宮沢賢治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現在刊行中の「銀河鉄道の夜 四次稿編」を読んでたら、無性に比較したくなって購入。80年代に書かれた四次稿ベースの「最終形」版と、三次稿ベースの「初期形<ブロカニロ博士篇>」版が収録されている。「最終形」版も原作に忠実ではあるが、「四次稿編」版に比べると随分端折ってるなぁという印象。単体で読む分には駆け足という感じではないので、正確にいうならば「四次稿編」がどんだけ丁寧に描いてんだという話ではある。「初期形」版は原作の方を読んでないので原作との違いどうこうは判らないけど、序盤がかなり簡潔なのと、ラストでブロカニロ博士が登場するとこ以外は思ってたほど四次稿と違いはないのだな。
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Posted by ブクログ
とても面白かった。
表題作をはじめ悲しい話が多かったが、ストーリーや着眼点が面白くて楽しみながら読めた。
「銀河鉄道の夜」がこんなに悲しい物語だったとは…
「ビジテリアン大祭」「オツベルと象」がお気に入り。
この本をじっくり読み解くことが、人間的な成長に繋がるような気がした。
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貧しく孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って美しく悲しい夜空の旅をする、永遠の未完成の傑作である表題作や、「よだかの星」「オツベルと象」「セロ弾きのゴーシュ」など、イーハトーヴォの切なく多彩な世界に、「北守将軍と三人兄弟の医者」「饑餓陣営」「ビジテリアン大祭 -
購入済み
宮沢賢治らしい勧善懲悪?!
オツベルと象もそうですが、人間が欲を持ってそれに対して何も保障もなしに何かを奪ったり、殺したりするような事・社会に対して、宮沢賢治は言いたい事があるのかなあ、と感じるお話。
週刊誌のように暴きたてるのではなく、心にまとわりつかせるように…。 -
購入済み
静かに力強く
いつ読んでも、胸にぐっと来るものがある。これが発表するためのものでなく自身のメモとして残された詩であるところが、更に人の心を捉えるのだと思う。私も、そういうもの、になりたい。
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購入済み
天の川
すごく綺麗で,透き通っていて,どこまでも真っ暗で,真っ赤に燃えていて。
純真な子どもでありながら,抱えきれないくらいいろんなものを背負っているジョバンニとカンパネルラ。
死と希望と慈愛に満ちた天の川。
深々とした切なさと,人知を超えた広大さが,日常の窮屈を塗りつぶしてくれる。 -
ネタバレ 購入済み
セロ弾きの成長物語
仲間の楽師の中で一番下手だったゴーシュが毎晩彼を訪れた動物のお陰でいつのまにか一人でアンコールを任される程の名手に変わっていた。そこには人は決して一人で生きているのではない、いつも周りの者によって支えられているんだと言う宮沢賢治さんの自然観が隠されているように思えました。このセロ弾きのゴーシュだけでなく全ての作品があなたの本当の心の糧になるかも知れません。是非読んでみて下さい。ほとんどの漢字にルビが振ってあるので読みやすいです。
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購入済み
考察していきたい
一気に読み終えてしまうほど面白い内容でした。次の展開が気になってしょうがなくなっていました。これから、この物語の意味を考察するのが楽しみです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ宮沢賢治はずっと好きだと思っていました。
ただ、レビューするにあたって、この「永遠の詩」シリーズの第六巻、全部読み直しましたが、賢治は小学校の教科書にも載っている、なじみの深い作家ですが、非常に難しい作家だと思いました。
しかし、好きなこと、イコール意味がよくわかることでは、必ずしもなくていいのだと、巻末の椎名誠さんのエッセイを読み励まされました。椎名誠さんも賢治の全集をただ漫然と読み流していただけで、実はまるで何も理解していなかったという過去を書かれていらっしゃいます。
このシリーズは親切に一篇一篇の詩に解説がついていますが、それでも難しく、いくらかみしめても読んでわからないものも多かったで -
Posted by ブクログ
『銀河鉄道の夜』
子供から大人まで広く読み継がれるこの物語は、宮沢賢治不朽の名作です。
主人公のジョバンニはいじめられっ子。病気の母親とその生活を支える為、仕事をしながら学校へ通っています。学校でも仕事先でもうまく馴染めず、孤独を抱えているジョバンニ。そんなジョバンニを気にしてくれるのは、彼の幼い頃からの親友、カムパネルラだけでした。
カムパネルラは、川に落ちたジョバンニを助けますが、彼はジョバンニの身代わりとなって死んでしまいます。気がつくと、天の川を走る銀河鉄道の中。
ジョバンニはカムパネルラと銀河を旅しながら、様々な場所での魅力的な人物との出会いを通し、「本当の幸せ」とは何かを模索しはじ -
Posted by ブクログ
手元にあるのは、クラッシックスではなく昭和55年の改版22版角川文庫。①宮沢賢治の序が付いているほか、②菊池武雄さんの初版本挿絵も復刻されている。さらに付録として③『注文の多い料理店』新刊案内、④注釈、⑤弟さんの解説「兄、宮沢賢治の生涯」、そして⑥小倉豊文さんの「新しい古典復刻の弁」、⑦石森延男さんの「宮沢賢治の作品」も付されている。最後に⑧主要参考文献と⑨年譜と、文庫とは思えない贅沢な内容となっており、これらの資料と合わせて読めば宮沢賢治作品の理解も深まると思います。また、私は出張で訪れた岩手で盛岡方言などを耳にしましたが、あの優しい温かみのある「音」を知り、この作品への親近感がさらに高まっ