宮沢賢治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
漢字 小学校中学年以上
フリガナ あり(部分的に)
文字の大きさ 小
長さ 長い(240ページ)
出版年 2000年
内容 「雪渡り」「よだかの星」「ざしき童子のはなし」「祭の晩」「虔十公園林」「ツェねずみ」「気のいい火山弾」「セロ弾きのゴーシュ」「ふたごの星」「風の又三郎」
感想 解説の「同情心ということ」一文にあるとおり、「ミンナニデクノボートヨバレ」るタイプの人物に注目した作品が多く収録されている。「虔十公園林」では、「ああまったくたれがかしこく、たれがかしこくないかはわかりません。」という台詞が強く心に刻まれた。「風の又三郎」の独創的な自然描写も長く脳裏に残りそうだ。
個人的には、子ど -
Posted by ブクログ
ネタバレ17歳になるまでにちゃんと読んだ2冊の本のうちの一冊。読書の原体験であり、大人になって初期バージョンを読んでからこの作品の深層に触れ大きな衝撃を受けた。子供時代と今の自分それぞれに別の覚醒を喰らわされた日本文化の特異点、それが宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」だ。
原作および映画版「ウォッチメン」
是枝裕和の「怪物」
映画版「キャシャーン」
そして浦沢直樹の「モンスター」
共通するテーマは「最大多数の最大幸福を求める」
そして人は必ず間違える「原罪」を背負う
子供の頃読んで魚が舞う天の川の景色にうっとりした読書体験が今だに自分の創作活動の原型となっている -
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漢字 大人レベル
フリガナ あり(部分的に)
文字の大きさ 小
長さ 長い(324ページ)
出版年 1996年(改訂新版)
内容 童話集「注文の多い料理店」に収録されていない、生前の発表作を年代順に収録。また「ペンネンネンネンネン・ネネムの日記」が付録されている。
感想 二つ目の解説が大変よい。宮沢賢治の作品は知性や論理ではなく、「身体で読む」べきもの、という。個人的には、子どものころは賢治作品を全く理解できなかったが、大人になった今、とても深く感じ入っている。年齢関係なく、読める「時」があるように思う。その「時」をつかめば、さほど説明のされない奇妙な展開やウィットの効いた風刺、また絵画的な風 -
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# 感想(銀河鉄道の夜)
国語の教科書で読んだことはあったけれど、大人になってからは読んだことがない。
内容も詳しく思い出せない。
そこで本屋さんで見かけて読んでみた。
不思議で、とても綺麗な印象を持つ。
複雑な境遇を持つジョバンニが、カムパネルラと一緒に銀河を走る汽車で旅をする。
その中で、様々な人や景色に出会う。
「星の王子さま」を読んだときのような感じ。
最後、カムパネルラが友だちを助けるために川へ入って溺れてしまう。
突然の悲しい別れに驚くけれど、その前のジョバンニとカムパネルラの「ほんとうのしあわせはいったいなんだろう?」というやりとりを思い出した。
カムパネルラにとっては、友だち -
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「生と死を見つめ、"ほんとうの幸"を問いつづけた宮沢賢治。不朽の名作『銀河鉄道の夜』をはじめ、人間の心理を紡いだ多彩な童話を美しく幻想的な絵で贈ります」
とにかく挿絵の日下明さんの絵が素敵。
表紙はカラーだが、中の挿絵もカラーでぜひ見てみたい。
子どもの頃いくつか読んではいたが、それはただ読んで内容をわかった気でいただけ。大人になると宮沢賢治の伝えたかったこと、考えていたことが少しわかったような気がした。
貧困や病気、弱いものいじめ、戦争。
童話の中でもたくさんの問題が出てくる。現代にもある問題ばかり。だからこそ、現代人が読むべき本なのかもしれない。
「どうかにくむこと -
Posted by ブクログ
宮沢賢治記念館に行く予定があり、予習の為に購入。文庫本で読んだことのあるものもあったが、今回は小学生の子どもでも読めるようにとこちらを購入。
挿絵もあり、字も大きくとても読みやすかった。
子どもの頃は正直よくわかっていなかった宮沢賢治。大人になっても読み返してみるととても深くて面白い。
よだかの星でちょっと泣きそうになった。
宮沢賢治の育った岩手の情景や匂いや色まで感じられそうな作品がたくさんで、とてもよかった。
記念館に行くのが待ち遠しい。
【宮沢賢治 童話集】
注文の多い料理店/どんぐりと山猫/オツベルト象/ツェねずみ/やまなし/よだかの星/水仙月の四日/雪わたり/虔十公園林/セロ -
Posted by ブクログ
きらきらの表現が多様で、星とか宝石とかに詳しい人なのかな。文を読んで目の前がきらきらする。
純文学?名作?的な作品を読んだことは多くなく、自分で買った小説では初めてだと思う。読み進めるのが難しい、読点の位置や文章、言葉が今と違いすぎる。
内容も現代の雰囲気とはちがう。ちゃんと読みとれたのかわからない。でもたぶん銀河を旅する列車に乗って、そこで出会う人達との邂逅を楽しんだんだよね?たぶん。そして自分なりの幸せを探そうとしたんだよね、と思った。
今はこのくらいの読解だけど、いつか読み返した時にどうなるのかなと思って、それが読んでる時から楽しみ。
よだかの星も、少しつらいけど、燃えることがで -
Posted by ブクログ
書かれた時代からして、当然読みにくさはあります。こういった作品を読みなれていないのもあり、時には意味を調べながらで、ページ数の割に読み終わるまで時間がかかりました。このように少し時間をかけて丁寧に読んでいけば、一読目でもある程度読み解けると作品かと思います。
そしてもちろん、2度目、3度目と読み重ねる度に新しい発見があったり、その度に違った感想に至るところは、流石に名作といわれるだけはあるなと思います。
更に驚いたのは、一瞬でその世界に入り込めるというところです。例えば誰かに適当に開いてもらったページからでも、一瞬で物語に入り込むことができます。決して読みやすい文章とか単純で分かりやすいストー -
Posted by ブクログ
表題作の銀河鉄道の夜は間違いなく星5です。最初は少し読みにくく感じたけど読んでいくといつのまにか自分も銀河鉄道の世界観の中に入り込んでました。幻想的で美しくも哀しくもある少し仄暗い雰囲気のある物語です。
戦前に書かれたものですが今読んでも他にない魅力が溢れています。
他の短編は私にはまだよく分かりきれない部分が多いお話も多い。
ジブリの宮崎駿監督は宮沢賢治の大ファンで宮沢賢治の本は分からなくても何度も読み返して理解していくものだと言っていました。
当の宮沢賢治は「よくわからないところは私自身にもまたよくわからないのです。」と書いています笑
なんか全部含めて宮沢賢治、好きです。カプカプ