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Posted by ブクログ
「読者が選んだ名作復刊」シリーズの中に本書があったので、手にとった。総て、農学校教師時代の26歳から30歳の間に書かれた短編12篇が載っている。賢治ファンの私も見落としていた珠玉のアンソロジーだった。
特に、最初の4篇は、まるで教師の日記のように具体的だ。「或る農学生の日誌」はまるで自分の生徒の日誌を盗み見たような迫真性を持つが、文章は紛うことなき賢治のものである。「イギリス海岸」は、ほとんど教師としての日誌である。「第三紀偶蹄類の足跡標本の採取」は、想像かと思いきや、解説によるとホントのことらしい。授業中の発見なんて、正に僥倖と言っていいだろう。そのあと、未完成原稿もふくみながら、小中学校時代の世界に対する好奇心、イーハトーボ世界の表現様式の実験、或いは昔ホントにみたかもしれない残酷な幻想を書き留めている。全集をくまなく見ないと見つけられないこれらを読めて幸せだった。
Posted by ブクログ
2/7/10
積読
日記体の「或る農学生の日誌」は面白かったが、他は琴線に触れなかった。
ちいさな木ぺん、続きが知りたいなあ。
100ページくらいまで読んで中断。
4/17/10
いま読んでる
森鴎外を読んだので調子に乗って文学を。でも鴎外より読むスピードが遅くなるのはなぜだろう?
4/27/10
読み終わった
賢治の初期の作品集、だということを巻末の解説で知った。この本は解説を先に読んだほうがいいかもしれない。というのは、「銀河鉄道の夜」「セロ弾きのゴーシュ」といった後期の作品に見られる、賢治独特の世界観を、本書に納められている作品は持っていないからだ。
本書「イーハトーボ農学校の春」は名前の通り、作者の故郷「イーハト-ボ(=岩手)」での、作者の農学校教師時代の経験を基にして描かれた、もっと現実的で自伝的、日記的な作品集だ。この作品を書いた当時の宮沢賢治は、晩年の「雨ニモマケズ」に代表されるような貧しい農民の生活に対する気持ちなどは全く持っていない。むしろ、農学校での明るく楽しかった生活を、当時の彼の生き方を反映して一農学校教師としての目線で捕らえている、ということなのだ。
と、解説にはこのようなことが書いてあり、全くその通りだと思った。この点を理解して読まないと、なんだか普通、というか平易、というか、魅力に欠ける作品だな、と思ってしまう。それはまさしく「宮沢賢治」の名を聞いて、「銀河鉄道の夜」のようなきらきら輝く幻想的なファンタジーの世界、若しくは「オツベルと象」のようなダイナミックな擬音と溜飲の下がるスペクタクルの世界、或いは「雨ニモマケズ」のようなストイックで現代人に平手を打つような教訓の世界、を想像していたから起こる誤解なのだと思う。
賢治が見、聞き、体験した、そのままの大正岩手を感じる、そういう読み方がこの本にあっているんだろうな。解説が一番面白かった。
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