宮沢賢治のレビュー一覧
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真
ただ強くなりたいと願っているだけじゃない。
誰に何を言われようと,どう思われようと,ひたすらに自分の信じた道を進もうとする心。
見返りなんて一切求めてない。
ただ守るべきものを守り続ける。
それこそが真の強さ。
それこそが,母というもの。
なのかもしれない。 -
ネタバレ 購入済み
教訓
教訓めいた童話にしては,タイトルが秀逸である。
人間は,捕食されるという感覚を忘れてしまっているから。
欲望のあまり,みずから進んで飛び込んでしまう,そんな生きもの。 -
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「宮沢賢治の彼方へ」を読むため、予習あるいは復習として読んだ。妹から贈られた図書カードで購入した。
宮沢賢治の童話で代表的なものはおそらく一読しているはずだが、内容をあまりよく覚えていないものもあり、その中の一つが「風の又三郎」だった。
同作は、記憶や印象の中にあるよりもかなり現実的な内容だった。解説にもある通り、例えば「銀河鉄道の夜」などと違い、一見すると現実に起こり得るような出来事しか語られていない、あるいは、子どもの思い込みや想像の一部でしかないようにも思える。しかしそのことがかえって、まったくのファンタジーよりも、大人たちからするとなんの変わり映えもないような日常の中に、子どもたちの世 -
購入済み
30数年ぶり
子供の頃に当日毎朝放送していた某人気テレビ番組で本書の実写版的なワンコーナーを見て怖い思いをして以来、初めてしっかりと読んでみました。
子供の頃に感じたあの時の記憶を思い出しながら楽しく読めました。 -
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ネタバレ『カムパネルラ』 (創元SF文庫) 著:山田正紀
を読んで、子供のころに読み終えることができなかった
『風の又三郎』と『銀河鉄道の夜』が収録されている
本書を購入。
『風の又三郎』は当時なぜ読み終えることができなかったのだろうと疑問に思うほど、自然の中の子供の世界の幻想的な世界が詰まっている。
一方、『銀河鉄道の夜』は、二人の少年の星座をめぐる鉄道旅の幻想の世界に、この歳(表紙イラストの作者名で『BADだねヨシオくん!』を即思い出す年代)になって理解できる味わい、死の世界。
『ひかりの素足』なんて兄弟愛の話かとおもいきや、自然の驚異と死後の苦しみ、一方で信仰、現世の苦しみからの解放、そして -
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「読者が選んだ名作復刊」シリーズの中に本書があったので、手にとった。総て、農学校教師時代の26歳から30歳の間に書かれた短編12篇が載っている。賢治ファンの私も見落としていた珠玉のアンソロジーだった。
特に、最初の4篇は、まるで教師の日記のように具体的だ。「或る農学生の日誌」はまるで自分の生徒の日誌を盗み見たような迫真性を持つが、文章は紛うことなき賢治のものである。「イギリス海岸」は、ほとんど教師としての日誌である。「第三紀偶蹄類の足跡標本の採取」は、想像かと思いきや、解説によるとホントのことらしい。授業中の発見なんて、正に僥倖と言っていいだろう。そのあと、未完成原稿もふくみながら、小中学 -
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怪異小品集。宮沢賢治って児童文学の人だと思っていたので、こんないろいろな作品があったとは、と感嘆しました。でもたしかに、昔読んだ児童文学の数々にも、さまざまな意味での「怪異」は描かれていたのかもなあ。
「幽霊の章」に気に入ったものが多かったです。やはり一番好きなのは、「河原坊(山脚の黎明)」。静かで心地よいとさえ思える恐怖感が、じわじわと染み入ってくる印象でした。「ながれたり」もまさしく流れるような言葉が心地よくって、浸れる一作です。
後半の作品は怪異といえども、怖いというよりはなんだか愉快に思えるものが多い印象でした。「月夜のでんしんばしら」なんてものすごく楽しい気がするのだけれど。それでも -
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ネタバレ「山月記」が好きなんだが、ほかの中島敦の作品も読みたくて手にとる。
表紙の色が大変綺麗。
南島エッセイ的なのと中国ものと。
内地、というのが日本のことだというのを理解するのにワンテンポ必要とした。
ある巡査の~は関東大震災での風評による朝鮮人虐殺の件が当事者の悲しみと怒りともに描かれている部分があり、しかもそれが言論統制により封じられていくという
結構日本に批判的だと思うのだがまだ昭和一桁代は発表が可能だったのだなあ。
悟浄さんのはとてもおもしろく読んだ。
万城目さんので悟浄出立ってのがあったと思うんだが、
そして大変おもしろかった覚えがあるんだが、
こっからか?
孔子のもおもしろかった。
各 -
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以前、映画化されたオムニバス作品の原作。玉石混交の短編集。
『BUNGO 文豪短編傑作選』角川文庫
鈴木梅太郎が脚気の原因がビタミンB1の不足だと特定し、年間死者数万人と言われた国民病を劇的に改善したのに、陸軍軍医総監の森鴎外はエリート根性から百姓学者が何を言うかと馬鹿にしてそれを取り入れなかったため、陸軍兵士はバタバタ死んだ。というエピソードをかつて知ったばかりに鴎外は読まず嫌いだったので、この中に所収の『高瀬舟』が初鴎外だった。生き方は共感できないが、作品は実に面白かった。
弟殺しの罪で島流しになる罪人を護送中の同心は、どうしてもその男が肉親を手にかけるような罪人に見えなかった。男