宮沢賢治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
10年以上ぶりに今回読んだところ、以前と印象が変わったところと変わらなかったところがあり面白かったです。含まれた全短中編に共通して再確認したことはやはり詩人の文章だということです。物事を形容する漢語や擬音語の選び方が独特で美しく、そしてユーモラスでした。漢語については、たとえば鉱物に関わるような漢語など、与える印象に透明感や輝きがある語が選ばれていて、これは漢字が読めないと子供にはわからないのかもしれないなと思いながら読み聞かせしました。擬音語は「ぐらあがあ」とか「ぎっばっふぅ」など子供の印象にも強く残ったようで読み終わったあとも口ずさんでいました。一方で今回新たに発見したことは、決して荒削りという意味での素朴ではないということです。これも詩人らしく言葉の選択に推敲に推敲を重ねた結果なのでしょうが、文章に一作ごとに違うスタイルを使っていたり、西洋風だったり中国風だったり、意図的に泥臭い生活感を表現していたり捨象していたり、伏線を張りめぐらせたりと、非常に技巧的だと感じました。特に「銀河鉄道の夜」については、銀河鉄道がどんな性質のものなのか、カムパネルラがなぜ乗っているのか、といったことについて序盤から何度も伏線が提示されており、子供もそれに気づいて不思議に思いながら話を読み進め、そして読後にはまた戻って振り返るということで、ミステリーのような楽しみ方ができました。
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Posted by ブクログ
小さい頃父によく読んでもらった本です。特によだかの星が大好きなお話で、寝る前に読んでもらっていました。
今は猫の事務所が好き。
*収録作品*
革トランク
毒もみのすきな署長さん
風の又三郎
気のいい火山弾
茨海小学校
セロ弾きのゴーシュ
どんぐりと山猫
鹿踊りのはじまり
注文の多い料理店
蜘蛛となめくじ
猫の事務所
オツベルと象
飢餓陣営
よだかの星
二十六夜
やまなし
グスコーブドリの伝記
*詩*
「春と修羅」(序)
春と修羅
報告
風景観察官
岩手山
原体剣舞連
永訣の朝
無声慟哭
あすこの田はねえ
青森挽歌
*歌曲*
星めぐりの歌
大菩薩峠の歌 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書はおそらく一番風の又三郎を推している。
だが、私はグスコーブドリ伝記が一番印象に残った。
父親母親妹ブドリの家族四人が、毎日森の中で幸せな日常を送っている場面から話は始まる。そして、気象師のブドリは自分を犠牲にすることで不作となったであろう未来を変えて農家を救い、話は終わる。話の始まりと終わりを取りあげることでわかるように、この作品はわらしべ長者のように刻一刻と状況が変化する。その変化は予測不能、けれども斬新で不快感を感じない。もはや清々しさを感じ、次の展開を早く知りたくなる。そして、ふと我に返って今に至るまでに過ぎた出来事を思い返すことで、普通では想像もできない道筋を辿ってきたことにはじめて気付く。それほどまでに自然な流れでブドリが成長していく様子を書き連ねている。このような寓話は他に類を見ない。宮沢賢治の想像力と文章力に改めて畏怖した。 -
Posted by ブクログ
花巻の自然をこよなく愛し、篤い信仰心を持ちながら農業に従事する一方、文学や音楽に情熱を傾けた賢治。生前公刊された「春と修羅」やノート、手帳に書きつけられた膨大な量の詩から、最も魅力ある作品を厳選し収録した。今なお読み継がれ、多くの人々を魅了し続ける詩人・宮沢賢治の心のデッサン。
自分が宮沢賢治にハマる直接のきっかけとなった詩がこの本に収録されていて、それだけを目当てに買ったようなものだった。『告別』という詩がそれだが、やはり他のものと比較しても、詩の捉え方や感じ方が特別違うように思える。
もちろん、その他の詩も、大自然や人間のありのままの姿を謳ったものが多く、感動的な情景が目前に拓けるかのようなリアルさがあった。
宮沢賢治という人は、きっと感受性がとても豊かで、洗練された心の持ち主だったのだろうと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私は宮沢賢治が書くものがたりがとてもこわくて大変好きだ。ひかりの素足はもちろんのこと、銀河鉄道の夜に蔓延るひかりに溢れたおどろおどろしさと言ったら他に無い。あんまりまぶしいひかりの中にひたひたひたひた闇があるのだ。地を這うように漠然とした不安があるのだ。その不安はいつのまにかにそこにあり、いつまでたってもここにあるのだ。だから私は宮沢さんの描くせかいがいつもいつもいつまでだってこわいのだ。
同時収録の「よだかの星」
宮沢さんの作品で何よりも好きな作品です。
※表紙のイラストが登録時と変わってしまっているのが非常に残念です。
文庫でありながら絵本のようなやさしいイラストの表紙がすてきですきだった。