劉慈欣のレビュー一覧
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SFのみにとどまらず幅広いジャンルを包含しつつも、丁寧な書きっぷりで置いてけぼりにならずに楽しめた。
政治が絡む部分はどうしても知識や文化の違いから難解に感じてしまって読むスピードがかなり落ちた。1、2文戻って読み進めることも多くあった。それでも続きが気になるものでね。面白い。科学面も文系にとっては難しいけれど、文脈や会話から何となく分かるようになっているのはありがたい。
文庫本だけの仕様なのかはたまた単行本からそうなのかは存じ上げないけれど、見開きのページが変わるたびに登場人物の名前にルビが振られていたののでかなり助かった。主要人物以外の名前を覚えることはなかなかにハード。キャラの濃さやイ -
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ネタバレ今回一番印象に残ったのは、程心が執剣者になった瞬間だった。正直あまりにもあっさり抑止が崩壊して笑ってしまったが、同時にこれは構造的には納得感しかなかった。
程心は人類と三体世界の仲介になろうとしていたように思う。執剣者に求められていたのはむしろ逆で、「撃つかどうかを合理的に判断する人物」ではなく、「合理性を超えて撃つ可能性を否定できない人物」や、ウェイドのように「こいつなら閾値を超えたら絶対やる」という確信を与えるような振る舞いが求められるべきだったと思う。羅輯はやはり個としての判断基準を持っており、それが誰にも共有されないという点に本質的な強さがあったのだと思う。彼は人類に対しても完全には -
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1はそんなに刺さらなかったので据え置いていたのだが、同じような人が2は面白いとレビューしていたので手に取った。確かに面白かった。
400年後の対決に向けてどこにリソースを注ぐべきかという考え方が興味深かったのだが、それをウォールフェイサーに一任するという展開に驚いた。背景を踏まえたとしても現実で考えたらとても採択されるとは思えなかったが、案の定作中でも皮肉られていて苦笑した。おまけに主人公が理想の恋人を妄想したり、果てには妄想の恋人をウォールフェイサー権限で探し出したりして、一体何を見せられているのかという気分にもなった。そりゃ「計画の一部」がミームになるよ。とは言え冷凍睡眠で時間軸が飛ぶと大 -
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2026/03/18 読み終わった
劉慈欣とアンディ・ウィアーは全部読むと決めている。
ウィアーは今のところ全部読んでるけど、劉はこれが三体以来、かな?
三体のイメージが強い人だけど、短編も多く書いていて、この本が短編集2らしい。「円」が第1弾。
今回の収録作品は三体よりも前に書かれた作品が多くて、三体ともリンクする話や、三体に登場した人物が出てきたりする。劉慈欣らしい切り口の「世界のこの部分だけがこう異なっていたらどうなる?」からスタートする話や、三体にも通じる壮大なスケールの話が盛りだくさんで、ウィアーとは違うワクワクが味わえるのは三体と同じ。
グッときたのは、「時間移民」「思索者」「 -
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ネタバレ三体が面白かったのでこちらも読んでみた
【印象に残った短編】
・郷村教師:高度な知的生命体から見た地球人。相互情報伝達は音波を通した毎秒10ビット程度の低性能なもの。世代間の記憶継承能力も無い地球人が技術を進歩させてきたのは、「教師」という人達が知識を紡いでいったから。物語後の子供たちの将来に想いを馳せずには居られなかった。
・詩雲:神に近いテクノロジーを持つ生命体が、古代地球文明の「漢詩」に興味を持ち、李白を越えようと太陽系全てと引替えに漢詩を総当りで作成しようとする話。
文化にテクノロジーで対抗しようとするその発想がまず面白い。宇宙に浮かぶ全ての可能性を含めた漢詩のストレージ、それこそ -
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ネタバレ本作は、宇宙文明同士の関係を「暗黒森林理論」という形でモデル化し、人類がそれにどう対抗するかを描いたSFだと感じた。特に印象的だったのは、文明の第一目的が生存であり、さらに文明は技術爆発を起こす可能性があるという二つの前提から、互いに先制攻撃を選ぶ方が合理的になるという発想である。ゲーム理論を学んだ経験から、この結論自体はある程度予想できる構造だったが、それを宇宙文明同士の関係に当てはめ、物語の中心原理として描いている点が興味深かった。
羅輯の戦略は、同じ面壁者であるレイ・ディアスの計画と通じる部分が多い。三体文明が圧倒的な技術力を持っているにもかかわらず、宇宙に三体星系の座標を公開するという -
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主要人物の一人である羅輯(ルオ・ジー)に関わる2人の女性の話し方がとても印象的。「作者のコントロールを離れ、やがて彼らの次の行動が予測不能になる。作者はただ好奇心に駆られて彼らのあとをついていき、彼らの生活の細部を除きま見たいに観察して記録する。それが名作になるのよ。」- 羅輯の元恋人である女性小説家から、小説を書いてプレゼントしてほしいとお願いされ書き始めるが羅輯の中で登場人物が自在に動き出すことに悩む。女性小説家は、作者が登場人物をコントロールするのではなく、真に才能のある小説家であれば登場人物は自由気ままに動き回り、作者はただそれを記録するだけだとするメッセージ。
「ええ。人間の表情、と