あらすじ
「やっぱりあいづ又三郎だぞ」谷川の岸の小学校に風のように現われ去っていった転校生に対する、子供たちの親しみと恐れのいりまじった気持を生き生きと描く表題作や、「やまなし」「二十六夜」「祭の晩」「グスコーブドリの伝記」など16編を収録。多くの人々を魅了しつづける賢治童話の世界から、自然の息づきの中で生きる小動物や子供たちの微妙な心の動きを活写する作品を中心に紹介。
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宮沢賢治 貝の火
ホモイは、何の打算もなく相手を助け、その報いとして「貝の火」を授かった。ところがその力を手に入れた途端、慎ましさや他者への敬意を失い、威張り始めてしまう。この変化は、人間が地位や力を得たときに陥りやすい感情の弱さを鋭く描き出しているように思えた。
さらに、悪事を働かないという最低限の倫理すら、「貝の火を絶やさないため」という目的へとすり替わっていく。善意そのものを守ろうとした瞬間に、無償性は濁ってしまう。その一種のジレンマを物語に落とし込むことで、「善意とは何か」という問いを私たちに突きつけているのだと感じた。
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岩手旅行に行くので宮沢賢治を深めよう第二弾。自然の描写が素晴らしく、でっかい何かを読んでいる感じがします。
本書の中では、やまなし、フランドン農学校の豚、鳥をとるやなぎが特に好きでした。畜殺する際に豚自身から許可証を取るという現代っぽさ。古さを感じないなと思います。
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心に残っちゃった
小学生の頃の脳内を思い出した
子供のピュアさとか喧嘩のくだらなさというか、自分の分が無くなるのにえんぴつをくれてやる純粋かつ愚かぽく見える純度高い善意?がむしゃらさというか…文章が秀逸すぎる
昔は未来の漠然とした不安とか感じなかったなとか、校庭の砂の感触とか落ちてた幼虫を葉っぱに乗せて草むらに返した事とか思い出した
最後悲しくて泣いちゃった 苦しい〜〜
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どれもかわいらしくて大好き。と思ってのめりこむ気持ちをおいてけぼりにして、物語はばっさり切れて終わる。途方に暮れてどっちに歩いたらいいかわからなくなる。
まるで夢から覚めたばかりで、現実にチューニングを合わせられないような。
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宮沢賢治やっぱり好き。
この本読んで改めて思った。
日本の子ども向けの童話や童謡がもともと大好きで、それは宮沢賢治がいたからこそ生まれてきたもんなんかも知らんなと勝手に思ってる。
(絶対違うけど)
銀河鉄道の夜が一番大好きやけど、この本もすごいよかった。
昔の人の書くこわーいくらーい感じも興味深かった。
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又三郎も読んでいなかったので。昔のドラマで先生役の水谷豊がオルガンを弾き、「どっどど どどうど どどうど どどう」と児童達に歌わせるシーンを何処かで見たような気がする。
クラムボン好き。かぷかぷ。
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令和のファンタジーが続いたので、古典を。綺麗な童話や物語だけでなく、卑しさ、狡さ、残酷さや、食物連鎖なども織り込み、素直に書かれていて、静かな気持ちで読むことができる。正しい行動がいつの間にか主客転倒してしまう「貝の火」、自己中心的な行動が身の破滅を引き起こす「蜘蛛となめくじと狸」「ツェねずみ」、知恵遅れと言われた少年が林を大切に育て地域の宝になった「虔十公園林」、「グスコーブドリの伝記」や「風の又三郎」もなんだか懐かしい。
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帰省した時に、本棚にあった中学の頃の課題図書を引っ張り出して読みました。しおりが中途半端なところで挟まったままだったので、きっと読み終えなかったのでしょう。自然と生き物の残酷さと、美しい表現(どうやったらそんな音が出せる?)、あー。宮沢賢治読んでるなって感じました。
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ヨルシカとのコラボカバーに惹かれて。宮沢賢治は久しぶりで「やまなし」の印象が少し残ってるくらいでしたので、「貝の火」から続くブラックな作風に驚きました。こういう作品もあるんだなと。その分とても印象に残りました。
お気に入りは「グスコーブドリの伝記」。不思議の世界を冒険しているような感じが好きです。
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どっどど、どどうど、どどうど、どどう。
宮沢賢治の作品はこんなに擬人法が多いんだと感じた。宗教的揶揄や人間社会の皮肉といった事もちょっとばかり感じなくもなかった。物語の展開も面白く情景描写も非常に巧みな作品だと思う。
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風の又三郎。大人たちが発破(ダイナマイト)を使って自然を破壊する場面。子どもたちが毒もみ(山椒を川に撒いて魚を獲ること)を楽しんで行う場面。三郎の描かれ方が怖い。「モリブデンの鉱脈は当分手をつけないことになった」という状態になり転校。風の又三郎は、自然そのものだなあ。もっと味わって読めそう。
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賢治の作品をちゃんと読むのは初めて。教科書でさわりの部分を知ったり、NHK教育番組で賢治の詩を題材にした映像を見たり。表題作も確かNHKで知ったはず。主に童話を集めた本書を読むと、岩手・花巻の言葉のゆったりした雰囲気や、賢治が使う擬音、オノマトペの面白さを楽しめる。
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生前未発表に終わった作品を多く含む短編集。映画化もされたことのある表題作や「グスコーブドリの伝記」もそうだが、国語教科書に載ってることで有名な「やまなし」も良い。宮沢賢治は詩人だなと、つくづく思う。言葉選びのセンスが独特。このセンスを「面白い」と思うか「訳わからん」となるかで大きく印象が分かれるだろう。この短編集は仏教説話的な内容のものも多いのが、印象に残る。
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今更ながら新古典を読んでみようの巻き。
一部は教科書他子供の頃に読んだかな。
クラムボンがかぷかぷ笑ったよが好きなのですが、久々に読んで死んじゃったのかい!と思わず突っ込む。
哀しい話が多いけれど、美しい自然の情景描写に心奪われます。
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「やまなし」「ツェねずみ」「グスコーブドリの伝記」など。
自然の息づきの中で生きる小動物や子供たちの微妙な心の動きを活写する作品を中心に紹介。
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宮沢賢治の代表作の一つである「風の又三郎」や、「ゴスコーブリドの伝記」など16篇を収録。
「風の又三郎」は子供の頃に読んだようなボンヤリした記憶があったが、大人になって「こんな話しだったのか」と関心しました。
個人的には初期の動物を擬人化した「蜘蛛となめくじと狸」や「ツェねずみ」「クンねずみ」「蛙の込むクツ」辺りが、童話らしくて好きでした。童話らしく、可愛くて、教訓があり、こわい。
宮沢賢治の童話は永遠に読み継がれるだけの哲学があります。
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どっどど どどうど どどうど どどう
どぶんどぶん、だあんだあん、ぼちゃぼちゃ
耳慣れないけど心地いい
日本語が分からなければ理解できないのではないだろうか。この音が分からなければ面白さは目減りしてしまうだろう
日本人でよかった
単衣を着て赤いうちわをもった先生は天狗なのか?と思った。
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短編集。その中にある『グスコーブドリの伝記』が子供の頃から大好きで、大人になってからは書写しながら読んでみた。書写は続かなかったけど、今読んでも最後はやっぱり思いが積もる。
ブドリにもこの選択しか無かったのかな。
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童話、絵本、ファンタジーは得意でないから、
宮沢賢治も何度かチャレンジしているのだけど、
今回は今までより楽しく読めた。
祭りの晩が1番好き。
風の又三郎の良さは私にはわからない。
なんか、未熟なんだろうな。私が。
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ヨルシカコラボカバーに惹かれて買ってみた。今まで、宮沢賢治といえば、教科書で読んだ「やまなし」くらいしか読んだことがなかったので、ちょうどいいかなと思ったのもある。
童話集的になっていて、それぞれの話として、趣は違うのだけれど、素朴な自然の美しさたったり、訓話的な考えさせるような話だったり、自己犠牲的な献身だったり、時代を経てきた良さはたしかにあるのかなと思った。
ただ、まあ、自分にはあまり肌に合わないというか、いまいち良いと思いきれなかった。
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文章自体は確かに子供でも読める文学。でも、子供にこれを考察させるのってかなり難儀なんじゃっないかなぁって。考えればいくらでも裏読みできるし。やっぱり大人になってからもう一度は読んでおいたほうがいいなぁと感じました。
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宮沢賢治の童話や寓話を集めたもの。先に新編「銀河鉄道の夜」を読んでいたが、その本よりもウィットに富んだ寓話が多い印象。勿論、表題作を含めそうでない話もある。
宮沢賢治はあまり得意でなかった❨読みにくかった❫が、リズムになれてきたせいかこれはそこまで読んでいて辛くなかった。銀河鉄道の夜は銀河の幻想的な描写も想像しつつ鳥取りに対する突然湧き出る情も理解しなければならなかったし、ベジタリアン大会は長いしずっと同じような応酬をしているだけだしでとにかく読んでいるだけで疲れる話が多かったが、今回の話はさっと読める感じがした。特に風の又三郎は子供たちの日常と非現実的な要素の組み合わせの塩梅が良く、読んでいて楽しかった。
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もっと、「風の又三郎!」と断定したような話だと思ったら、意外と「風の?」「又三郎?」って感じで、物足りなさが残った。
ちょっとしたことでも「大げさ」に受け取ってしまう「子ども」の目線だからかも知れないけど。
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宮沢賢治の本を初めて買って読んだ。
すごく国語の教科書的だなと思ったけど、内容は深かったり。風の又三郎よりもグスコーブドリの伝記のほうがおもしろかった。小動物ネタが多くてほんと童話みたいだし、何それ?みたいな特徴的な名前が多くて不思議な感じだった。
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ほぼ全作品初めてちゃんと読んだ。
『オッペルと象』も、読んだことあるような無いようなの曖昧な記憶だったから、ちゃんと読めて良かった。
『風の又三郎』の印象は薄かった。
『セロ弾きのゴーシュ』は昔よく見たアニメの映像そのままだった。またあのアニメ見たい。動物可愛い。
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読んだきっかけ:①東北旅行の予習として?②古本で100円だったので。 ③「風の又三郎」を読んだことがなかったので。
かかった時間:11/30-12/11(12日くらい)
内容:
・やまなし
・貝の火
・蜘蛛となめくじと狸
・ツェねずみ
・クンねずみ
・蛙のゴム靴
・二十六夜
・雁の童子
・十月の末
・フランドン農学校の豚
・虔十公園林
・谷
・鳥をとるやなぎ
・祭の晩
・グスコーブドリの伝記
・風の又三郎
「やまなし」は教科書で知っていました。「グスコーブドリ」は、あらすじを読んだことがありました。
童話的なものや訓戒を含んだもの、田舎の日常を描いたものなどに分けられます。
個人的には、やはり童話的なものが面白かった。
風の又三郎は、いまいち…。でも、ものすごいたくさん解説本が出てたり、映画になってたりするんですね。
どちらにしても、今更読んだのかよって感じでしょうが。