでしょう。
Posted by ブクログ
動物と人間との関係や、教訓としての話が多く、その意味を考えてみたいと思える本だった。その時々で捉え方が変わり違った感想が出てきそう。
「二人の役人」「谷」「さいかち淵」は子供目線の話で、どこか懐かしく感じる部分があり入り込んで読んだ。自然の中で夢中で遊んでいて、唐突に周囲が寂しくなっていた空気感とか、現実に引き戻される感じ、思いもよらぬ所まで来てしまっていた時の感じ。一度怖くなったらなかなか妄想は振りほどけない。日記のように語られ、自分でも忘れていたこの感覚がよみがえってとても面白かった。
Posted by ブクログ
宮沢賢治の文体が好き。うまく言えないが、紳士的で上品な感じがする。注文の多い料理店はあまりにも有名な作品だが、あらためて読んでみると、ワクワクドキドキできる。何とも不気味な雰囲気は独特。
Posted by ブクログ
被害者意識も度を過ぎると周囲から見放される「ツェ」ねずみ、あまがえるととのさまがえるが労働者と資本家という構図で幸福な労働とはなんぞやが今の時代にも通ずる「カイロ団長他、蜘蛛となめくじと狸、ひのきとひなげし、革トランク、注文の多い料理店、フランドン農学校の豚、オツベルと象、寓話 猫の事務所、毒蛾、二人の役人、谷、さいかち淵、毒もみのすきな署長さん(全14話)。大人になって(人生経験を積んで)面白さがわかった。
Posted by ブクログ
漫画ワンピースの冒頭にそっくり!笑
なんというピカレスクロマン。
******引用******
さて署長さんは縛られて、裁判にかかり死刑ということにきまりました。
いよいよ巨きな曲った刀で、首を落されるとき、署長さんは笑って云いました。
「ああ、面白かった。おれはもう、毒もみのことときたら、全く夢中なんだ。いよいよこんどは、地獄で毒もみをやるかな。」
みんなはすっかり感服しました。
Posted by ブクログ
古い作品なのでちょっと読みにくいのかなと思ったけれどそんな事はなく面白かった。短編なのもあってすきま時間にスッと読めるのも良かった。
注文の多い料理店は子供の頃教科書に載ってたので知ってたけれど、改めて読んでみるとこんな結末だったっけってびっくり。
カイロ団長と二人の役人が特に面白かった。